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衆院選後の4つの株価シナリオ
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2024年10月25日

自公過半数割れの可能性も出てきた総選挙。自公惨敗の場合、日経平均株価にどんな影響があるのか?自公が国民新党と連立を組むのは、株価にプラスなのか?今後、誰がリーダーになれば市場は評価するのか?マネックスの広木隆チーフ・ストラテジストに聞いた。 <ゲスト> 広木隆|マネックス証券 チーフ・ストラテジス...
総選挙と日本株:シナリオ別に見る市場への影響
今回の総選挙では、当初は自民党の安定多数が予想されていましたが、文春の予測では自民党が197議席と過半数割れのリスクが高まっています。マネックス証券チーフストラテジストの広木隆氏に、総選挙結果が株価にどう影響するかを聞きました。

Q. 総選挙のシナリオは何パターンあると考えられますか?
大きく分けて4つのシナリオが想定できます。
1. 自民党が単独で過半数維持:確率は5%程度
自民党が前回の256から大きく減らさずに過半数の233議席以上を維持するシナリオですが、現在の世論調査や接戦区の状況を見ると、可能性はほぼないと考えられます。
2. 自公連立で過半数維持:確率は40%程度
自民党は単独過半数を割るものの、公明党と合わせて過半数を維持するシナリオです。前回は自公で288議席あったので、55議席減っても過半数は維持できます。ただし、自民が200を割り込むと公明党が1議席も落とせない厳しい状況になります。
3. 自公で過半数割れ(ギリギリ):確率は35%程度
自公で過半数をわずかに割り込むが、無所属議員の取り込みなどで数合わせができるシナリオです。実質的には2のシナリオと変わりません。
4. 自公で過半数割れ(大幅):確率は20%程度
自公の議席が大幅に減少し、他の野党との連立なしには過半数に届かないシナリオです。
Q. 自民党が単独過半数を割り込む可能性はどのくらいですか?
ほぼ確実です。自民党は前回256議席を獲得しましたが、過半数ラインの233議席を維持するには24議席減までしか許容できません。しかし、既に各地で接戦が伝えられており、24議席以上の減少は避けられないでしょう。
また、直近の赤旗の報道では、非公認にした議員の支部に2000万円を支払っていたという新たな問題が浮上しています。森山幹事長が認めていることもあり、「自民党は全然懲りていない」という有権者の印象を強めています。
共同通信の世論調査では、石破内閣の支持率が歴代政権と比べても低く、安倍派議員の非公認処分についても7割の有権者が「不十分」と回答しています。このような状況から、自民党の単独過半数維持はほぼ不可能と言えます。
Q. 各シナリオで株価はどう動くと予想されますか?
シナリオ1:自民党単独過半数維持(確率5%)
可能性が低いため、詳しい分析は省略します。
シナリオ2:自公で過半数維持(確率40%)
株価はほとんど反応しないでしょう。与党が過半数を維持するという安心感から下落はしないものの、上昇も期待できません。理由は以下の通りです:
1. 自民党の大敗は避けられず、石破首相の党内での立場が弱まります
2. 来年夏の参院選まで政権の存続が不透明な状態が続きます
3. 不安定な政権下では官僚機構が積極的に動かず、実効性のある政策実行が難しくなります
株価は政治要因以外(為替、企業業績など)で動く可能性はありますが、選挙結果自体による上昇要因はほとんどないでしょう。
シナリオ3:自公で過半数割れ(ギリギリ)(確率35%)
実質的にはシナリオ2と同様の結果になると予想されます。無所属議員や非公認となった議員の取り込みなどで数合わせをし、何とか過半数を確保する展開が予想されます。
シナリオ4:自公で過半数割れ(大幅)(確率20%)
最初のニュース速報で「与党過半数割れ」というヘッドラインが出ると、外国人投資家が売りに出て株価は下落するでしょう。ただし、下落は日経平均で3万6000円程度で止まると予想されます。理由は以下の通りです:
1. 過半数割れは「サプライズ」ではなく、ある程度市場に織り込み済みです
2. 既に株価は3万7000円台まで下落しており、悪材料の一部は反映されています
3. 完全な政権交代には至らず、民主党政権のような「政権運営能力のない政権」誕生という最悪シナリオは避けられます
Q. シナリオ4の場合、その後はどうなりますか?
国民民主党との連立が株価にとって最もポジティブなシナリオになる可能性があります。
与党が大幅に議席を減らした場合、野党との連立が必要になりますが、共産党や立憲民主党との連立は考えにくく、国民民主党が最有力候補になります。玉木代表は現時点では「連立には加わらない」と発言していますが、これは選挙前の建前で、選挙後には「政策実現のため」という大義名分で連立に加わる可能性があります。
仮に国民民主党が20議席程度獲得し、与党と合わせて過半数を確保できれば、株価は上昇に転じるでしょう。理由は国民民主党の経済政策が「国民の所得が上向くまで景気対策をしっかりする」というアベノミクス的な主張であり、市場にフレンドリーだからです。
この場合、一旦は「与党大敗」のショックで3万6000円台まで下落する可能性がありますが、国民民主党との連立が決まれば4万円台を回復し、他の条件(米大統領選、企業業績、円安進行など)が整えば年末までに4万2000円台まで回復する可能性もあります。
Q. 国民民主党の議席数が少なくても連立に影響力を持てるのはなぜですか?
国民民主党の持つ議席が「キャスティングボード」を握る可能性があるからです。たとえ15〜20議席程度であっても、その議席がなければ過半数に届かないという状況であれば、単なる数以上の重みを持ちます。
国民民主党は現在7議席ですが、選挙後には倍増し、15〜20議席程度獲得すると予想されています。特に30代・40代からの支持が厚いとされ、この票が伸びる可能性があります。
Q. 石破政権の今後や次期総裁候補について見通しは?
選挙結果によっては、石破政権が来年夏の参院選までに倒れる可能性もあります。支持率が低いことに加え、政治とカネの問題で反省の色が見えないことも要因です。
次期総裁候補として注目されるのは以下の人物です:
高市早苗氏:アベノミクスの継承者として経済政策では評価されるが、外交・安全保障面で中国との関係悪化リスクがある
林芳正氏:中国との関係改善が期待できるが、経済政策でアベノミクスを継続できるか疑問
小林鷹之氏:若手で期待が高いが、まだ数年後の登場が適切か
理想的なシナリオとしては、石破政権がある程度安定して数年継続し、その後小林氏に引き継ぐか、あるいは石破政権が短期で終わっても、地政学リスクに配慮できる林氏などを経て小林氏につなぐ流れが考えられます。
いずれにしても、政治の不安定さはマーケット全般にとって好ましくありません。今回の総選挙は、どのシナリオでも政治の安定が損なわれる可能性が高く、予測不可能な展開が予想される注目の選挙です。