PIVOT TALK BUSINESS
不登校解決のため、デジタル断ちせよ
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2024年11月5日

近年、急速に増えている不登校児。なぜ不登校が増えているのか?どうすれば再登校できるのか? これまで1200名を再登校に導いてきたスダチの小川涼太郎社長に「最短で登校に導く方法」を聞いた。
「不登校問題は家庭で解決できる」デジタル依存からの脱却が子どもを変える
「学校で問題があって行けない子と行ける子の差はどこにあるのか?」この問いに対する答えは、意外にもシンプルかもしれない。不登校問題の解決には、親子関係の見直しとデジタル依存からの脱却が鍵を握っているという。
Q. 不登校の根本的な原因はどこにあるのでしょうか?
学校と家庭という2つの軸で考えると、両方に問題がある場合に不登校になりやすい傾向があります。学校でのトラブル(いじめや勉強の躓きなど)は常に起こり得るものであり、完全に無くすことは難しいです。しかし、家庭環境が良好であれば、学校で何があっても登校を続けられる子どもになれます。
家庭環境には「親子関係」と「家庭での過ごし方」という2つの側面があります。子どもが親を心から信頼できる存在と思えているかどうかが非常に重要です。発達心理学でいう「安全基地」の概念がここに関わってきます。「嫌なことがあっても、お父さん・お母さんがいるからなんとかなる」と思えていれば、不安やストレスを軽減できます。
Q. 親子関係はどのように構築すべきでしょうか?
多くの家庭で見られる問題として、「親子関係の逆転」があります。親が子どもの要求に全て応えようとする「受け身型」の関係では、子どもは親を「何でもしてくれる人」として扱うようになります。
これは愛情と勘違いされがちですが、実は「甘やかし」です。子育ての最終的なゴールは子どもを自立させることですが、過保護・過干渉によって親に依存させてしまうと、自立を妨げてしまいます。
例えば、小学校高学年でも歯磨きを親がしてあげたり、中学生になっても一緒に寝たり、お風呂に入ったりするケースが少なくありません。このように子どもに何でもやってあげる関係では、子どもは自分でできる力を身につけられません。
正しい親子関係とは、子どもが困った時に頼れる存在でありながらも、ダメなことはしっかりとダメと伝え、子どもの自立を促していく関係です。
Q. デジタル機器と不登校の関係はありますか?
デジタル機器、特にスマートフォンやゲームの使用が不登校の大きな原因になっています。現在、「好きなだけ使わせましょう」「ITスキルが学べる」「プロゲーマーを目指せる」などの意見もありますが、制限なく使わせると深刻な問題が生じます。
具体的には、ゲームやスマホの過剰使用によって昼夜逆転など生活習慣が乱れ、朝起きられなくなって不登校になるというパターンが多く見られます。また、デジタル機器を制限なく使わせる親子関係では、「こんなに使わせてもらっているのに口出しするな」という態度につながり、親子関係の逆転を加速させます。
さらに問題なのは、デジタル機器が「ドーパミン強制発生装置」として機能することです。お酒、タバコ、ギャンブル、麻薬などは依存性が高く危険なため未成年には法的に禁止されていますが、同様に依存性の高いスマホやゲームには制限がありません。特に脳の前頭前野がまだ発達していない子どもたちは、自己制御が難しく依存しやすい状態にあります。
Q. 不登校を解決するためにはどうすればいいですか?
解決策として重要なのは、「幸福ホルモン」のバランスを整えることです。人間の幸福感には、セロトニン、オキシトシン、ドーパミンという3つのホルモンが関わっています。
セロトニンは正しい生活リズムと食事で分泌され、オキシトシンは家族とのコミュニケーションで増加します。一方、ドーパミンはデジタル機器の過剰使用によって不自然に大量に分泌されてしまいます。
不登校の子どもたちは生活習慣が乱れてセロトニンが不足し、家族とのコミュニケーション不足でオキシトシンも減少しています。そこでまず必要なのは、デジタル機器の使用を一時的に完全に禁止することです。家族全員でデジタル制限を行い、家庭内ではテレビも含めて電子機器を使わない環境を作ります。
最初は反発や禁断症状が起きますが、これを乗り越えると、徐々に親子のコミュニケーションが回復し、生活リズムも整っていきます。朝起きて日光を浴び、家族で朝食を食べ、夜は家族でボードゲームなどをして過ごす。こうした環境の中で、子どもに家事などの役割を与え、達成感を味わわせることで自己肯定感が高まっていきます。
Q. どのようなサポート方法が効果的ですか?
この取り組みでは、親へのコーチングが重要です。親子が毎日やることを決め、それを報告してもらい、フィードバックを提供するというシステムで支援します。子どもには直接介入せず、親を通じて環境を変えていきます。
この方法での再登校までの期間は、最短で1日、平均で19日程度です。デジタル依存が原因の場合は特に効果が早く現れます。一度再登校できても後戻りしないよう、継続的なフォローも行っています。
Q. 不登校から立ち直るための5つの条件とは?
不登校から立ち直るための5つの条件は以下の通りです:
1. 子どもの自己肯定感を高める:できたことをしっかり褒め、自信をつけさせる
2. 正しい生活習慣に戻す:人間らしい生活リズムを取り戻すことで心身ともに健康になる
3. 正しい親子関係を築く:頼れる存在になりつつも、ダメなことはしっかり伝える
4. 考える時間を与える:デジタル機器から離れることで、自分自身や将来について考える時間を持つ
5. マインドセットを変える:困難を乗り越えることで成長できるという考え方を身につける
これらの条件を整えることで、多くの子どもたちが再登校への一歩を踏み出しています。不登校の解決には、子どもだけでなく、親自身の変化も必要不可欠なのです。
Q. なぜこの方法に批判があるのでしょうか?
この方法への批判は、不登校の子どもの心理状態に対する認識の違いから生じています。批判する側は、不登校の子どもの心は傷ついているので、介入せずに見守るべきだという考えです。
一方、私たちは子どもを「変わる存在」として捉え、成長の機会と考えています。無理やり学校に行かせるのではなく、家庭環境を整えることで子どもが自ら変わる力を引き出すアプローチです。
また、「好きなことをやらせてあげる」という考え方は、社会のルールと相反します。社会では「やるべきことをやった上で好きなことをする」のが原則であり、子どもにもそれを教えるべきです。学校に行かずに好きなことだけをするという経験は、社会に出た時に困難を招く恐れがあります。
このように、子育ての根本的な考え方の違いが批判の背景にあるようです。しかし、実際に再登校を果たす子どもたちの成功例を見ると、この方法の有効性は明らかです。