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伝説のストライカー高原直泰、経営と農業に挑む
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2024年12月21日

伝説のストライカーとして日本代表で活躍した高原直泰氏。2016年には沖縄にサッカークラブをオーナーとして創設し、現在CEOとしてクラブ経営、コーヒー栽培に挑んでいる。なぜ経営者の道を選んだのか?今の日本サッカー界をどう見ているのか?ドイツ時代から取材している木崎伸也氏とともに話を聞いた。 <ゲスト...
高原直泰が語る沖縄SVの道のり:「何もない土地でスタート、よくやってきた」
沖縄SVの創設者であり、日本を代表するストライカーとして知られる高原直泰氏。選手兼監督兼社長という異色の経歴を持つ彼が、沖縄でのサッカークラブ設立から農業への挑戦まで、その軌跡を語った。

Q. 沖縄SVを立ち上げたきっかけは何ですか?
沖縄SVを立ち上げたきっかけは、内閣府総合事務局からの依頼だった。沖縄における観光とIT産業に次ぐ第3の産業としてスポーツ産業を創出したいという話があり、そのモデルケースになってほしいという話をもらった。しかし、補助金などの支援は一切なく、全て自己資金での持ち出しからのスタートだった。
最初は「面白そうだな」という単純な思いだけで決断した。立ち上げ時は本当に何も準備がなく、マイナスからのスタートだった。選手も誰も決まっていない状態で、全てをゼロから作り上げていった。

Q. 沖縄SVを立ち上げる際、最も大変だったことは何ですか?
立ち上げ時は全てが大変だった。特に練習場所の確保には苦労した。事前に見学した施設が実際には使えなかったり、新参者として沖縄で練習場所を探すのは非常に困難だった。
選手集めについては、最初はサンブリーグからのスタートだったので、そこまで高いレベルの選手を揃える必要はなかった。しかし、西、森、飯尾、池畑という4人の選手に声をかけ、彼らと共にクラブをスタートさせた。
何も縁もゆかりもない土地でのスタートだったが、今振り返ると「よくやってきた」と思う。
Q. 沖縄の地元の人々からの信頼をどのように獲得していきましたか?
沖縄では外から来る人に対して厳しい目があることは理解していた。最初は「こういうことをやっていきたい」という説明しかできず、信頼を得るのは容易ではなかった。
信頼を勝ち取るには時間がかかり、言葉だけでなく実際の活動を通じて少しずつ信頼関係を築いていった。高原自身の知名度はあったものの、それだけでは不十分で、クラブとしての活動を通じて地道に信頼を積み重ねていった。
政治家のように、地域との関係を一つ一つ構築していくことが重要だった。発信力を高めるためにも、サッカーの面でより上のリーグに上がることが目標だった。

Q. なぜ農業、特にコーヒー栽培に取り組むことにしたのですか?
クラブ設立と同時に農業にも取り組む方針を打ち出した。当初は「高原は何を言っているんだ」と思われたかもしれないが、将来の事業の一つにしたいという純粋な思いと、選手のセカンドキャリア支援という目的があった。
最初は地元の農家で農業体験をしながら、農業の厳しさや現実を学んでいった。その過程で沖縄でコーヒーが栽培できることを知り、「沖縄のコーヒーが特産品になったら面白い」と考えた。
専門知識がなかったため、ネスレに協力を依頼。2017年から本格的にスタートし、琉球大学農学部の協力も得て、沖縄に適した品種や栽培方法の研究を進めてきた。コーヒーの木は植えてから収穫まで約5年かかるため、長期的な視点で取り組んでいる。
Q. コーヒー栽培の現状と今後の展望はどうなっていますか?
コーヒー栽培は2017年からスタートし、試行錯誤を重ねてきた。2019年にネスレと公式にコーヒープロジェクトを発表し、2023年頃にようやく知見がまとまってきた段階だ。
現在は3品種ほどに絞り、今年は約280本のコーヒーの木を植えることができた。順調にいけば3年後には収穫して飲めるようになる見込みだ。
将来的には単に栽培するだけでなく、観光農園としての機能やコーヒーのオーナー制度なども検討している。沖縄コーヒーというブランドを確立し、新たな産業として育てていきたいと考えている。
Q. 経営者として、営業活動などでプライドを捨てる必要があったのではないですか?
サッカー選手としてのプライドと、不必要なプライドは区別している。サッカー選手としての実績や経験に対するプライドは持っているが、「自分は偉い」といった態度は必要ないと考えている。
経営者としてはまだ経験が浅く、他の経営者から学ぶことが多い。選手時代と同様、自分を成長させるために様々な人との会話から学びを得ようとしている。そのためには不要なプライドは邪魔になるだけだ。
以前の自分を知る人からすると意外かもしれないが、経営者として必要な姿勢を自然と身につけていった。

Q. 沖縄SVの現在の収益構造と今後の展望は?
現在の収益の柱はスポンサー収入だ。JFLに昇格したことで、観客動員によるチケット販売も可能になり、グッズ販売と合わせて基本的な収入源となっている。
農業分野では、コーヒー栽培がようやく3年後くらいに収穫・販売の段階に入る。来年にはカフェもオープン予定で、そこからの収入をコーヒー栽培に還元していく計画だ。
コーヒー事業は単に栽培・販売するだけでなく、観光農園としての機能や体験型のサービスなど、様々な可能性を秘めている。今後は沖縄コーヒーのブランディングにも力を入れていく。
Q. 日本サッカー協会会長になったら何をしますか?
現在の日本サッカーの状況を十分に把握していないため、具体的な改革案を軽々しく述べるのは難しい。かつては選手の立場から意見を言うことがあったが、今は組織運営の難しさも理解している。
しかし、チームとしての組織力は依然として必要だと感じている。一方で、昔に比べて個人で試合を打開できる能力を持った選手が増えてきたことは大きな変化だ。