超予測
【2025年超予測:生成AI(前編)】みんながYouTuber化する。AIだけでコンテンツを作る時代
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2025年2月7日

日進月歩で進化する生成AI。2025年の生成AIはどうビジネスや生活を変えるのか?落合陽一氏とNVIDIAの日本・正規代理店であるマクニカの原一将社長に超予測してもらった。 <ゲスト> 落合陽一|メディアアーティスト 1987年生まれ。東京大学大学院学際情報学府博士課程修了(学際情報学初の早期修了...
ミラードボディとAI音楽の時代へ:2025年、私たちの生活はどう変わる?
デジタルコピーが作れる時代が訪れようとしている。人間の外見、声、知識を持ったデジタル分身「ミラードボディ」と、AI生成コンテンツが急速に進化する中、落合陽一氏と原一将氏が2025年の未来予測を語った。


Q. ミラードボディとは何ですか?
ミラードボディは人間のデジタルコピーです。人の外見を取り込み、声を合成し、LLM(大規模言語モデル)による知識処理を組み合わせたものです。2025年にはこの技術が急速に普及すると予測されています。現在でも精度が大幅に向上しており、製作にかかる時間も短くなっています。例えば、マクニカの原社長のミラードボディは15秒程度の音声サンプルと300台以上のカメラで撮影した画像データだけで作成されました。
Q. ミラードボディの用途は何ですか?
多国籍企業の経営者が世界中の拠点に同時に「挨拶」をする、自分が不在の時に代わりに会話する、複数の相手と同時に対話するなど、様々な用途があります。マクニカの原社長の例では、50か国語以上を話すミラードボディが作られ、世界中の拠点での挨拶や説明に活用されています。また医療現場では、緊急時に自分の健康情報や体の状態を伝えるためのツールとしても期待されています。

Q. セキュリティ面はどうなっていますか?
ミラードボディの乗っ取りや不正利用を防ぐためのセキュリティ対策は重要です。物理的な鍵を含むセキュリティトークンによる認証システムが採用されています。これはスマートフォンと顔認証の組み合わせのように、複数の要素で本人確認を行うシステムです。万が一落としても複製されないような仕組みになっています。この対策は「俺俺詐欺」のようなミラードボディを悪用した詐欺を防ぐためにも必要です。
Q. 第5次AI産業革命とは何ですか?
2025年には「マイクロ産業」と呼ばれる第5次AI産業革命が起こると予測されています。AIエージェントが製造プロセスをサポートすることで、個人や小規模企業でも高度な製品が作れるようになります。これまで大企業が長年積み上げてきた製造ノウハウや設計技術がAIによって代替され、誰でも高品質な製品を作れるようになるのです。

Q. これによって雇用はどう変わりますか?
クリエイティブなアウトプットができない仕事は減少する可能性があります。AIを使いこなすスキル、特に「AIマネジメント能力」が重要になります。企業では社員がAIを使いこなせるようにすることが課題となっていますが、多くの人はまだAIの基本的な使い方しか習得できていません。AIに適切な指示を出すための「お作法」を理解することが必要です。
Q. YouTuber化する社会とは?
一人で様々な仕事ができるようになり、分業による生産性向上という近代社会の前提が変わる可能性があります。YouTuberが一人で撮影から編集まで全てを行うように、個人が製品開発から製造までを担えるようになります。AIの力で個人がデジタルカメラなどを設計できるようになり、3Dプリンターで筐体を作り、半導体を調達し、AIがプログラムを書くことで製品が完成します。
Q. AIが生み出す音楽はどうなっていますか?
AIによる音楽制作が急速に進化しています。人間が全く関与せずにAIだけで作った音楽は、曲としては聴きやすいのに、歌詞は人間には書けないような斬新なものになっています。サンスクリット語や中国語が混ざったり、数式が入ったりと、人間には覚えられないような歌詞でありながら、リズムは良く、人々は口ずさみたくなります。こうした「非人間音楽」という新たなカテゴリーが2025年には一般化するでしょう。
Q. 他のコンテンツ領域ではどうなりますか?
音楽で起きている変化は他のコンテンツ領域でも同様に起こります。動画制作ではAIが指示を出し、人間はそれに従って画像を配置するだけで高品質な映像が作れます。ニュースなどの中立的なコンテンツでは、人間が介在しない方が良い場合もあります。イデオロギーや偏りのない情報提供が可能になるからです。「非人間ニュース」のような新しいカテゴリーが登場するでしょう。
Q. AIコンテンツと人間のコンテンツの価値はどう変わりますか?
AIが作るコンテンツには「人間性が出てこない」という特徴があります。それが欠点とも長所とも言えます。コンビニのおにぎりと手作りのおにぎりのように、手が触れていない清潔さを好む場合と、手作りの味わいを好む場合があるのと同じです。AIコンテンツは懐かしさと斬新さを絶妙に組み合わせることが得意で、特に高齢化社会では「懐かしさを制するもの」が評価される傾向があります。2025年には、「人間味のするコンテンツを見たい時だけ人間が作ったものを見る」という選択が一般的になるかもしれません。
Q. AIの経済的側面はどうなりますか?
AIシステムの開発と運用には膨大な資金が必要です。特にデータ処理や学習に必要なGPUやエネルギーコストは高額です。そのため、大規模なAI開発は資本集約的な事業となり、豊富な資金を持つプレイヤーが優位に立ちます。一方で、小規模なプロジェクトであれば個人でも十分に実現可能です。AIの民主化と集中化が同時に進む状況となるでしょう。