PIVOT TALK BUSINESS
アベプラの猛獣使いが伝授 仕切り方の極意
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2024年10月4日

「ABEMA Prime」で大勢の個性豊かな出演者と議論を進めるテレビ朝日アナウンサーの平石直之氏。ビジネスパーソンこそ、会議でのファシリテーターをやるべき理由、そして議論を進める上での心得を聞いた。 <ゲスト> 平石直之|テレビ朝日アナウンサー 1974年大阪府松原市生まれ。早稲田大学政治経済...
ファシリテーション力を身につける3つの鍵 - 平石直之流「場を制する技術」
「会議がいつも同じメンバーばかり発言して終わってしまう」「議論が脱線して時間だけが過ぎていく」そんな悩みを抱えるビジネスパーソンは多いのではないだろうか。テレビ朝日アナウンサーで「アベプラ」の司会を務める平石直之氏は、「ファシリテーション力」の重要性を説き、そのスキルは誰でも身につけられると語る。

Q. ファシリテーションとは何ですか?
ファシリテーションとは、人が集まる場を円滑に回し、集まった場の効果を最大化する技術です。これは大きな討論会だけでなく、3人程度の小さな集まりでも必要なスキルです。単に進行するだけでなく、その場の話を聞きながら、目的に沿ってコントロールし、参加者から意見を引き出していくことが重要です。
うまくいかないと「参加しなければよかった」という不快感や残念さを生みますが、ファシリテーションがうまく機能すると、生産的で満足度の高い場になります。
Q. ファシリテーションの3つの鍵は何ですか?
ファシリテーションには3つの重要な要素があります。「場を作る力」「聞く力」「準備する力」です。これらが一体となって、良い場が作られていきます。
「場を作る力」は、参加者が話しやすい環境を整えることです。集まった人たちが本音で話せるようにすることが大切です。「聞く力」は文字通り、人の話をしっかり聞く能力です。「準備する力」は事前の下調べや参加者との調整などで、実は準備が全体の9割を占めるほど重要です。
基本的には誰も傷つけないファシリテーションを心がけ、ファシリテーターも参加者も緊張するものですが、その緊張をうまく和らげながら進行することが大切です。
Q. 場を作るために具体的に何をすればいいですか?
まず、自分自身の緊張を和らげることが大切です。次に、参加者が心地よく話せるように寄り添うスタイルを心がけます。参加者が自由に発言でき、恥をかかせないように配慮することが非常に重要です。
会議や討論会では、人を集めれば自然と盛り上がると思いがちですが、実際には「参加しなければよかった」という状況が起こりうるものです。そのマイナス面を知ったうえで、うまくいかないケースを避ける努力をすることがファシリテーションの真髄といえます。
明るく元気に「さあ、皆さん始めましょうか」と言うだけでも、場の雰囲気が変わります。「ただいまより開始します」といった堅い言い方よりも、参加者が緊張しない言葉選びをすることで、相互的に良い緊張感を保ちつつも話しやすい雰囲気を作れます。
Q. 心理的安全性を確保するためのポイントは?
心理的安全性を確保するために重要なのは、参加者に「自分の出番がある」と思わせることです。会議の冒頭で「今日は皆さんに一言ずつ、後ほど必ず伺います。何でもいいので考えておいてください」と伝えるだけで、参加者の姿勢が変わります。
さらに、「質問でも何でも構いません」「流れに沿わないものでも大丈夫です」「パスもOKです」と付け加えることで、より安全性を高められます。これにより、参加者は一生懸命考え、他の人の発言にも集中して聞くようになります。
また、参加者の発言を受け止める際は、どんな意見でも「なるほど」「初めて知りました」「重要なご指摘ですね」とポジティブに受け止めることが大切です。必ずしも賛成や反対の立場を取る必要はなく、「ありがとうございます」「ご意見承りました」といった中立的な言葉で受け止めることもできます。
Q. 準備段階で重要なことは何ですか?
準備には主に2つの重要なポイントがあります。1つはテーマについての準備で、もう1つは参加者についての準備です。
テーマについては、その内容をよく知らないと会議が始まりません。知識不足だと詳しい人にとって物足りなく、議論の核心から外れた展開になってしまいます。
参加者については、どんな意見を持っているか、どんなバックグラウンドがあるかを事前に把握することが重要です。これによって、どのように意見を引き出すかの鍵を握ることができます。根回しも参加者に対する準備の一環です。
また、参加者の構成をイメージし、例えば「3対2になるから私が2の方に寄った方がいいかな」とか「2対4だけど、2に強い意見の人がいるから4に加勢しないとバランスが悪くなるかも」といった全体のバランスを考えることも準備の一部です。
Q. 聞く力を高めるコツはありますか?
聞く力を高めるには、まず一生懸命聞こうという強い意識が必要です。特にファシリテーターは、次に何を言うか、誰に振るか、時間管理など多くのことを考えなければならず、集中して聞くことが難しくなります。
効果的な方法として、「要約しよう」と思って聞くことがあります。相手の話を「要するにこういうことですね」と要約して返すことで、話した人も満足しますし、聞いている人にも内容が伝わりやすくなります。
要約する際には「もろはの剣」で、ずれている可能性もあるため、「ということでよろしいですか?」と確認することが大切です。要約するには真剣に聞く必要があるため、結果的に聞く力が高まります。
また、理解を深めるために「それはどういう意味ですか?」「どうしてそう思ったんですか?」といった質問を重ねることも効果的です。
Q. 場の目的に沿わない発言があった場合の対処法は?
目的に沿わない発言があった場合でも、その人の面子を傷つけないことが大切です。「ありがとうございます。それも大事なポイントですね。それは次回、テーマを設けて話しましょう」というように、意見自体は受け止めつつも、今回の議題ではないことを伝えます。
これは相手の顔を潰さず、「また次回この会議に参加したい」と思えるようにするための配慮です。また、他の参加者の時間も預かっているという意識を持つことが重要です。
1対1の場合は自分が我慢して相手の話を聞くことができますが、グループの場合は他の人たちの時間も奪っているため、全体にとって有益ではないと判断した場合は、少し前がかりに介入することも必要です。
Q. ファシリテーションスキルはどうやって磨けますか?
ファシリテーションスキルは先天的なものではなく、練習と経験で誰でも身につけられます。平石氏自身も最初は苦労したといいます。特にYouTubeのコメント欄などダイレクトな反応から多くを学び、鍛えられたそうです。
重要なのは、常に時代感覚や場の空気を読む感覚を磨くことです。同じ討論でも日によって空気感が異なり、介入するタイミングも変わってきます。状況は常に変化するため、「今この瞬間に何が一番大事か」を見極める感覚が大切です。
若い人がファシリテーターを担当することは、組織においてもテーマにおいても非常に成長できる機会となります。人と人をつなぎ、複雑な内容をシンプルに伝えることを意識することで、ファシリテーション力は向上していきます。