PIVOT TALK MONEY
来年の日経平均、高値は4万4000円
(31)
5,779回視聴
2024年12月8日

こう着状態が続く日経平均。年内に4万円を回復するのか?今後の利上げはどの程度影響するか?来年はどこまで伸びる余地があるのか?注目の30銘柄と合わせて、マネックス証券の広木隆チーフ・ストラテジストに聞いた。 <ゲスト> 広木隆|マネックス証券 チーフ・ストラテジスト 上智大学外国語学部卒。神戸大学大...
日経平均4万円回復へのカギは「バリュエーション」と「ボラティリティ」
日経平均株価は3万9000円台半ばまで上昇し、4万円の大台回復が視野に入ってきた。足元では日銀の追加利上げや為替動向など不安材料もあるが、企業業績は底堅く推移している。今後の株価はどこまで上昇するのか、注目すべき銘柄は何か。マネックス証券チーフストラテジスト・広木隆氏に話を聞いた。

Q. 日経平均株価は4万円を回復するか?回復するとしたらどのくらいのタイミングか?
日経平均が4万円を回復する可能性は十分にある。現在3万9000円台半ばまで上昇しているため、4万円までは500〜600円の上昇で到達できる。日経平均のボラティリティを考えると、これは日々の値動きの範囲内だ。4万円という水準は日経平均全体の1.5%程度の変動でワンタッチする可能性がある。
Q. 最近の日経平均が伸び悩んでいる理由は何か?
主な要因として2つ挙げられる。1つ目は企業業績の伸び悩みだ。予想EPSの推移を見ると、足元ではやや頭打ち気味になっている。しかし、今年前半に比べると業績見通しは高い水準にあるにもかかわらず株価が4万円を回復できていないのは、2つ目の要因であるPER(株価収益率)の低下が影響している。
Q. PERが下がった要因は金利上昇か?
金利上昇はPER低下の要因の一つだ。PERは割引率の逆数であり、割引率を構成する要素の一つが金利だ。日銀の利上げによってPERが下がったのは理論的に筋の通った動きだ。今年夏の大きな暴落も、日銀の利上げがマーケットの動揺を誘う一因になった可能性がある。
Q. 12月の日銀利上げはどの程度織り込まれているか?
理論上は金利上昇がPERを下げる要因になるが、日本の場合、金利の絶対水準が非常に低いため、日銀が利上げしたからといって必ずしもPERが大きく下がるとは限らない。夏の相場下落は金利上昇よりも、市場のボラティリティ(価格変動性)が上昇したことの影響が大きかった可能性がある。
Q. 株価変動とボラティリティの関係はどうなっているか?
日経平均のボラティリティインデックスとPERの関係を見ると、かなり綺麗に連動している。夏場の「令和のブラックマンデー」では市場が大荒れし、変動率が非常に高まった。その後、日経平均が3万8000円前後で動く状態が続いたことで、ボラティリティも徐々に落ち着いてきている。
ボラティリティが平均レベルに収斂してくれば、日経平均のPERも過去平均の16倍を超えてくる可能性がある。これにより、現在の業績水準でも日経平均4万円回復は十分あり得る。
Q. 企業業績の見通しはどうか?
企業業績はピークアウトして頭打ちになっていたが、足元では低下に歯止めがかかり、若干上向きに転じている。下方修正の波も一巡したと見られる。決算発表シーズンが終わり、今期も上場企業の業績は4年連続最高益更新というコンセンサスが形成されつつある。この予想業績に過去平均PER16倍を適用すれば、日経平均4万円は十分達成可能だ。

Q. 日産自動車の業績下方修正のような個別銘柄のネガティブな材料は相場全体に影響するか?
今回の中間決算では日産自動車に代表される自動車セクターが振るわなかったが、これは不正事件があり製造停止の影響もあった特殊要因だ。自動車、鉄鋼、機械などの製造業の業績は全般的に芳しくなかったが、一方で非製造業が好調で全体を支えた。この構図はしばらく変わらないと考えられる。
Q. 為替の動向はどう見るべきか?
為替については日本企業の業績に与える影響はそれほど大きくないが、マーケットの売り材料にされる可能性はある。今月中旬以降に控える日米の金融政策会合(FOMCと日銀金融政策決定会議)が最大の山場だ。ここを無難に通過できれば、日経平均は年末にかけて4万円を超えていくだろう。
Q. 年末から来年にかけての日経平均の見通しは?
年末に4万円に到達するというシナリオを前提とすると、来年は企業業績の伸びに沿った株価上昇が期待できる。日本企業の業績は来年も10%程度伸びると予想されるため、年末4万円スタートなら年末には4万4000円〜4万5000円が視野に入る。ただし、PERが大きく上昇するような成長期待の高まりは当面見込みにくいため、業績の伸び率に沿った株価上昇というシナリオが中心になるだろう。
Q. 注目すべき個別銘柄は?
様々な観点から選んだ注目銘柄は多数あるが、代表的なものとしては以下が挙げられる:
- 日立製作所:選択と集中を進め、不要な事業を再編・統合し、AIやインフラなどの重点分野に資本を特化。市場から高く評価されている日本企業変革の象徴。
- TDK、村田製作所:電子部品分野で世界的な競争力を持つ企業。
- NTTデータ:AIやデータセンター需要の中核企業。
- バンダイナムコ、任天堂:日本が世界に誇るゲーム産業の主力企業。利益率が非常に高い。特に任天堂は来年に新型ゲーム機の発表が予想される。
- 三菱UFJフィナンシャルグループ:日本のデフレ脱却と金利上昇局面で収益拡大が期待される銀行セクター代表。今回の中間決算でもメガバンク3行で数千億円規模の上方修正があった。
ソフト・エンターテインメント分野や電子部品など日本が国際的に強みを持つ分野の企業が多く含まれている。半導体メーカーど真ん中の企業は日本にはないが、NVIDIAなどと取引できる部品・素材メーカーは多い。