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マグニフィセント・セブンの今後を占う【壁谷洋和】
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2024年8月26日

株・保険・住宅など資産運用にまつわるスキルセットを一流のプロの講義を受けて学ぶMONEY SKILL SETの応用編。今回は大和証券 米国株のプロ壁谷洋和氏を講師に大統領選イヤーのアメリカ株について学ぶ <ゲスト> 壁谷洋和(大和証券 エクイティ調査部長 チーフストラテジスト) https://w...
米国株と大統領選が経済に与える影響とは?マグニフィセント・セブンの今後を語る
近年、個人投資家の間でも注目度が増している米国株。株価指数はその動きが激しく、多くの投資家が頭を悩ませている。大統領選を控えた現在、今後の米国経済や株式市場はどのように推移していくのだろうか。今回は、米国株の動向、マグニフィセント・セブンの今後、そして大統領選がアメリカ経済にどのような影響を与えるのかについて、専門家の見解を伺った。
Q. 米国株の現状と今後の展望について教えてください
現在の米国株式市場は非常に悩ましい状況にある。これまで株価を牽引してきた半導体株に対する加熱感とその後の急速な冷却が見られる。また、アメリカ経済そのものについても、これまで堅調な成長を続けてきたが、最近は悪い経済指標が出始めている。
インフレが鎮静化し始めたのは良いニュースだったが、それ以上にアメリカ経済が弱くなっているのではないかという懸念が広がっている。特に半導体株は大きく調整し、アメリカ株全体に対する不安感が高まっている状況だ。
しかし、こうした短期的な調整があっても、年末に向けては水準を回復していく可能性が高い。今後数年間という時間軸で見れば、米国株は再び最高値を更新していくだろう。
Q. 米国株の循環的な動きはどのようなパターンがありますか?
米国株には循環的な動きがあり、主に4つの局面に分けることができる。
1. 金融相場:金余りがもたらす株価上昇局面。金融緩和が行われている時期で、実体経済は良くないにも関わらず株価が上昇する「不景気の株高」という現象が起きる。
2. 業績相場:景気拡大に応じた株価上昇局面。実体経済の改善と企業業績の向上によって株価が上昇する、最も理想的な上昇局面。
3. 逆金融相場:金融引き締めに伴う株価下落局面。インフレ抑制などのために金利が引き上げられると、株価が下落する。
4. 逆業績相場:業績悪化を嫌気した株価調整局面。実体経済の悪化と企業業績の低下によって株価が下落する。
この循環は、2020年以降の米国株にも当てはまる。コロナショック後の2020年は金融緩和による「金融相場」、2021年は景気回復による「業績相場」、2022年はインフレ抑制のための利上げによる「逆金融相場」と「逆業績相場」が見られた。
そして2023年後半から2024年前半にかけては、将来の利下げを先取りした「金融相場」の動きが見られた。今後も米国の金融政策と実体経済の変化に応じて、この循環的な動きが続くと予想される。
Q. 最近の米国株の乱高下は何が原因なのでしょうか?
最近の米国株の乱高下には複数の要因がある。まず、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策が重要なポイントだ。
現在、FRBは9月にも利下げに転じる可能性が高い。市場では、最初の利下げ幅について、0.25%の利下げの確率が7割、0.5%の利下げの確率が3割という見方から、最近では0.5%の利下げの確率が7割に上昇している。
これは、アメリカの景気減速懸念が急速に高まっていることを示している。市場は「金融政策が出遅れて大変なことになるのではないか」という不安を織り込み始めており、これが株価の乱高下の一因となっている。
また、NVIDIA(エヌビディア)などの半導体株に対する期待値が非常に高まっていたため、好決算を出しても「想定通り」と受け止められるようになり、少しでも期待外れだと大きく売られるという状況も生まれている。
しかし、こうした短期的な乱高下に惑わされず、長期的な視点で見ることが重要だ。アメリカ株式市場は世界中の投資マネーが流入する「一極集中」の状況が続いており、この構図は当面変わらないと考えられる。
Q. マグニフィセント・セブンの今後についてどう見ていますか?
マグニフィセント・セブン(アップル、マイクロソフト、アルファベット、アマゾン、メタ、テスラ、NVIDIA)は、米国経済のみならず世界経済を牽引している主要テクノロジー企業だ。これらの企業が台頭してきたのはここ10〜15年の話だが、現在の産業構造や生活様式を考えると、今後も付加価値を生み出し続ける存在だと言える。
例えばテスラは、次の成長機会を常に模索している企業であり、EV(電気自動車)市場の拡大という長期トレンドの中で、中長期的な成長が見込める。
アップルについては、「腐ってもアップル」という言葉があるように、iPhoneの強い市場支配力に加え、サービス分野での収益化能力も高い。特に端末でのAI活用など、新たな技術を収益化する能力は非常に優れている。
このようなマグニフィセント・セブンの企業は、一時的な流行の銘柄ではなく、グローバルに事業展開し、世界中の人々の生活や経済に深く入り込んでいる。そのため、短期的な調整はあっても、長期的には成長を続ける可能性が高い。
Q. 大統領選はアメリカ経済にどのような影響を与えますか?
大統領選はアメリカ経済に大きな影響を与える要素だが、興味深いことに、過去15回の大統領選挙年における米国株のパフォーマンスを見ると、マイナスになったことは一度もない。これは「アメリカ株に投資するならいつでも良い」という見方を裏付けるものだ。
アメリカ経済の強さは、その人口動態にも支えられている。アメリカは先進国の中でも数少ない、今後数十年にわたって人口増加が見込まれている国だ。人口が増えれば経済規模も拡大するため、長期的な成長トレンドは上向きだと言える。
多少の循環はあるものの、アメリカ株は長期保有すればするほど、投資としての有効性が高まる傾向がある。「アメリカは強し」という言葉に尽きる状況だ。
Q. どの株価指数に注目すべきですか?
アメリカの株価指数としては、主に3つの指数が重要だ。ニューヨークダウ工業株30種平均(ダウ)、ナスダック総合指数、S&P500だ。それぞれに特徴があり、どれか一つをもって「アメリカ市場」と言い切ることはできない。
ダウは伝統的な産業・企業が中心、ナスダックはテクノロジー企業が中心、S&P500は幅広い業種の大企業500社で構成されている。基本的には同じような動きをするが、局面によって異なる動きを見せることもある。
最近では、マグニフィセント・セブンのような大型テクノロジー株の影響力が強いため、それらの銘柄の比率が高いS&P500やナスダックの動向が注目されている。
投資する際には、これらの指数の特性を理解した上で、自分の投資スタイルや目的に合った指数や銘柄を選ぶことが重要だ。