ECONOMICS101
2025年 5大経済ニュース(後編)
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2025年1月9日

エコノミストの永濱利廣氏をはじめとする専門家から、経済の基礎知識をゼロから学ぶ番組。番組名の101とは、“基礎講座”を表す、英語でよく使われる表現です。
2024年は政局から万博まで! エコノミストが語る日本経済の注目ポイント
エコノミストの永濱利廣氏が2024年の日本経済において注目すべきポイントを解説。政治の不安定さから万博の経済効果まで、幅広いテーマについて語った。
Q. 2024年の政局はどうなるのでしょうか?
石破政権は少数与党という状況で、国民民主党がキャスティングボートを握っています。通常国会が始まり、最大の注目は国民民主党がどのような動きをするかという点です。
野党が結託すれば内閣不信任案が可決されて石破首相を引きずり下ろすことも可能ですが、現状では野党がそこまで攻めていないのが特徴的です。これは夏の参院選で石破首相と戦った方が有利だという計算があるためかもしれません。
一方、少数与党の自民党側も現状のままでは選挙戦を戦えないという懸念があります。状況次第では党内の説得により石破首相に交代が求められる可能性もあります。
後継候補としては高市氏が名前が挙がることもありますが、総選挙で支援した議員が裏金問題で落選したケースが多く、現在はあまり名前が出ていません。林氏の名前が出ることもありますが、林氏で選挙をどこまで戦えるかという疑問も残ります。

Q. 現政権が交代した場合、経済への影響はどうなりますか?
通常、政権が不安定になると株式市場にはネガティブな影響があるはずです。しかし興味深いことに、前回の総選挙で国民民主党がキャスティングボートを握ったことは、市場にポジティブに働きました。
今回も選挙の結果次第では、まともな経済政策を掲げる政党が躍進すれば、株式市場にはネガティブな影響が出ない可能性もあります。
ただし、自民党が大敗するシナリオでは政権維持が難しくなり、いくつかの可能性が考えられます。一つは国民民主党を取り込んで国民民主党のトップを首相にするという案。もう一つは自民党と立憲民主党の連立という案です。後者が実現すれば株式市場はかなりネガティブに反応する可能性が高いでしょう。
Q. 大阪・関西万博の経済効果はどの程度期待できますか?
万博はネガティブなニュースが先行していて盛り上がりに欠けていますが、それなりの経済効果は期待できます。
過去の日本開催の万博を振り返ると、1970年の大阪万博は6,000万人という驚異的な来場者数でした。2005年の愛知万博は2,200万人で、今回の大阪・関西万博は2,800万人の来場者が見込まれています。
経済効果としては約2兆円が試算されており、来場者による消費だけで9,000億円程度が見込まれています。特に期待されるのはインバウンド効果です。
中国からの観光客がコロナ前の水準に戻りきっていないことが一因でしたが、国際便の回復により中国人観光客を中心に増加が見込まれます。中国の経済状況を反映して1人当たりの消費額は減少傾向にあるものの、コロナ前の平均15万円から現在でも22万円程度あり、相当な経済効果が期待できます。
特に近畿地方はインバウンドの恩恵を最も受ける地域です。関西のGDPが全国に占める割合は1970年の大阪万博時には19.3%でしたが、現在は15%程度に低下しており、万博が関西経済復興の起爆剤となることも期待されています。


Q. 団塊世代の2025年問題とは何ですか?それは本当に大きな問題なのでしょうか?
2025年問題とは、1947年から1949年生まれの団塊世代全員が75歳以上の後期高齢者になることで、社会保障費の増加などが懸念されている問題です。
しかし、この問題を過度に悲観視することには疑問があります。実際には団塊世代の約2/3はすでに徐々に後期高齢者になっていて、2025年にはただ残りの1/3が後期高齢者入りするだけです。すでに2023年、2024年と徐々に影響は出始めています。
問題なのは、こうした事実が適切に伝えられず、「団塊世代が後期高齢者入りするから社会保障財政が厳しくなる」という論調で負担増の必要性を訴える議論につながりやすい点です。
例えば、高齢者医療費の試算において、65歳と75歳の医療費の違いを適切に区別せず、高齢者全体の平均値で計算するなど、乱暴な試算が行われるケースもあります。このような試算に基づいて社会保障費の急増が喧伝されることがあります。
昨年の年金財政検証でも、実際には5年前より状況は改善しているにもかかわらず、出生率の低下だけが取り上げられ、「大変だ」という報道が目立ちました。2025年問題についても同様の報道がなされる可能性があるため、冷静な判断が必要です。
データの見せ方によって印象は大きく変わります。情報は一つの情報源だけでなく、多様な情報源から得て判断することが重要です。2025年は波乱も予想されますが、過度に不安視するのではなく、データに基づいた冷静な判断が求められます。
