PIVOT TALK BUSINESS
エニタイムフィットネス、世界No.1の独自戦略
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2024年12月9日

会員数が90万人を突破するなど日本でも急成長するエニタイムフィットネス。世界でもシェアトップを誇り、フィットネス市場の王者の地位を確立している。急成長と高利益率の理由を、Fast Fitness Japanの山部清明社長に聞いた。 <ゲスト> 山部清明|Fast Fitness Japan 社長 ...
エニタイムフィットネスが急成長する理由とフィットネス業界の今後 - 山部清明に聞く
日本のフィットネス参加率はわずか4.5%。欧米に比べてかなり低い水準だが、近年急速に伸びている。その中でエニタイムフィットネスは全国で1,156店舗、会員数90万人を超える規模に成長。なぜこれほどの成功を収めることができたのか?ファストフィットネスジャパン社長の山部清明に話を聞いた。

Q. 日本のフィットネス市場はどのような状況ですか?
現在、日本のフィットネス参加率は約4.5%です。これは人口の何パーセントが定期的にフィットネスクラブで運動しているかを示す指標です。アメリカでは20%、ヨーロッパでは15%程度なので、日本はまだフィットネス後進国と言えます。
ただ、1〜2年前は3.5〜6%だったことを考えると、徐々に欧米に近づきつつあります。特に若い男女を中心に、ボディコントロールへの意識が高まっています。

Q. なぜ日本と欧米でこれほどの差があるのでしょうか?
大きな理由の一つは医療制度の違いです。日本では病気になってもすぐに病院にかかれて、比較的安価で治療が受けられます。一方、アメリカやヨーロッパでは病気になると莫大な費用がかかるため、病気にならないように日頃から運動するという習慣が当たり前になっています。
また、体型維持に対する考え方も異なります。日本人はダイエットで体重を減らそうとする傾向がありますが、欧米では好きなものをたくさん食べて、その分だけ運動でカロリーをコントロールするというマインドが一般的です。
Q. エニタイムフィットネスの現状を教えてください
会員数は90万人を超え、店舗数は全国で1,156店舗に達しています。対前年比で約10%の成長を続けており、直営店が約15%、フランチャイズ店が約85%という構成です。
世界全体では5,600店舗あり、フィットネスクラブとしては店舗数で世界一の規模になっています。
Q. なぜエニタイムフィットネスはこれほど急成長できたのですか?
最大の理由はビジネスモデルの秀逸さです。通常、フランチャイズビジネスでは売上の一定割合をロイヤリティとして支払いますが、エニタイムフィットネスでは金額を固定にしています。つまり、フランチャイズオーナーは頑張れば頑張るほど利益が増えるという仕組みです。
これにより、1店舗を出して利益を実感したオーナーが2店舗目、3店舗目と出店するケースが増え、現在では一社で50店舗以上を経営するフランチャイズ会社も複数存在します。
また、24時間営業でありながら、夜間は無人運営で人件費を抑えていること、プールなどの維持費が高い設備を置かないことも、コスト削減につながっています。

Q. 無人運営でも安全面は大丈夫なのですか?
店舗内には10台以上の高性能カメラを設置し、何かあればすぐにセキュリティ会社が駆けつける体制を整えています。そのため、夜中に女性が一人で利用しても安全に運動できます。
この仕組みはアメリカやヨーロッパの店舗でも同様に採用されており、特に大きな問題は起きていません。利用者もエニタイムフィットネスは安全性が担保されているという認識を持っています。
Q. エニタイムフィットネスの利益率が高い理由は何ですか?
営業利益率が約20%と高水準なのは、いくつかの要因があります。まず、人件費や店舗スペースが総合型ジムと比べて低コストであることが挙げられます。
また、月会費という形でストック型のビジネスモデルを構築しているため、天候などに左右されず安定した収入が得られます。さらに、オペレーションを徹底的に磨き込み、低コストでありながら十分なサービスを提供できる絶妙なバランスを実現しています。
一方で、フィットネスマシンは最高級のものを導入しています。運動を本気でしたい人は質の高いマシンでトレーニングしたいというニーズがあるため、ここはコストをかけています。
Q. エニタイムフィットネスと競合他社との違いは何ですか?
チョコザップなどの競合と比較すると、ターゲット層が異なります。エニタイムフィットネスは本格的に筋肉を鍛えたい人向けの施設です。
エントリーレベルのチョコザップ、本格的なエニタイムフィットネス、プールなどの設備を備えた総合型ジムと、市場は棲み分けられています。今後最も成長するのはエニタイムフィットネスとチョコザップだと予想しています。
Q. エニタイムフィットネスの今後の展開を教えてください
まだ空白地帯となっている地方を中心に店舗展開を進めていく予定です。また、最近は様々な場所から出店の依頼があります。例えば、病院の敷地内、大学キャンパス内、ホテル内、工場の敷地内などです。
特に工場の場合、地方の24時間操業している大規模工場では、勤務している若い人たちが運動できる施設へのニーズがあります。このように企業とのコラボレーションも増えています。
また、新たな展開として、第2ブランドの「ザバーメソッド」を始める予定です。これはバレエのエッセンスを取り入れたスタジオプログラムで、主に女性をターゲットにしています。アメリカでは好評なので、日本でも人気が出ると期待しています。
Q. 日本のフィットネス参加率が今後上がる可能性はありますか?
現在の4.5%から欧米並みの15%程度まで上昇する可能性は十分にあります。その場合、現在の店舗数が3倍になっても不思議ではありません。
特に厚生労働省が医療費抑制のために運動を推奨していることもあり、高齢者の参加も増えています。80歳や90歳になっても筋肉は鍛えることで成長するという研究結果も出ており、薬に頼るよりも筋肉をつけた方が長生きできるというエビデンスも増えています。
若いうちに運動習慣をつけた人は、50代、70代になっても定期的に運動を続ける可能性が高いです。今の30〜40代がシニア世代になる頃には、ジムに通う高齢者がさらに増えるでしょう。
