PIVOT TALK FOOTBALL
ラ・リーガ展望24-25シーズン
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2024年8月25日

スーパースターのエムバペを加えたレアルは連覇するのか。対抗するバルセロナ、アトレティコに勝機はあるのか?スペイン在住サッカージャーナリストの小沢一郎氏とスポーツライターの木崎伸也氏に「今シーズンのラ・リーガの展望」を聞いた。 <ゲスト> 小澤一郎|サッカージャーナリスト 1977年京都府生まれ。早...
2024-25ラリーガ展望:エンバペの移籍がもたらす銀河系2.0、若き才能の躍進
スペインへ移住した小澤一郎氏にラリーガの最新情報を聞く。今季のラリーガはエンバペのレアル・マドリード移籍で世界中が注目する中、「銀河系2.0」の誕生、バルセロナの若き才能の躍進、アトレティコ・マドリードの大型補強など、見どころが満載だ。日本人選手の活躍も期待される。
Q. 今季のラリーガの最大の注目点は?
キリアン・エンバペがパリ・サンジェルマンからレアル・マドリードへ移籍したことが最大の注目点だ。世界中がエンバペを中心としたレアル・マドリードを注目している。ミクロな視点ではレアル・マドリードの連覇があるか、マクロな視点では他チームがエンバペ擁するレアル・マドリードをどう止めるかが焦点となる。
レアル・マドリードはエンバペ加入により、2000年代初頭の「銀河系軍団」を彷彿とさせる超豪華メンバーとなった。エンバペ、ヴィニシウス、ロドリゴ、ベリンガムといった世界最高峰の選手たちをどうバランス良く起用するかが鍵となる。
エンバペのマドリード移籍は大きな話題を呼び、入団会見日にはオフィシャルストアでエンバペのユニフォームが1日で7000枚以上も売れたという。これほどのスター選手の獲得は、最も分かりやすく成功する補強策と言える。
Q. 今季の優勝候補は?
本命はレアル・マドリード、対抗はバルセロナ、そして大穴としてアトレティコ・マドリードという3強の構図になりそうだ。
バルセロナは若手選手がレアル・マドリードに対抗できるレベルにまで成長できるかが鍵となる。現時点では主力選手の怪我が多く、アラウホ、フレンキー・デ・ヨング、ガビなどがまだ復帰していない。また、ラミン・ヤマルをはじめとする17歳の選手が3名もスタメンを務めるなど若返りが進んでいるが、シーズンを通じて精神的・体力的に戦い抜けるかが課題だ。
アトレティコ・マドリードは大型補強を行い、特に攻撃陣が充実した。ビジャレアルからセル・ロートを獲得し、マンチェスター・シティからフリアン・アルバレスも加入した。しかし、ディフェンスラインは選手層が薄く、センターバックのスピード不足、ゴールキーパーのオブラクの衰えなど不安要素もある。
Q. レアル・マドリードのフォーメーションと戦術は?
レアル・マドリードは基本的に4-3-3のシステムだが、今季は4-2-3-1気味の形で戦うことが予想される。ベリンガムをトップ下に置き、エンバペ、ヴィニシウス、ロドリゴという3トップを維持する意図が見られる。
守備陣は昨シーズンと変わらず、ミリトン、リュディガー、カルバハル、メンディが安定感を提供する。ただし、ナチョのサウジアラビア移籍により、センターバックの層の薄さは若干の不安材料だ。
中盤はバルベルデを中心に、トーニ・クロースの抜けた穴をどう埋めるかが課題となる。クロースは相手が引いた守備に対して、サイドチェンジの精度の高いロングパスを出せる選手だった。その代役をアンチェロッティ監督がどう見つけるかが焦点となる。
ベンチの選手層も厚く、モドリッチ、カマビンガ、アルダ・ギュレル、エンドリック、ブライム・ディアスなど、試合の流れを変えられる選手が控えている。ギュレルは特に注目選手で、昨シーズンも限られた出場時間で6ゴールを決めており、今季の活躍が期待される。
