TOP TALK
スキマバイトで3.9兆円市場を獲る【タイミー代表 小川嶺】
(79)
6,689回視聴
2024年8月23日

タクシーという半プライベート空間を舞台に、PIVOT MC陣が企業トップへ独占インタビュー。普段とは違う環境の中で「会社の変革」「新サービスの開始」「新社長誕生」など、経営者の生の声を引き出す。 <ゲスト> ・タイミー代表 小川嶺 1997年4月13日生まれ。2017年8月にアパレル関連事業の株式...
スキマバイトで3.9兆円市場を獲る【タイミー代表 小川嶺】
日本のスポットワーク市場を開拓し、新しい働き方を提案する「タイミー」。この革新的なサービスが、日本の労働市場にどのような変化をもたらし、今後どう発展していくのか。タイミー代表の小川嶺氏に話を聞いた。
Q. タイミーはどのような課題を解決するサービスですか?
日本では人手不足が深刻化する中、従来型の求人や派遣といった人材確保の手段だけでは企業のニーズに応えきれなくなっています。タイミーは、その日だけ働きたい人と人手を必要とする企業をマッチングするスポットワークのプラットフォームとして生まれました。
現在の主要顧客は物流・飲食・小売りで、売上の約9割を占めています。これらの業界だけでも推計3.9兆円という大きな市場があります。今後はホテル業界、介護、保育、製造業、イベントなど様々な業種へ広がりを見せています。
タイミーが従来の求人サービスと大きく異なる点は、企業と働き手の双方を評価する仕組みを持っていることです。これにより、いわゆる「ブラックバイト」は自然と淘汰される健全な労働環境が実現しています。働き手は30店舗からの良い評価や無遅刻無欠席の実績が信用スコアとなり、より良い条件のオファーにつながる仕組みです。
Q. タイミーの利用者層はどのように変化していますか?
当初は若い世代を中心にサービスが広がりましたが、現在は40代以上の利用者が半数を占めるまでに変化しています。これはTikTokのように、若い世代から始まったサービスが優れた価値を持っていれば、幅広い年代に受け入れられることを示しています。
タイミーが提供する価値は年齢を問わず魅力的で、特に多様な働き方を求める人々にとって重要なツールとなっています。自由に働きたい、趣味の時間を確保したい、あるいは追加収入を得たいといった様々なニーズに応えています。
Q. 「タイミーキャリアプラス」とはどのようなサービスですか?
「タイミーキャリアプラス」は、「働く」を通じて人生の可能性を広げるという思想のもと立ち上げたサービスです。アルバイトだけでなく、正社員への道も提供することで、キャリアの選択肢を増やすことを目指しています。
タイミーで働いて良い評価を得た人は、その実績が信用スコアとなります。例えば、30店舗から良い評価を得て、無遅刻無欠席の記録を持つ人材は、企業にとって非常に魅力的です。しかし、学歴や経歴に自信がなく、正社員になる一歩を踏み出せない人も少なくありません。
タイミーキャリアプラスでは、そういった方々にキャリアアドバイザーがついて伴走し、「あなたならできる」と背中を押します。タイミーでの実績という客観的な評価があれば、正社員への道が開けるというわけです。
これは、日本社会が抱える「非正規から正規へ」というテーマにも貢献するものです。正社員になりたい人はなれる、派遣で働きたい人は派遣で働く、非正規で自分の趣味に時間を使いたい人は非正規で働く—それぞれの選択を支えるインフラを提供することが重要だと考えています。
Q. 労働市場におけるタイミーの役割をどう捉えていますか?
タイミーは単なるマッチングサービスではなく、日本の労働市場の構造的な課題に取り組んでいると考えています。過去20年ほどの日本では、正規社員と非正規社員の間に大きな格差が生まれ、あたかも身分制度のように行き来が難しくなっていました。
タイミーは、この概念を打ち破り、公平に評価される仕組みを提供しています。タイミーでの勤務実績という客観的な評価があれば、正社員への道も開けます。同時に、非正規雇用を選択する人々の多様な働き方も尊重しています。
また、企業の売上向上にも貢献しています。人手が足りない時にタイミーを利用することで企業の生産性が高まり、それが賃金の向上にもつながるという好循環を生み出すことを目指しています。
Q. 今後の展開についてどのようなビジョンを持っていますか?
まず、競合が増えてきている中でも、圧倒的なナンバーワンであり続けることを目指しています。そのために、ユーザー体験の向上と新たなサービス展開を進めていきます。
現在は1日単位の働き方が中心ですが、将来的には3日連続で働ける、夏休み期間中連続で働けるなど、より多様な働き方を提供していきたいと考えています。また、業種の拡大も進め、街中で働きたいと思った時に自分の好きな形で働ける世界を作ることを目指しています。
さらに、キャリア支援や転職支援サービスの強化も進めています。タイミーで蓄積された勤務実績というデータは、従来の履歴書にはない価値を持っています。このデータを活用して、より多くの人の可能性を広げるサービスを展開していきます。
また、C2C(個人間取引)への展開も視野に入れています。例えば、家事代行や草むしり、麻雀の相手など、個人が個人に依頼できるサービスもタイミーのプラットフォームで安心して利用できるようになれば、さらに多様な働き方が実現します。
海外展開については、日本と同様に出生率の低下や人手不足が課題となっている国々がターゲットになると考えています。アジア圏を中心に、すでに類似サービスを展開している企業とのアライアンスやM&Aなども選択肢として検討しています。
Q. 日本の働き方改革においてタイミーが果たす役割は?
スポットワークという新しい働き方が生まれ、「隙間バイト」といった言葉も出てきている中で、それが社会にとって良いものかどうかという議論があります。リーディングカンパニーとして、ルール作りや思想作りを担う責任があると考えています。
具体的には、スポットワークが単なる低賃金労働の温床にならないよう、適正な評価システムを構築し、働き手のスキルアップやキャリアパスにつながる仕組みを提供しています。タイミーを通じて人生が変わったという人をより多く生み出すことが目標です。
また、従来の求人サービスや派遣会社の一部を代替する役割も果たしています。実際に、タイミーを使っている店舗の中には「求人バイトの募集をやめました」という店舗も出てきています。タイミーで来てくれた良い人材をそのまま採用できるため、採用コストの削減になるというメリットがあるからです。
タイミーが目指すのは、個人が自分のライフスタイルに合わせて働き方を選べる社会です。そして、その選択が適正に評価され、次のステップにつながる仕組みを提供することで、日本の労働市場をより柔軟で活力のあるものに変えていきたいと考えています。