政策超分析
新総理で株価はどう動くか?
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2024年11月7日

11日と言われる首班指名選挙を行う特別国会。新しい総理で株価はどう動くのか?ピクテ・ジャパン ストラテジストの糸島孝俊氏と第一生命経済研究所 首席エコノミストの熊野英生氏に、注目のセクターを聞いた。 <ゲスト> 杉村太蔵|元衆議院議員/実業家/タレント 1979年北海道生まれ。2004年3月筑波大...
「選挙後の市場はどう動く?株価の注目セクターを専門家が予測」
日本の総選挙後の政治情勢が大きく変化する中、経済やマーケットへの影響が注目されている。自民党が過半数を割り、立憲民主党が躍進、国民民主党も議席を大きく伸ばした今、今後の日本経済はどう動くのか。元衆議院議員や経済アナリストらが、投資家目線で徹底分析した。


Q. 選挙結果を受けて株式市場はどのように反応したのでしょうか?
選挙結果を受けて株式市場は一時的に下落した後、持ち直す展開となった。これは「期待で売られて事実で買い戻される」という投資家心理の典型的なパターンと言える。自民党が過半数割れという報道が出た際に株価は下落したが、その後実際の選挙結果が判明すると買い戻しが入った。
糸島氏によると「高市氏が総裁選で勝利しないと分かった時に2000円ほど株価が下がったのと同様に、高市人気が上がった時の上昇分がなくなっただけ」と分析している。つまり、市場は政治的な不確実性を織り込んだ後、実際には極端な混乱がなかったことで安心感が広がったということだ。
熊野氏も「マーケットは期待で売られて事実で買い戻される。これは負のアノマリーで、期待の段階で実態よりも下げすぎた部分が、事実が確定すると元に戻る現象」と説明している。
Q. 石破政権の下で注目されるのはどんな銘柄・セクターですか?
石破政権下で特に注目されるセクターとしては、地方創生関連が挙げられる。石破氏はかつて地方創生担当大臣を務めていた経緯もあり、ふるさと納税関連や地方の単独企業などが恩恵を受ける可能性がある。
ただし、専門家たちはそれほど大きな期待はしていない様子だ。糸島氏は「石破政権下での注目セクターは基本的に折り込み済み」としながらも、「地方創生、女性活躍、リスキリング、サイバーセキュリティなどが考えられる」と述べている。
熊野氏はインバウンド関連に注目する。「日本の中間所得層が弱くなっている中、外国人観光客の消費力は4年間で1.5倍に高まっている。地方創生を本気でやるならインバウンド関連が効果的」と指摘している。
Q. 国民民主党の政策とその市場への影響はどうでしょうか?
国民民主党の掲げる政策の中で最も注目されるのが、103万円の壁の引き上げなど減税政策だ。専門家によると、これは最大8兆円の税収減につながる大きな政策となる。
国民民主党は今回28議席を獲得し、議席数が20を超えたことで単独で法案提出権を持つことになった。このため与党にとって協力は不可欠であり、キャスティングボードを握ることになる。
太蔵氏は「自民党は基本的に大きな政府志向で、税金をたくさん取って困っている人に補助金を配るというのが基本戦略。一方で国民民主党は税金を取らず自分のことは自分でやるという小さな政府志向であり、この対立軸が2大政党制につながる可能性もある」と指摘している。
Q. 来年3月に首相が交代する可能性はありますか?また、その場合の候補者は?
選挙で大敗を喫した自民党内では、石破政権の行方に注目が集まっている。特に大統領選挙後の11月5日から9日が重要な期間となる可能性があり、選挙区から議員が戻ってくるこの時期に「石破おろし」の動きが出るかもしれない。
太蔵氏は「来年の参議院選挙を石破氏で戦えるのかという議論が早くから出てくる可能性がある」と予測。来年3月に首相が交代するとしたら、本命は林芳正氏、対抗は玉木雄一郎氏、大穴は高市早苗氏と予想している。
林氏については「非常にバランスが良く、右でも左でもない真ん中の人物。総裁選でも評判を上げた」と評価する声があがった。
Q. 今後の日本経済と市場にとっての最大のリスク要因は何ですか?
専門家たちが懸念するのは「反アベノミクス」の流れがマーケットに与える影響だ。特に年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)と日銀のETF保有に関する政策変更の可能性が指摘された。
太蔵氏は「GPIFの積立金が258兆円と膨大で、これほど必要なのかという議論が出る可能性がある。また反アベノミクスという政治トレンドの中で、GPIFや日銀ETFの見直しが行われれば、マーケットにはネガティブに働くだろう」と警告している。
糸島氏は「日銀はすでにETFの追加購入を停止しているが、出口戦略については慎重に進めないと市場に大きな影響を与える」と指摘。政策の変更は慎重に行う必要があると強調した。
マーケット関係者からは「無党派層を味方につける」「アメリカを味方につける」「マーケットを味方につける」という政権運営の三原則も提示された。石破政権がこの三原則をどれだけ実践できるかが、今後の日本経済の行方を左右するポイントになりそうだ。