
小泉総理で株価は上がる?【総裁選】
「岸田政権を支えてきたのに何をやってきたの?」元自民党議員が明かす総裁選の裏側

Q. 日本のリーダーを決める大事な選挙として自民党総裁選が行われますが、今回はどのような選挙になりそうですか?
9月27日に開票が行われる予定の自民党総裁選は、前代未聞の候補者乱立となっている。過去の総裁選では最多で5人の立候補者だったが、今回は約12名にまで膨らむ可能性がある。ただし、立候補に必要な国会議員20人の推薦人集めは極めて難しい状況だ。
12人全員が20人集めるとすれば240人必要となり、これは自民党議員の大半を占めることになる。特に野田聖子氏や青山繁晴氏、斉藤健氏、上川陽子氏らは推薦人集めに苦戦している。
Q. 推薦人20人はどのように集めるのでしょうか?
各候補者には支持者となる仲間がいる。仲間の作り方は様々で、旧派閥の人脈を頼る場合もあれば、普段から食事会や懇親会を開いて関係を築いている場合もある。
今回は派閥が解消されたため、純粋に応援したいから応援するという動機で集まった議員が多い。特に早く立候補表明した候補者ほど、熱心な支持者が集まっている傾向がある。一方、後から立候補表明した候補者は「どうしても出たいから何人か推薦人を貸してくれないか。その代わり決選投票では必ず入れるから」といった交渉も行われている。
Q. 小泉進次郎氏は今回の総裁選でどのような存在感を示していますか?
小泉進次郎氏は会見で見せた話術と人を引き込む力が注目されている。この能力は父親の小泉純一郎元首相譲りの天性のものだという評価もある。
小泉氏の支持者には、スタートアップの勢いのある経営者たちが比較的多い。それゆえ、規制改革についても明確に言及するなど、支持者の声を政策に反映させている。
また、小泉氏は若手だけでなくベテラン議員からも支持を集めつつある。「小泉三重市」と呼ばれる支持グループには、村井英樹氏、小林史明氏、小倉將信氏など実力者が名を連ねており、これらの人脈を通じて能力の高いベテラン議員も取り込んでいる。
Q. 小泉氏と小林鷹之氏の支持層にはどのような違いがありますか?
小林鷹之氏は4期以下の若手議員から圧倒的な支持を得ている。一方、小泉進次郎氏は若手も支持しているものの、ベテラン議員からも支持を集めつつある。小泉氏は「人たらしの極み」とも評される人心掌握術を持ち、世代を超えて支持を広げている。
小林氏の陣営は4期以下の議員を中心としており、福田達夫氏など優秀な2世議員たちがチームを形成している。
Q. 世界的に見て若いリーダーが増えていますが、日本でも政治の若返りは起きていますか?
自民党内でも政治の若返りへの期待は高まっている。前回の総裁選では河野太郎氏が「若手で面白いことをしそう」という期待から勢いがあったが、今回は小泉氏や小林氏といった若手候補が複数出馬したことで、支持が分散している状況だ。
世界ではすでに30代、40代のリーダーが複数誕生しているが、日本では伊藤博文以来、40代の総理大臣は出ていない。政治の若返りへの期待は高いものの、若手リーダーが実際に成功するかについては議論がある。
Q. 若いリーダーのデメリットもありますか?
若ければいいというわけではなく、特に外交経験の不足は懸念材料になる。トランプ氏かハリス氏か、アメリカの大統領選の結果によっては、日本のリーダーシップにも影響が出る可能性がある。
閣僚には積極的に若手を投入すべきだが、国のトップを務める総理大臣には一定の経験が求められる。特に中国の脅威、ウクライナや中東情勢など国際情勢が厳しい中で、外交経験の乏しいリーダーには不安がある。
理想的なのは、経験があり、かつ古いやり方にとらわれない柔軟さを持つ政治家だろう。
Q. 派閥が解消された今回の総裁選について、どのような特徴がありますか?
今回は「脱派閥の初めての総裁選挙」と言われており、各陣営も派閥色を薄めようとしている。派閥解消後の政権運営として最も注目されるのは「新政権の人事」だ。
これまでの内閣人事は「どこどこ派から何人」という派閥の論理で決められることが多く、必ずしも適材適所ではなかった。IT担当大臣にUSBが分からない人が就任するなど、能力と職責がマッチしないケースもあった。
派閥が解消された今、真に能力のある人を適切なポストに配置する「適材適所」の人事が実現するかが注目される。
Q. 林芳正氏や茂木敏充氏など、岸田政権を支えてきた候補者の評価はどうですか?
林芳正氏や茂木敏充氏は能力が高く大臣経験も豊富だが、世論調査では支持率が1%程度と低迷している。その理由は「今まで岸田政権で何をやってきたのか」という疑問が有権者にあるためだ。
岸田政権の政策に不満を持つ有権者からすれば、その岸田政権を支えてきた政治家が今になって「変革」を訴えることには違和感がある。特に茂木氏が「政策活動費は私がなったらやめます」と言うことは「大きなブーメラン」になる。
林氏も茂木氏も非常に能力は高いが、今のタイミングでは支持を得にくい状況にある。
Q. 石破茂氏は地方で人気があると言われますが、実際はどうですか?
石破茂氏は演説が上手く、公演などでも人気がある。保守的でありながら国民目線の発言をすることが多く、ゆっくりと話すスタイルも高齢者に受けている。また、くしゃっとした笑顔で写真に映ることも人気の一因だ。
石破氏は毎週末どこかの選挙区に足を運ぶ熱心さがあり、地方議員や党員からの支持は厚い。ただし、経済政策についてはあまり発言せず、主に自衛隊と防災の2つのテーマに集中している点が特徴だ。
Q. 次期総裁を選ぶ上で、外交能力はどの程度重要ですか?
外交は「一刻を滅ぼす」と言われるほど重要だが、国会議員の中には「外交は票にも金にもならない」と考える人もいる。地元を離れて海外に行くと「遊んでいる」と見られかねないため、外交活動に消極的な議員も少なくない。
しかし安全保障なくして経済もないという側面もある。2012年頃は日本の国際的地位が著しく低下し、「日本パッシング」の状態だった。次期総理には、特にアメリカの新大統領との関係構築や中国への対応など、国際情勢に対応できる能力が求められる。
Q. 来年の参議院選挙の重要性について教えてください。
総裁選びで見過ごされがちな重要な視点として「誰が参議院選挙に勝てるか」という点がある。参議院選挙で負けて「ねじれ国会」になると、政策の実行が困難になり、政局が不安定になる。
2006年から2012年にかけては政局が不安定で毎年のように総理が交代した。衆議院では勝てても参議院まで勝ち切れる総理は誰かという視点も重要だ。参議院選挙で負けて「ねじれ国会」になると株価は暴落するとの指摘もある。
Q. 次期総裁にとって国内政策と外交政策のバランスはどうあるべきですか?
国際情勢が厳しい中で外交は極めて重要だが、国内の課題も山積している。岸田首相は月に2回ほど海外に出かけたが、国内には効果が見えないという批判もある。
次期総理には、外交と内政のバランスを取りながら、特に国内の経済政策や規制改革などに力を入れることが期待されている。明るい未来を作るためには、若い感覚を持ったリーダーが必要だという意見もある。
外交で経験値のある政治家を起用しつつ、若い感覚を持った政治家が国のトップに立つという組み合わせも一つの選択肢だろう。
