MONEY SKILL SET
ビットコインが高騰し続ける背景【松田康生】
(298)
1.8万回視聴
2025年1月27日

EXIT・りんたろー。と国山ハセンが株・保険・住宅など資産運用にまつわるスキルセットを学ぶ。トランプ大統領就任で最高値更新か?とも言われるビットコインの仕組みと成り立ちについて楽天ウォレットの松田康生氏が解説 <ゲスト> 松田康生(楽天ウォレット シニアアナリスト) https://www.you...
ビットコインが上昇し続ける理由とは?専門家が解説する仕組みと2025年の展望
ビットコインの価格が急上昇し、2024年には1,500万円を超える水準に達した。この急騰の背景には、供給量の変化や需要の増加など、複数の要因が絡み合っている。ビットコインのこれからを知るためには、まずその値動きを決める基本的な仕組みを理解することが重要だ。楽天ウォレット株式会社シニアアナリストの松田康生氏がその全容を解説する。

Q. ビットコインの価格はどのように決まるのですか?
マーケットでは常に売る人と買う人の数は同じです。例えば100ビットコインが売られたら、必ず100ビットコイン買う人がいます。マーケットの本質は、売りと買いの数が同じになるように価格を調整する機能にあります。
これはスーパーのお惣菜を考えるとわかりやすいでしょう。お惣菜が余れば値段を下げて「10%オフ」「半額」などとして売ります。すると買う人が増え、需要と供給のバランスが取れます。逆に、最近のキャベツのように価格が上がると、消費者は購入頻度を減らしたり代替品に切り替えたりします。
価格は買いが強ければ上がり、売りが強ければ下がる。この市場のメカニズムがビットコインにも当てはまります。

Q. なぜビットコインはこれほど価格が上昇し続けているのですか?
ビットコインには「半減期」という特殊な仕組みがあります。これは約4年ごとに新規発行量が半分になるプログラムで、供給量を徐々に絞る効果があります。
最初は10分ごとに50ビットコインが発行されていましたが、4年後には25に、さらに4年後には12.5に、現在は3.125になっています。最終的には発行が0になるよう設計されています。
供給量が減る一方で需要が一定か増加すれば、価格は上昇します。このサイクルは予測可能なため、半減期の1年から1年半前から「もうすぐ半減期で上がる」と期待して価格が先行して上がり始めるのです。

Q. 半減期のあとはどうなるのでしょうか?
半減期直後は価格が横ばいになったり下がったりする傾向があります。これは利益確定の売りや、報酬が減ったマイナー(採掘者)が在庫を売却するためです。この低迷期は半年から1年ほど続きます。
しかし、その後が重要です。供給削減の累積効果が徐々に市場に影響を与えるからです。例えば、1日450ビットコイン減ったとしても、100日経てば45,000ビットコイン、200日なら90,000ビットコイン供給が減少します。この効果が時間をかけて市場に浸透し、「足りない」と気づいた時に価格が急上昇するのです。
2024年11月に1,000万円から1,500万円へと急上昇したのは、この上昇期に入った可能性があります。過去の半減期後のピークは最初が90倍、次が29倍、その次が8倍と約1/3ずつ下がっているため、今回は半減期から3.5倍程度になると予想されています。

Q. 最近のビットコインへの関心の高まりには他に理由がありますか?
需要面では、アメリカのETF(上場投資信託)の承認により機関投資家からの資金流入が増加しています。特に影響力があったのは、世界最大の資産運用会社ブラックロックのCEOラリー・フィンク氏の発言です。彼は「法定通貨は借金が多すぎて価値が下がっている。ビットコインは政府の世界から自由で、価値保存の手段になる。これはデジタルゴールド」と述べました。
こうした発言は特にアメリカのベビーブーム世代(60代以上)に影響を与え、従来ビットコインに懐疑的だった層が投資を始めています。さらに、トランプ政権ではアメリカ政府がビットコインを保有する可能性も示唆されており、これが実現すればさらなる価格上昇が予想されます。
Q. ビットコインへの投資にはどのような考え方がありますか?
ビットコインへの投資には主に2つの考え方があります。
1つは「ブロックチェーン派」で、ビットコインの技術的価値を評価する人々です。彼らはブロックチェーン技術が金融革命を起こす可能性を信じ、他の人が気づく前に先行投資します。
もう1つは「法定通貨のアンチ派」です。彼らは国の債務が増え続ける中で、法定通貨の価値が将来的に下がるリスクに備えるため、金などの実物資産と共にビットコインを保有します。世界最大のヘッジファンドであるブリッジウォーターのレイ・ダリオ氏なども、資産の一部をビットコインなどのヘッジ資産に配分することを提案しています。
特にアメリカでは、資産全体の数%(3%程度)をビットコインに配分するという「究極の分散投資」の考え方が広まっています。これは株式や債券がドルの影響を受けるため、それとは異なる値動きをする資産を持つことで、より強固なポートフォリオを構築するアプローチです。
Q. ビットコインの保有に関する注意点はありますか?
ビットコインは値動きが大きいため、下落時に怖くなって売ってしまわない金額に留めることが重要です。短期的な資金ではなく、5年、10年、20年後に使う予定の余裕資金で投資するのが望ましいでしょう。
また、日本では現在、ビットコインの売却益は雑所得として通常の所得税率で課税されます。4,000万円以上の所得に対しては最高税率の55%がかかります。将来的には他の金融資産と同様の分離課税になる可能性も議論されていますが、まだ時間がかかりそうです。
アメリカや欧州でビットコインへの取り組みが進む中、日本もいずれ税制改正を含めた対応を迫られるでしょう。