トランプ関税で揺れる2025年のマーケット展望:専門家が語る売り時・買い時
トランプ前大統領の関税政策により、世界のマーケットが大きく揺れている。この状況下で投資家はどのように行動すべきか。大和証券のチーフテクニカルアナリスト木野内栄治氏と、第一生命経済研究所の主任エコノミスト前田和馬氏に、2025年のマーケット展望について詳しく聞いた。


Q1: 直近1ヶ月のマーケットの振り返りをお願いします。
木野内氏: 2ヶ月ほど振り返ると、状況がより分かりやすくなります。3月12日に鉄鋼・アルミニウムへの追加関税があり、その前日にすでに株価は反応していました。その後、日経平均で2000円ほど戻しました。自動車関税や総合関税の話が出ましたが、実はその先送りの前にすでに株価は底を打っていたのです。これは鉄鋼・アルミニウムの関税で一旦悪材料が出尽くしたと言えるでしょう。
前田氏: 確かに前回の教訓は分かりますが、今回は前回と異なる点がいくつかあります。まず、関税を出すスピードが非常に早いです。前回は就任2年目から関税を始めましたが、今回は就任後数日でどんどん関税を課しています。また、対象が全然違います。前回は基本的に鉄鋼やアルミニウムの一部で、主に中国が対象でしたが、今回は国も問わず、外交関係なく全てに関税をかけようとしています。さらに、周りの経済状況が脆弱です。中国経済は2018年よりも状況が悪く、他の国も金融政策の変更などで経済的にもろい部分があります。
Q2: 今後のマーケット予測について教えてください。
木野内氏: 私は楽観視しています。1ヶ月以内に日経平均が35,500円まで達成できると予想しています。その理由として、アメリカの景気が良くなる可能性が高いからです。過去の事例を見ると、関税騒動後に景気指標が改善していく傾向があります。また、アメリカでは駆け込み需要が発生する可能性が高く、これが景気を押し上げる要因となるでしょう。
前田氏: 私はもう少し慎重な見方をしています。確かに駆け込み需要は発生する可能性がありますが、それがトランプ政権の政策を強化させる可能性も懸念しています。また、関税の影響は広範囲に及ぶため、経済全体への影響を注視する必要があります。ただし、来年の秋に中間選挙があるため、それまでには何らかの景気対策が打たれる可能性は高いと考えています。

Q3: トランプ関税での売り時、買い時はいつだと考えますか?
木野内氏: 買い時は今だと考えています。悪材料はほぼ出尽くしており、これからは様々な交渉事が出てきて、少しずつ良い話が出てくると予想されます。アメリカ人の方が関税に対してより心配しているため、慌てて消費をする傾向があります。これがマーケットを押し上げる要因となるでしょう。売り時は7月上旬頃と考えています。
前田氏: 私はしばらく様子を見た方が良いと考えています。マーケットの動きにはまだ大きなブレがあり、上下どちらに振れる可能性もあります。ベースラインとしては横ばいで推移すると予想していますが、年末頃に関税政策の修正などの明るい材料が出てくる可能性もあります。その時点で、保有を継続するか売却するかを判断するのが良いでしょう。
Q4: 注目すべきセクターはどこだと考えますか?
木野内氏: テクノロジーセクターと自動車セクターに注目しています。テクノロジーセクターでは、半導体関連企業の業績が良好です。自動車セクターでは、アメリカの自動車買い替え需要が今後3年間ほど続くと予想されます。特に、日本の自動車メーカーが恩恵を受ける可能性が高いと考えています。
前田氏: 私はアメリカの住宅市場に注目しています。現在、金利の高さや住宅価格の高騰により、住宅市場は停滞していますが、この状況が長期的に続くとは考えにくいです。金利の低下や政府の支援策などにより、住宅市場が活性化する可能性があります。日本の住宅メーカーや住宅機器メーカーにもチャンスがあるかもしれません。
Q5: 最後に、投資家へのアドバイスをお願いします。
木野内氏: マーケットの大幅な下落を耳にしたら、それを買いのチャンスと捉えることが重要です。普通の人とは違う投資家目線で情報を見る必要があります。ただし、タイミングと銘柄選びは非常に重要です。
前田氏: アメリカ経済の根本的な強さは変わっていないと考えています。ただし、様々な見方があるので、複数のシナリオを頭に入れておくことが大切です。メインのシナリオを持ちつつ、他の可能性も考慮に入れることで、マーケットの変化に対応できるでしょう。
この激動の時代、専門家の意見を参考にしつつ、自身の判断で投資を行うことが重要だ。マーケットの動向を注視しながら、慎重かつ積極的な投資戦略を立てることが求められている。