Q. エンバペとベリンガムの関係性は?
エンバペの適応の仕方が非常に評価されている。入団会見でもはっきりと「自分がレアル・マドリードという偉大なクラブに来たのだから、合わせるのは自分」と謙虚に述べていた。
プレシーズンでほぼ一緒にプレーできなかった中、開幕戦でベリンガムの指示をしっかり聞き、チームに合わせようとする姿勢を見せている。エンバペほどのスター選手でも、レアル・マドリードというクラブの偉大さを理解し、クラブに対して敬意を持っていることが伺える。
Q. レアル・マドリードの守備の課題は?
エンバペとヴィニシウスは基本的に守備をせず、攻撃に専念することが求められている。アンチェロッティ監督は両選手に対して「守備をしなくていい、攻撃に専念しなさい」と指示を出しているようだ。
守備時にはベリンガムが左に流れて4-4-2の守備ブロックを形成し、エンバペとヴィニシウスは前線に残る。そのため、相手はサイドバックにボールを出しやすくなり、中盤と最終ラインの9人で守る必要がある。
しかし、この戦術にはメリットもある。エンバペとヴィニシウスを前線に残しておくことで、ボール奪取時に素早いカウンター攻撃を仕掛けられる。2人ともスピードと決定力があるため、少ない人数でも効果的な攻撃が可能になる。
Q. バルセロナの戦術と注目選手は?
バルセロナは今季から監督がチャビからハンジ・フリックに変わり、システムも変化している。従来のバルサらしい4-3-3から、ツーボランチにトップ下を置く形へと変わりつつある。
攻撃面では、ウイングの幅を使ったサイドアタックは継続しつつも、ヤマルやラフィーニャなどがカットインしてくる動きを取り入れている。フリック監督の下では、よりテンポ良く縦に早い攻撃を展開する傾向があり、チャビ時代のゆったりとしたボール回しから変化している。
注目選手は17歳のラミン・ヤマルだ。ユーロ2024でスペイン代表の主力として活躍し、17歳ながら世界に名を轟かせた。今季はメッシの後継者として大きな期待を背負っている。
また、中盤の17歳のマルク・ベルナルも注目選手の一人だ。左利きのボランチで、プレシーズンで印象的なパフォーマンスを見せ、フリック監督のお気に入りとなっている。バルセロナらしく、状況判断に優れた現代的な中盤のプレーヤーだ。
Q. アトレティコ・マドリードはどう変わる?
アトレティコ・マドリードは今季、システムが3-4-2-1をベースとする形に変わりそうだ。フリアン・アルバレスが加入し、グリーズマンとのツートップ下にセル・ロートを置く攻撃的な布陣となっている。
シメオネ監督は14年目のシーズンを迎え、これまでの守備的なカウンターサッカーから、よりボールを保持しながら敵陣に押し込んでいく攻撃的なサッカーへと変貌を遂げようとしている。
注目選手はフリアン・アルバレスだ。マンチェスター・シティから大型移籍した彼は、年間20ゴール以上を期待できる選手。中盤の中央でライン間のスペースを受ける能力に優れ、グリーズマンとのコンビネーションも期待される。
Q. 久保建英選手の今季の見通しは?
リバプールへの移籍報道があったが、レアル・ソシエダは久保抜きでは考えられないというスタンスを貫いている。今季はレアル・ソシエダでの最後のシーズンになる可能性が高く、今後はプレミアリーグなど他リーグへの移籍も視野に入れていると見られる。
現在はラリーガでも警戒される選手となっており、開幕戦でも相手に常時2人がマークに付き、カットインするコースを消されていた。チームとしても久保頼みの攻撃になりがちで、サポートが少ない中でのプレーを強いられている。
また、久保の弟もレアル・ソシエダのアカデミーで有望株として注目されており、家族の事情も含めて今季は残留する可能性が高いと見られる。
Q. 浅野拓磨選手への期待は?
マジョルカに移籍した浅野選手は、開幕戦でもレギュラーとして出場しており、大きな期待を集めている。プレシーズンでも浅野のスピードと動きの質の高さが光っており、背後への抜け出しのアクションが効果的だった。
マジョルカにはダルデルという中長距離のフィードが優れた選手がおり、浅野のスピードと相性が良い。また、ターゲットマンとしてムリキという大柄のフォワードがいるため、浅野がその周囲のスペースを活かして裏を取る攻撃パターンが確立されつつある。
新監督のアラサテは攻撃的なサッカーを好み、浅野のスピードを活かした戦術を取り入れている。浅野のスピードは相手ディフェンスを驚かせる武器になり得るため、今季は十分に2桁得点も狙える可能性がある。