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社内政治は必要か?
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2025年1月22日

元リクルートのトップ営業マン・高城幸司氏は「やりたい仕事をするためには今でも社内政治が絶対に必要」と語る。組織の中で影響力を持つための秘訣を聞いた。 <ゲスト> 高城幸司|セレブレイン代表 リクルート入社後、6年間連続トップセールスに輝き、そのセールス手法をまとめた『営業マンは心理学者』は、10万...
社内政治とは影響力ゲーム、勝ち抜くカギは長期視点と目的意識
仕事の場でうまく立ち回る「社内政治」というスキル。悪いイメージを持つ人も多いが、実は組織で何かを成し遂げるための重要な能力だ。セレブレイン代表取締役社長の高城幸司が語る「影響力の作り方」から、令和時代の組織内サバイブスキルを探る。

Q. 社内政治というスキルは今も必要ですか?
社内政治は今でも非常に必要なスキルだ。特に後から身につけるべきスキルだと考えている。最初から持っているものではなく、後から獲得していくべきものだ。社内政治の根本にあるのは「影響力をどう作っていくか」という点だ。影響力が強くなれば、正しいことをやろうとした時に実現できる確率が高まる。
会社組織では「何を言ったか」だけでなく「誰が言ったか」が重要になる。例えば「高城が言ったなら一度聞いてみよう」という存在になることが大切だ。同じ内容でも、発言者によって通る場合と通らない場合がある。その背景には発言者のこれまでの実績や発言力、言い換えのない影響力が存在している。

Q. 社内政治が必要になるのはどんな場面ですか?
新入社員など仕事を覚える段階では社内政治力はそれほど必要ない。しっかり仕事を覚え、力をつけることが先決だ。しかし組織を担う立場になったとき、例えば部門長や事業責任者になると必要性が高まる。自分の担当事業をより強くするために予算を獲得したり、優秀な人材を確保したりする場面で交渉が発生する。そういった交渉の場で社内政治力があると有利に進められる。
また、社内政治は会社組織だけでなく、NPOなど外部で何らかの組織を作る場合にも必要になる。組織を作れば必ず政治は生まれるものだ。
Q. 社内政治を極めるための基本的な考え方は?
まず会社の組織図をしっかり把握することが重要だ。会社は社長、役員、部長という指示命令系統で成り立っている。自分が何かやりたいことがあるとき、その実現までの道のりで反対しそうな人が誰かを把握しておく必要がある。
また全体の状況を見極めることも大切だ。例えば新規事業を推進したいと思っても、会社の業績が非常に悪い時期なら、上司が賛成してくれていても通らない可能性が高い。全体の形勢を見極め、それが自分の提案に有利か不利かを理解しておくべきだ。
反対する人の立場も理解する必要がある。会社のことを考えて立場上反対せざるを得ない人もいる。そうした人の意見を否定するのではなく、「そのお気持ちはよく分かります。しかし今この時期にやるべき理由があります」といった形で対応すると良い。

