
デンマーク人の超効率的な働き方
「4時に帰っても成果を出せる」デンマーク人から学ぶ効率的な働き方
デンマークはビジネス効率性で5年連続世界1位。そこに住む人々は一般的に午後3時から4時には退社し、家族と過ごす時間を大切にしています。彼らはなぜ短い労働時間でも高い成果を出せるのでしょうか?デンマーク文化研究者の針貝有佳さんに聞きました。

Q. デンマーク人は本当に効率性が高いのですか?
無駄なことをしないという感覚が徹底しています。合理的な思考が浸透していて、仕事の終了時間は暗黙の了解で午後3時から4時が一般的です。これは一部の企業だけではなく、社会全体の価値観となっています。
Q. デンマーク人の1日の過ごし方はどのようなものですか?
朝はやや早めに始業し、午後3時から4時には退社します。保育園や幼稚園は5時に閉まるため、4時頃に子どもを迎えに行くのが基本です。夕食は家族全員で食べることが当たり前とされ、平日に会社の人と飲みに行く文化はほとんどありません。ランチの時間は30分程度と短いですが、上司と部下が混ざって自由に会話を楽しみます。

Q. 金曜日はさらに早く帰れるのですか?
金曜日は一般的に午後2時から3時には退社します。デンマークでは上司が部下より先に帰ることに罪悪感を持つことがあり、日本とは逆の感覚があります。上司が最後に戸締りをして帰るというのが一般的です。
Q. 優先順位の考え方はどのように違いますか?
デンマーク人は10あるタスクのうち上位3つだけに集中し、残りは切り捨てる傾向があります。一方、日本人は10すべてを頑張ろうとし、時には11、12とさらに増やそうとする傾向があります。会社全体の目的が明確に共有されているため、優先順位をつけやすい環境があります。

Q. 仕事と家族のバランスについてどう考えていますか?
デンマーク人は自分のライフスタイルや家族を最優先に考える傾向があります。日本では「仕事だから」という理由で家族との時間を犠牲にすることが許されますが、デンマークではそれが通用しません。自分が大切にしたいものを大切にして生きるのが当たり前の文化です。
Q. 転職に対する考え方は日本と違いますか?
デンマークでは転職に対する考え方が全く異なります。生涯の転職回数は平均で現時点では7回、将来的には12回にもなるという推計もあります。むしろ転職している人の方が「新しいことに挑戦している」と肯定的に捉えられ、採用されやすい傾向があります。
Q. デンマークではなぜ安心して転職できるのですか?
フレキシキュリティと呼ばれる柔軟な労働市場があります。解雇と採用が比較的容易なため、企業側も採用しやすく、労働者も転職しやすい環境です。また、失業した場合の社会保障が手厚いため、転職に失敗しても「何とかなる」という安心感があります。

Q. 会議や意思決定はどのように効率化していますか?
会議に参加する人数を必要最小限にします。発言していない人は、その会議に参加する必要がないと考えられます。これは冷酷に見えますが、その人の時間を無駄にしないという配慮でもあります。また、無駄なダブルチェックをなくし、責任を持つ人が確実にチェックする方式を採用しています。
Q. 時間管理で大切にしていることは何ですか?
無理をしない、無理をさせないという考え方を重視しています。どうしても必要な仕事は集中して行いますが、その後でしっかり休むなどバランスを取ります。上司から新しい仕事を依頼されても、現在の業務状況と照らし合わせて「今は難しい」と率直に伝え、交渉することが一般的です。
Q. 長期休暇の取り方はどうなっていますか?
夏休みは基本的に3週間取得するのが一般的で、人によっては1ヶ月以上取ることもあります。7月には多くの企業が一斉に休暇となり、社会全体が休む雰囲気があります。ただし、病院など必要不可欠なサービスは交代で休暇を取るようにしています。
Q. 計画変更に対する考え方は?
デンマーク人はざっくりとしたプランを立てて始め、進行しながら調整していくスタイルです。最初から完璧なプランを立てようとせず、柔軟に対応する姿勢があります。これは日本人の完璧主義とは対照的です。
Q. 失敗に対する対応はどうですか?
失敗は起こるものと捉え、意図的でない限り責めることはしません。失敗した場合は報告し、みんなで解決策を考えるという文化があります。これにより安心して新しいことに挑戦できる環境が生まれています。
Q. コミュニケーションの特徴は何ですか?
非常に率直なコミュニケーションが特徴です。問題行動はストレートに注意し、タスクの必要性についても互いに問い合います。批判を個人的に受け止めず、議論は仕事に関することであって個人攻撃ではないという認識が浸透しています。このコミュニケーション力は保育園からの教育で培われており、輪になって座り、自分の意見を述べ、他の人の話を聞くといった習慣が日常的に行われています。
Q. 日本人が特に学ぶべきポイントは何ですか?
優先順位の付け方と「やめる勇気」です。自分にとって大切なものは何かを明確にし、それ以外は思い切って切り捨てる決断力が重要です。仕事でも人間関係でも、合わないと判断したら変える柔軟さを持つことが、デンマーク人から学べる大きなポイントです。日本でいう「断捨離」を仕事やタスクにも応用することで、効率的な働き方が実現できるでしょう。