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億万長者の資産の守り方。富裕層の思考法と習慣
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2025年4月27日

トランプショックで株式が下落する中、億万長者はどう資産を守っているのか。富裕層はどんな思考法と習慣を持っているのか。元国税専門官の小林義崇氏に聞いた。 <ゲスト> 小林義崇|元東京国税局員/作家 唐沢寿明出演『プライベートバンカー』(テレビ朝日系)監修 2004年に東京国税局の国税専門官、相続税の...
「億万長者になるには派手さより地味さが必要」元国税専門官が暴く富裕層の思考法と習慣
富裕層は人生の中で無駄なリスクを取らず、適切な場面で投資にお金を使う。意外なことに、彼らの生活は質素で、節約の習慣がある。元国税専門官の小林義崇氏が数百件の事例から見えてきた富裕層の実態と彼らの思考法や習慣を明かす。

お金持ちほど「質素」に暮らしている
Q: 富裕層の実態をよく知る方として、これまでどのくらいの富裕層と接してきましたか?
私は国税職員時代、相続税担当として富裕層の方々を担当していました。申告書を見た件数で言えば数百件は見てきました。相続税の調査では亡くなった方の財産が正確かを確認するため、過去の金銭の使い方も調べます。通帳の動きを10年分ほど確認したり、自宅を訪問して金目のものがないか調査したりもします。
Q: 富裕層に共通する特徴はありますか?
最も驚いたのは「質素」であることです。一般的なイメージと異なり、派手な生活をしている方はほとんどいませんでした。自宅を訪問すると「物があまりない」「すっきりしている」という印象を受けます。むしろ一般の人の方が生活費が高いのではないかと思うようなケースもありました。

億万長者は「無駄なリスク」を取らない
Q: 富裕層の思考法で特徴的なものはありますか?
リスクの取り方が上手いというか、無駄なリスクを取らないのが特徴です。普通の人は極端で、リスクを全く取らないか、逆に取りすぎる傾向があります。富裕層は適度なリスクテイクができます。これは長期思考に基づいているでしょう。短期的に一気に稼ごうとはせず、長期的な視点でリスクをコントロールしています。
また、十分な資産があることで余裕が生まれ、さらに長期的な視点を持てるという好循環があります。生活費を抑えているのもポイントで、毎月50万円ないと生活できない人よりも、10万円で足りる人の方がさまざまなリスクを取れるのです。
Q: お金の使い方で特徴はありますか?
メリハリがはっきりしています。日常の支出は抑えつつ、教育費や将来の高級老人ホームの入居一時金など、家族の生活や教育には相応のお金を使っていました。つまり、一時的な商品には支出を抑え、未来につながる投資的効果のあるものにはしっかりお金をかけるのです。
投資面では不動産活用が王道です。上がりそうな物件に投資する「キャピタルゲイン」を狙うこともありますが、当面は「インカムゲイン」である賃貸収入を重視します。コストに対して家賃収入がどれだけ得られるかを厳しく見ていますし、将来の相続税対策という意味合いも強いです。
富裕層になれる人の2つのタイプ
Q: 資産を持つ富裕層にはどんなタイプの人が多いですか?
大きく分けて二通りあります。一つは「瞬間最大風速」で億万長者になるタイプ。もう一つは収入はそれほど高くなくても、気づけば億万長者になっているタイプです。私が主に接してきたのは後者でした。
典型的なのは会社経営者です。働いている間は役員報酬をしっかり取って会社を育てていきます。株式を持っているので会社が成長すれば自分の持ち株の価値も増加します。引退後もその株を維持すれば資産になりますし、M&Aで売却すれば現金化するという道も開けます。
個人事業主や、定年のない仕事をしている方も多いです。興味深いケースとして、マッサージ師の方で富裕層になった例もあります。

資産を守るための「習慣」とは
Q: 富裕層の習慣にはどんな特徴がありますか?
仕事が大好きな「仕事人間」が多い印象です。プライベートの趣味にお金を使うというより、仕事に関連することにお金を使う傾向があります。また、早起き、掃除、運動など規則正しい生活をしている人が多いです。
趣味も地味なものが多く、庭いじりや革靴の手入れ、時計のメンテナンスなどが挙げられます。なにか積み重ねる、積み上げることが好きな印象があります。

Q: 資産を守るためにどんな工夫をしていますか?
資産を分散して持つことに加えて、定期的に見直すことを重視しています。富裕層の方は年に一回の確定申告のタイミングで、税理士さんと相談しながら資産配分を見直す習慣があります。「この株を現金化しましょうか」「不動産を持っておきましょうか」など、資産を守りつつ将来の相続税対策にもつなげています。
また、税金についての意識が非常に高いです。早め早めに対策を打っておかないと、いざという時に慌てて行動してしまい、脱税になってしまうリスクもあります。相続税であれば生前からいろいろな対策ができるので、それを計画的に行っています。
相続税対策の「執念」
Q: 相続税対策にどれほど力を入れていますか?
資産が多い人ほど相続税対策への執念は凄まじいものがあります。「せっかく自分が築いたお金を日本政府に持っていかれたくない」という相談は多いです。日本にいる限り相続税はかかってしまうので、対策の一つとして「寄付」を選ぶ方もいます。自分がお世話になった学校や地元に寄付することで、相続税を下げることができるからです。
より本格的な対策として、かつては海外移住によって相続税を逃れる方法もありました。しかし現在は法改正で締め付けが厳しくなり、相続税から逃れるには自分が死ぬだろうと予測する時期の10年以上前から海外に移住し、その状態を維持し続ける必要があります。
最近では子供を小さい頃から海外留学させ、現地で仕事や生活ができる環境を整えておくという長期的な戦略も見られます。そのうえで自分も移住して財産を移せば、相続税対策として現実的になります。
富裕層の未来はどう変わるのか
Q: 今後、富裕層の形はどう変わっていくと思いますか?
「日本にいる」という前提が崩れていくでしょう。これまでは日本にいることを前提に相続税対策を考えていましたが、今はどこでも仕事ができる時代になってきています。世界中から選択肢が広がり、「この国にいた方がいい」「このタイプの仕事をした方がいい」という選択肢が拡大しています。
戦略としては複雑になりますが、うまく活用すれば税金を抑えながらよりリッチになっていく若者も出てくるでしょう。日本政府も出国税の導入や国外財産の報告義務化など締め付けを強めていますが、完全に防ぐのは難しい状況です。
また、中国など新興国の富裕層が日本に移住するケースも増えています。彼らが日本で住所や居住を持っていれば、日本の財産に対して相続税がかかることになり、日本の税収になっていきます。
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今回の取材で見えてきたのは、派手な消費よりも地道な積み重ねを大切にする富裕層の姿でした。彼らは無駄なリスクを取らず、投資と節約のバランスを絶妙に保ちながら、計画的に資産形成を行っています。そして何より、彼らは「何のためにお金を貯めるのか」という明確な目的を持っているようです。