政策超分析
杉村太蔵が維新に問う「税制・教育・規制改革」
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2024年11月26日

12月1日に新代表が選出される日本維新の会。維新は税制・規制をどう改革しようとしているのか?高校無償化を強く推進するのはなぜか?国民民主党とどこが違うのか?杉村太蔵が代表選4候補に問う。 <ゲスト> 吉村洋文/大阪府知事 1975年大阪府生まれ。弁護士、大阪市議会議員、衆議院議員を経て 2015年...
「税は公平、中立、簡素であるべき」- 専門家たちが考える税制改革の理想とは
税制改革や規制改革について専門家たちが議論を交わした内容をQ&A形式でまとめました。消費税減税や教育の無償化、地方創生など、日本の成長戦略に関わる様々なテーマが語られています。


Q. 税制改革の三原則とは何ですか?
税制の三原則は「公平」「中立」「簡素」です。これらの原則を守ることが理想的な税制のあり方とされています。特に現在の日本の税制は「簡素」の面で課題があります。財務省と国税庁が税制を複雑にしている面があり、これを抜本的に変えることが本当の税制改革だと言えます。
Q. 消費税について専門家はどのような見解を持っていますか?
短期的には消費税減税が必要だという意見が多く、当面は8%程度への引き下げが現実的という見方があります。ただし、長期的には2050年から2075年にかけて人口が5000万人減少する中で、高齢者の数が増加し現役世代が減少するため、将来的には消費税を上げざるを得ない可能性も指摘されています。
消費税の最大の問題点は複数税率制度です。10%と8%の複数税率が存在することで、中小企業は計算が大変になっています。そのためインボイス制度が導入されましたが、これにより国の税収は3000億円増える一方、民間企業の負担も大きくなっています。単一税率にすればインボイス制度の導入は不要だったという指摘もありました。
Q. 法人税についてはどのような議論がありましたか?
大企業の法人税を引き上げるべきだという意見が出されました。大企業には内部留保がたくさん溜まっているため、それを活用すべきという考えです。一方で中小零細企業の税制はより手厚くする必要があるという意見もありました。
また租税特別措置法について、これは業界団体を優遇する制度となっており、自民党がこれを通じて業界団体をコントロールしてきたという指摘もありました。この仕組みを見直すことでイノベーションを促進する必要があるとの意見が出されています。
Q. 所得税や金融所得課税についてはどのような議論がされましたか?
所得税の累進構造をより強化すべきという意見があります。経済的に厳しい環境にある人の負担を減らし、所得の多い人にはより負担してもらう必要があるという考えです。
金融所得課税についても、株式投資などで大きく儲けた人には相応の負担を求めるべきだという意見がありました。NISA(少額投資非課税制度)などで投資を促進することは良いことですが、株で何十億も儲けているような人には相当の負担をしてもらい、格差を是正すべきだという主張です。
Q. 高校教育の無償化についてはどのような議論がありましたか?
全国で高校教育を完全無償化するには約6000億円(0.6兆円)の財源が必要だという試算が示されました。すでに国の制度として、年収590万円までの世帯に対して一部補助する仕組みがありますが、これを所得制限なしで全ての高校生に適用し、補助額も増やせば実現可能だという意見です。
大阪府ではすでに行財政改革で財源を捻出し、高校無償化を実現しています。その後、東京都も同様の施策を導入しましたが、他の自治体は財源確保が難しいため、国が全国一律で実施すべきだという主張がありました。
また高校無償化は、立憲民主党や国民民主党も公約に掲げており、政党を超えた合意形成が可能ではないかという指摘もありました。
Q. 教育の無償化に対する経済学的な懸念はありますか?
経済学的には「価格をゼロにする」ことへの懸念があります。サービスの質が低下しても無料なので仕方ないという意識が生まれ、教育を受ける側からのチェックが緩くなる可能性があります。
カナダで幼児教育の無償化を20年前に実施した例では、無償化された教育を受けた子どもたちの能力が低下したり健康状態が悪化したりしたという研究結果があります。これは無償化によって教育の質が低下した可能性を示唆しています。
ただし高校教育については、進学校としての評判が重要であり、成果を出さなければ生徒が集まらないという競争原理が働くため、質の低下は起こりにくいという反論もありました。
Q. 規制改革についてはどのような議論がありましたか?
規制改革は成長戦略として非常に重要だという認識で一致していました。例えばライドシェアのような新しいサービスを導入することで経済が活性化しますが、日本では既得権益が守られて規制改革が進んでいないという指摘がありました。
特に注目すべき意見として、国レベルではなく都市や地方レベルで規制改革を決定できるようにすべきだという主張がありました。例えば「大阪で責任を取るからライドシェアをやらせてほしい」と知事が判断しても現状では実現できません。各地域の特性に合わせた規制改革を可能にする仕組みが必要だという意見です。
また情報産業についても、アメリカではGAFAMのような企業が生まれたのに対し、日本ではAIやインターネット分野でのイノベーションが遅れているという指摘がありました。ベンチャー企業を支援して世界で戦える情報産業を育成することが重要だという意見です。
Q. 地方の産業競争力を高めるためにはどうすべきですか?
地方の製造業が衰退し、工場が閉鎖されている現状があります。地方に付加価値を生み出す産業を置くことが重要で、デジタル産業やAIデータセンターを地方に誘致するという案が出されました。
また安全保障に関わる産業として、エネルギー、食料、経済、防衛の4つの分野を地方に分散させることで、産業として成り立たせる戦略が提案されました。例えば電力発電所や食料生産基地、防衛産業などを地方に置くことで、地方創生にもつながるという考えです。
Q. 教員の働き方改革についてどのような意見がありましたか?
教育の無償化と合わせて、教員の働き方改革も重要だという指摘がありました。ある公立高校の教員は「給料よりも働きやすい環境が欲しい」と述べており、授業のコマ数が多すぎることや残業が常態化していることなど、働き方の改善が求められています。
子どもたちに教えることを楽しいと感じられる環境づくりが優先されるべきであり、教育の需要サイド(子どもたち)だけでなく、供給サイド(教員)のケイパビリティを高めることも重要だという意見がありました。