MONEY SKILL SET EXTRA
国民総株主はどこまで本気?【前澤友作vs後藤達也】
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2024年11月23日

株・保険・住宅など資産運用にまつわるスキルセットを一流のプロの講義を受けて学ぶMONEY SKILL SETの応用編。今回は特別編として「国民総株主」を掲げた新ビジネスを立ち上げた前澤友作氏にインタビュー。後藤達也氏が特別出演。 <ゲスト> 前澤友作(実業家/カブ&ピース株式会社代表取締役社長) ...
前澤友作「カブアンドで日本を株主大国に変える」 国民総株主を目指す理由
前澤友作氏が推進する「カブアンド」は、電気・ガスなどの生活インフラサービスを利用すると株がもらえるという新しいビジネスモデル。その背景には、「国民総株主」という大きな夢がある。ゾゾ創業者の次なる挑戦とは何か?

Q. カブアンドとはどのようなサービスですか?
カブアンドは、電気・ガス・モバイル・ウォーターサーバー・ふるさと納税など6つの生活インフラサービスを利用すると、ポイントではなく株式が還元されるサービスです。例えば年間10万円使うと、還元率が平均5%だった場合、5,000円相当の株がもらえます。これは生活コストを支払いながら少しずつ株主になれるという仕組みです。
電気は東京電力などから簡単に乗り換えられ、品質や価格はほぼ変わりません。モバイルはドコモ、au、ソフトバンクの回線から選べます。ふるさと納税は大手ポータルと連携し、何万点もの返礼品から選べるようになっています。
Q. なぜこのビジネスを始めようと思ったのですか?
この構想は2007年に遡ります。当時、ゾゾが上場した際に、私だけが突然お金持ちになってしまったと感じました。そこで「お客さんになぜ株を持ってもらえなかったのか」と後悔しました。確かに一部のお客さんには1株あたり9万円ほどの株を無償で譲渡しましたが、それは限られた人数だけでした。
会社が成功するのは誰のおかげかと考えると、従業員とお客さんのおかげです。しかし日本の会社は、お客さんに株を持ってもらおうとはしません。創業者が株を持つのが当たり前という考え方が一般的ですが、私はそれは違うと思っています。
次に何かビジネスをするなら、全員に株を配り、みんなで上場して成長するプロセスを共有したいという願いが17年前からありました。
Q. 具体的にどのように株を還元するのですか?
カブアンドは現在30億株を発行しており、今回新規で6億株を増資します。1株あたり5円が見込み額です。この6億株をサービス利用者に広く配布します。株の還元率はサービスによって異なり、数%のものから10〜20%のものまであります。
サービス利用者は証券口座がなくても株を受け取れます。自分のマイページで株が貯まっていく様子を確認できます。実際に売却する際は上場後に証券口座が必要になります。
第1期募集は11月20日から始まり、約半年の募集期間を設けます。その後、第2期、第3期と募集は続きます。
Q. 上場できなかった場合はどうなりますか?
上場できなければ株主にとっては「紙くず」状態になってしまうリスクがあります。ただし、企業価値がある以上は紙くずにはならず、価値はあるものの売却先がない状態が長く続く可能性があります。
上場は最短で目指しており、早い会社だと会社設立から2〜3年で上場することもあります。カブアンドも同じようなレベル感で考えています。もちろん上場審査はこれから受ける必要があり、株主が何百万人もいる会社は前例がないため、東証には事前に十分説明する予定です。
Q. どれくらいお金が増える可能性がありますか?
一般的な生活をしていて、月々1万円程度の契約をしている場合、それに対応する株式を受け取るだけなので、億万長者になるような大きな利益は期待できません。ただし、経済的にも楽しい体験ができるでしょう。
株式投資の体験自体が新しく、面白いものです。日本人の97%は未公開株を持ったことも投資したこともないので、そのプロセスを経験できること自体に価値があります。
Q. ビジネスとしての独自性や競争力はどこにありますか?
電気にせよガスにせよ、商品として優位性や差別化ができるものではありません。どこで買っても同じです。その中で「株がもらえる」という点が差別化要素になります。
各サービスには提携先があり、カブアンドは取次ぎや代理店的な機能を果たします。その中でマージンを得てビジネスとして成立させます。将来的にはサービスをどんどん増やしていく予定です。
Q. 株主数についての目標はありますか?
現在、日本で一番株主数が多い会社はNTTで約180万人です。カブアンドは、いきなり日本で一番株主の多い会社として上場を目指しています。数百万人の株主と共に上場できれば、収益も相当ついてくるでしょう。
さらに長期的には、スウェーデンのような株式投資家比率が高い国(約6割)を超え、日本人の株式投資家比率を100%にすることが目標です。そのためには他の企業にも同様の取り組みを広げてほしいと考えています。
Q. 前澤さんの経営哲学や考え方を教えてください
多くの経営者は30年後の自分を想像し、そこから逆算して計画を立てますが、私はそういうアプローチは難しいと感じています。むしろ「昨日より今日、今日より明日」と考え、コツコツと毎日を成長させていくタイプです。
お金は後からついてくるもので、好きなことや楽しいことが先にあるべきです。カブアンドについても、お金よりもビジョンの達成が重要です。ユーザー数が拡大し株主がどんどん増えていく様子を見ることの方が、お金が入ることより嬉しいです。
株を持つことは、選挙で投票権を持つのと同じです。経済に1票入れるには株を持つ必要があります。それが経済に主体的に参加するということであり、だからこそ国民総株主を目指しています。
Q. カブアンドの実現に向けて最も難しかったことは何ですか?
最初はWeb3的にトークンをお渡しする方法を研究していましたが、いろんなハードルがあって断念しました。また、前例がないため「なぜそんなことをやるのか」という説明も必要でした。
通常、創業オーナー社長が100%所有している株を顧客に配ることは考えられません。「なぜ株を配るのか」「自分の持ち分が減ってしまうのでは」とよく聞かれますが、私はお金ではなく、みんなに株主になってもらいたいと考えています。
持ち分が希薄化していったとしても、社会的にできることはたくさんありますし、経済的な恩恵もあります。自分のシェアをケチって譲りたくないというわけではありません。
Q. 日本人全員が株主になるために必要なことは何ですか?
日本では金融教育を基本的にしないため、いきなり大人になって株をやれと言われても難しいです。知識もお金もない状態では始められません。
資本家の皆さんには、もし国を良くしていく思いがあるなら、投資家を育てる啓蒙をしてほしいです。すでに十分お金持ちで、自分ばかり儲かっても仕方ありません。適当なNPOやボランティア団体に寄付して終わりではなく、日本人全員を資本家に育てる取り組みが必要です。