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安倍外交の中心人物に聞く、トランプ攻略法
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2025年4月13日

トランプ関税交渉で譲歩を引き出すために、日本はどんなカードを使うべきか? 日本は国益の最大化のためにどんな外交・防衛戦略を取るべきか?安倍外交の中心人物である兼原信克氏に話を聞いた。 <ゲスト> 兼原信克|笹川平和財団 常務理事 1959年山口県生まれ。東大法学部卒業後、外務省入省。 第2次安倍政...
トランプ関税ショックを受けて日本の防衛・外交戦略はどう変わるのか
笹川平和財団理事の兼原信克氏に、トランプ政権の関税政策が日本の防衛・外交戦略に与える影響について聞いた。兼原氏は安倍政権下で外交戦略の理論的支柱として知られる人物だ。

Q: トランプ大統領の関税政策をどのように見ていますか?
A: トランプ大統領の政策は、19世紀末から20世紀初頭の保護主義・孤立主義的な大統領像に基づいているようです。しかし、現代のアメリカは世界最大の経済大国であり、自由貿易の旗手です。そのアメリカが保護主義に転じれば、世界経済に大きな混乱をもたらす可能性があります。
トランプ大統領は、アメリカの製造業の衰退にのみ注目し、デジタル産業や金融業などサービス産業での優位性を見落としているように思われます。実際には、アメリカ経済はデジタル化によって勝利を収めています。
Q: 日本はこの状況にどう対応すべきでしょうか?
A: 日本はアメリカとの交渉において、まず経済と防衛を切り離して考えるべきです。防衛面では、日本はすでに多くの貢献をしています。防衛費は年々増加しており、2027年までにさらに倍増する計画です。また、アメリカ軍の駐留経費の一部も負担しています。
経済面では、日本企業はアメリカで多くの投資を行い、雇用を創出しています。これらの事実をしっかりと主張し、不当な要求には応じるべきではありません。
Q: 関税交渉において、日本のカードは何でしょうか?
A: 一つの可能性として、アラスカのLNG(液化天然ガス)開発への投資が考えられます。これはアメリカのエネルギー政策にも合致し、日本のエネルギー安全保障にも寄与します。ただし、環境保護の観点から反対意見もあるため、慎重に検討する必要があります。
また、農産物の輸入拡大も交渉カードになる可能性がありますが、国内の農業保護との兼ね合いを考慮する必要があります。

Q: 防衛と経済の関係について、どのように考えるべきでしょうか?
A: トランプ政権は防衛と経済を結びつけて交渉しようとしていますが、日本としてはこれらを分けて考えるべきです。日本はすでに防衛面で十分な貢献をしていることを強調し、経済面での不当な要求には応じるべきではありません。
同時に、アメリカの世界における役割の変化も認識する必要があります。アメリカの相対的な力が低下する中、日本は自国の防衛により大きな責任を負う覚悟が必要です。
Q: ウクライナ戦争から日本が学ぶべき教訓は何でしょうか?
A: ウクライナ戦争は、アメリカの力が絶対的ではなくなったことを示しています。日本は「アメリカがいるから大丈夫」という考えを捨て、最悪の場合、自国だけで国を守る覚悟を持つ必要があります。
同時に、戦争を未然に防ぐための努力も重要です。戦争が起これば莫大な経済的・人的損失が生じるため、それを防ぐための投資は十分に価値があります。
Q: 日本の交渉チームの実力はどうでしょうか?
A: 日本の交渉チームは、外務省や財務省の優秀な人材で構成されています。ただし、チームの力は監督(リーダー)の力量に大きく左右されます。優秀なリーダーのもとでまとまったチームであれば、良い結果を出せる可能性が高いでしょう。
Q: 最後に、日本の戦略として何が重要でしょうか?
A: 日本は、アメリカとの同盟関係を維持しつつも、自国の防衛力強化に注力すべきです。同時に、経済面では不当な要求には毅然とした態度で臨み、日本の利益を守る必要があります。
また、変化する国際情勢に柔軟に対応できる外交・防衛戦略を構築することが重要です。世界のパワーバランスが変化する中、日本は自国の立場を明確にし、国益を守るための戦略的思考が求められます。