Q. キーパーソンはどうやって見つければいいですか?
組織図で見ると決定権を持つ人は社長や担当役員など最終責任者だが、実際の組織には「ご意見番」のような存在がいることが多い。この人に相談しないと話が進まないケースがある。
こうした情報を得るには、全社的な視点で仕事をしている人材、例えば人事部や総務部の人に話を聞くと良い。彼らは仕事の性質上、全社の状況を把握している。「このような新規事業をやりたいのですが、どなたに相談するのが良いでしょうか」と尋ねると適切なアドバイスをもらえる可能性が高い。
また、会社の中では一定の役職から上になると突然権限が大きくなる。部長クラスになると予算決裁権や新規事業立ち上げの権限を持つことが多い。外から見ると分かりづらいが、そういった権限の所在を理解することも重要だ。
Q. 社内政治の10年前と現在の違いはありますか?
本質的な部分は変わっていないが、現在は現場の声が重視される傾向にある。人手不足で若い人材がすぐに辞めてしまう状況を背景に、会社は現場の声を聞く姿勢を強めている。
以前は社内政治というと上層部に話を通せば決まる傾向があったが、最近では若い人がキーマンになるケースも増えている。パワーの所在が見えづらくなっているのが現代の特徴と言える。若い人材に権限を与えようというトレンドがあり、若い世代の意見を尊重する雰囲気が生まれている。
ただし、それが本当に意見を取り入れる会社なのか、単に聞くだけの会社なのかを見極める必要がある。
Q. 社内政治を成功させるために大切なことは?
何よりも目的意識が重要だ。「私のためにやっています」「私が偉くなりたいからです」といった自己中心的な理由では人は動かない。会社のため、世の中のため、この事業のためという目的があってこそ人は協力してくれる。
具体的なテーマ設定も大切だ。「日本を変えたい」のような抽象的なビジョンより、例えば「103万円の壁」のような具体的な問題点を示し、「これを一緒に変えていこう」と呼びかける方が人は動きやすい。
また発信する際は「私」ではなく「我々」の問題として語ることが有効だ。「私がやりたい」ではなく「我々の世代が」「この部門が」「この会社のため」という形で語れば、共感を得やすくなる。

Q. 社内政治は長期的な視点が必要ですか?
その通りだ。社内政治は英和辞典と同じで時代によって内容が変わる。会社の経営者が変われば、以前はダメだったものが突然OKになることもある。
自分がやりたいことを提案して断られても諦める必要はなく、次の経営者になったらチャンスが訪れるかもしれない。会社では意思決定者が変わり、価値観も変化していく。今のタイミングで進めるべきか、少し待った方が良いかを見極めることが大切だ。
Q. 情報戦を勝ち抜くためのポイントは?
情報戦で重要なのは、鈍感さを持つことだ。特にSNSやLINEなどのコミュニケーションツールでの情報には過度に反応しない方が良い。自分の悪口などが書かれていても、あえて見に行かないくらいの姿勢が重要だ。
一方で情報収集は大切で、情報が自然と集まってくる環境を作ることがポイントだ。そのためには口が固いという信頼感を持たれること、そして自分から声をかけて雑談できる関係性を作ることが有効だ。
特に雑談では、自分が主役ではなく相手に話してもらえる質問を心がけると良い。「最近体調を崩して大変だよ」と自分の話で終わるのではなく、相手の話を引き出せる質問を投げかけることが大切だ。これにより「この人は自分のことを知りたいと思ってくれている」と相手に感じてもらえる。
Q. 中立派が増えている現状をどう考えますか?
確かに争いごとを嫌がり、派閥に属したくないという若手は増えている。しかしそれが生涯通して変わらないわけではない。社会人経験を積み、具体的にやりたいことが見つかると変化することが多い。
例えば「自分のペースで生きたい」「仕事より自由な時間を大切にしたい」と思っていた人が、数年後に「海外留学したいから稼がないと」と急にハードワークになるケースはよくある。意志は環境や目標によって変わるものだ。
若いうちは仕事に集中している時期なので、無理に社内政治に巻き込む必要はない。しかし管理職になり、共通の目標を持つ仲間と仕事をするようになると、社内政治は必要なスキルになってくる。
Q. 社内政治力を高めるために具体的に何をすれば良いですか?
まず自分の基盤となる仕事の力をしっかり蓄えることが大前提だ。その上で自分のやりたいことを実現するために力をつけたいという明確な目的を持つことが重要だ。
若いうちから人間関係をベタベタ作ることは不自然に見えることもある。例えば花見のイベント幹事など、本業以外の仕事で様々な部署の人と接触できる機会があれば、気軽に手を挙げてみると良い。
また、会社の飲み会なども活用できる。最近は「上司が飲みに行こうと言うのはパワハラではないか」という議論もあるが、問題なのは上司が主役で部下が聞き役という構図だ。部下が主役で上司が聞き役になれば、参加者も増えるだろう。
社内のネットワークを自然に作るには、自分ではなく社内の様々な人が主役になれる場を意図的に作ることが重要だ。