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iDeCo改正で何が変わる?【竹川美奈子】
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2025年2月10日

三田友梨佳と後藤達也がタッグを組み投資だけでなく「教育資金」「老後資金」など日々の生活にまつわる正しいお金の知識を専門家が提唱する「新常識」を基に学んでいくトーク番組。令和7年度の税制改正大綱で個人型確定拠出年金(iDeco)にまつわる改正案が盛り込まれたが一部では改悪とも?その全容について竹川美奈...
iDeCo・企業型DCの改正点!「掛け金上限上昇」で老後資産形成がより効果的に
老後の資産形成手段として注目されている個人型確定拠出年金(iDeCo)と企業型確定拠出年金(企業型DC)。2025年度の税制改正大綱では、これらの制度に関する重要な改正点が示されました。掛け金の上限額引き上げや加入可能年齢の拡大など、多くの人にとって朗報となる改正ですが、受け取り時の税制については誤解も多いようです。専門家の解説を交えながら、この改正の具体的な内容と注意点を解説します。

Q. iDeCoとはどのような制度ですか?
iDeCoは公的年金に上乗せして自分で資金を作っていく制度です。自分で金融機関を選択し、掛け金額と運用商品(投資信託、保険商品、定期預金)を決めて、原則毎月積立てを行います。60歳以降に一時金か年金形式で受け取る仕組みになっています。
最大の特徴は3つの税制優遇があることです。1つ目は掛け金全額が所得控除の対象となり、所得税と住民税が安くなること。2つ目は運用益が非課税になること。3つ目は受け取り時に税制優遇を受けられる可能性があることです。ただし、iDeCoは「課税の繰延制度」であり、受け取り時には原則として課税されます。

Q. iDeCoと企業型DCの違いは何ですか?
企業型DCは企業の退職給付制度の一環として、掛け金を原則会社が出してくれる制度です。会社によっては従業員が上乗せ(マッチング拠出)できる場合もあります。一方、iDeCoは自分で金融機関を選び、商品を選択して運用する制度です。
企業型DCを利用している場合、マッチング拠出かiDeCoかどちらかを選ぶ必要があります。また、企業型DCは会社を辞める際に、iDeCoなど別の制度に移管する必要がありますが、その際は全額現金化されるため、手続きが面倒になる場合があります。

Q. 今回の改正で拠出限度額はどう変わりますか?
2025年度の税制改正大綱では、iDeCoの拠出限度額が引き上げられる予定です。
- 国民年金第1号被保険者(自営業者やフリーランス):月額6万8000円→7万5000円
- 企業年金がある会社員・公務員:月額5万5000円→6万2000円
- 企業年金がない会社員:月額2万3000円→6万2000円(大幅アップ)
- 国民年金第3号被保険者(専業主婦など):月額2万3000円(変更なし)
特に企業年金がない会社員の方は約3倍に増額されるため、大きなメリットがあります。また、企業年金がある方については、企業型DCの会社掛け金や確定給付型の企業年金の掛け金相当額を差し引いた残りをiDeCoで利用できます。
さらに重要な点として、これまでiDeCo独自の上限額があったため、企業型DCとの併用で枠が残っていても全額使えないことがありましたが、今回の改正では「穴埋め型」に変わり、残りの枠を全額使えるようになります。

Q. マッチング拠出の制度も変わるのですか?
はい。企業型DCのマッチング拠出(自分で掛け金を上乗せする制度)についても改正があります。これまでは会社の掛け金を超えて拠出できないというルールがありましたが、今回の改正では会社の掛け金を超えて拠出できるようになります。
これにより、若い社員など会社からの掛け金が少ない場合でも、自分で多く上乗せできるようになるため、より効果的な資産形成が可能になります。このため、「iDeCoと企業型DCを併用するよりも、企業型DCだけでまとめた方が口座管理手数料などの面で効率的」と考える人も出てくるかもしれません。
Q. 加入できる年齢も変わるのですか?
はい。現在、iDeCoへの加入(掛け金を払える)年齢は65歳未満までですが、改正後は70歳未満に引き上げられる予定です。
これまで国民年金第1号被保険者(自営業者など)は、国民年金の加入期間が40年(20歳から60歳まで)で終わる場合、60歳以降にiDeCoに加入できないケースがありました。この点が改善され、70歳未満まで加入できるようになります。
Q. iDeCoは非課税制度ではないのですか?
これは多くの人が誤解している点です。iDeCoは非課税制度ではなく、「課税の繰延制度」です。掛け金を拠出する時には所得控除の恩恵があり、運用中の運用益も非課税ですが、受け取る時には元本も含めて課税されます。
ただし、一時金で受け取る場合は退職所得控除の恩恵を受けられたり、年金形式で受け取る場合は公的年金等控除が適用されたりするため、ある程度の控除内であれば非課税で受け取れる可能性もあります。
Q. iDeCoでの運用方法はどのように考えるべきですか?
iDeCoは原則60歳まで引き出せないため、若い方であればある程度リスクを取って投資信託で運用していくのが効果的です。最近は20代30代を中心に、外国株式などに投資する投資信託を選ぶ人が増えています。
運用商品の配分見直しについては、淡々と積立を継続し、受け取り時期が近くなってきた50代頃から、安全資産にシフトするなど検討するのがよいでしょう。また、年に1回は掛け金額の変更が可能なので、資金状況に応じて柔軟に対応できます。厳しい時は月5,000円(最低額)まで下げたり、一時停止することも可能です。
Q. この改正はいつから実施されるのですか?
まだ法案も通っておらず、確定拠出年金法の改正とシステム改修なども必要なため、実際に適用されるのは早くても2025年後半か2026年頃になる見込みです。ただし、社会保障審議会の企業年金・個人年金部会ですでに議論され報告書も出ているため、この内容で進む可能性が高いとされています。
iDeCoと企業型DCの拠出限度額は2001年の制度開始から約25年近く変わっていないため、物価上昇なども加味した今回の引き上げは妥当と言えるでしょう。
Q. 改正を踏まえて、どのように活用すればよいでしょうか?
老後資産形成の観点からは、拠出限度額が上がることで税制メリットを活かしながらより多くの資金を積み立てられるようになるため、大きなメリットがあります。特に企業年金がない会社員の方は大幅に限度額が上がるので、積極的な活用を検討する価値があります。
ただし、iDeCoは60歳まで引き出せないという制約があるため、住宅購入や教育費など他に準備すべき資金がある場合は、その点を考慮して掛け金額を決める必要があります。
また、転職が多い方は、企業型DCよりもiDeCoの方が持ち運びやすいという点も考慮するとよいでしょう。企業型DCは転職時に現金化して移管する必要があり、特に積立額が大きくなってからの手続きは面倒になります。
今後は「私的年金は持ち運んで増やす時代」になっていきます。同じ会社に長く勤める人が減っている現代では、退職金を受け取るたびに使ってしまうと老後資金が貯まらないリスクがあります。自分で責任を持って私的年金を持ち運び、継続的に運用していくことが重要になってきます。