業界超分析
【業界超分析:ゲームBIG5】年収・働き方/8000万円も夢じゃない
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2024年8月11日

人気業界と、そのトップ企業をよく知る専門家が、元社員と共に徹底分析していく。今回は「ゲームBIG5」。後編では年収・働き方を解説。 <ゲスト> 中山淳雄 エンタメ社会学者 / Re entertainment 代表 椎野真光 セガ出身 / SHAKE Entertainment 代表 大澤陽樹 O...
ゲーム業界の年収事情は?大手5社を徹底比較
近年、急速に発展しているゲーム業界。かつては「やりがい搾取」と揶揄されることもあったこの業界も、今では高収入が期待できる分野として注目を集めている。特に大手企業では開発者の取り合いが激化し、年収水準も大きく上昇している。今回は業界BIG5の年収データと働き方について分析していく。
Q.ゲーム業界大手5社の平均年収は?
トップアーに投稿されたデータによると、バンダイナムコが704万円でトップに立っている。IP保有者としての強みを活かし、利益率も非常に高い。続いてセガが605万円、カプコンが516万円、スクウェア・エニックスが585万円、コナミデジタルエンターテインメントが550万円となっている。
ただし、カプコンについては過去3年ほどで平均年収が約30%上昇しており、データが古い可能性がある。現在は650〜660万円程度まで上がっているとみられる。特に開発職種の年収上昇が顕著で、1000万円超えの社員が全社員の12%を占めるまでになっている。これは数年前の3%から大きく伸びた数字だ。
Q.職種によって年収に差はあるのか?
ゲーム業界では職種による年収格差が非常に大きい。特に開発部門は幅が広く、同じ会社内でも400万円から2000〜3000万円まで差がある。一部の大手企業のトップクリエイターともなると、7〜8000万円の年収を得ているケースもある。
一方で事業側のメンバーは、比較的平均的な年収帯に収まっている傾向がある。バンダイナムコの平均年収が高いのは、事業系のメンバーが多いことも影響している可能性がある。
Q.若手の成長環境はどうなっている?
組織文化のスコアを見ると、各社で特徴が分かれる。バンダイナムコは「オールラウンド型」で、ほぼ全ての項目で高評価を得ている。唯一「人材の長期育成」が2.9点だが、これも日本平均の2.7点より高い。
カプコンは「風通しの良さ」が3点を下回り、「トップダウン」「一族系」「体育会系」といったキーワードがよく出てくる。セガは「自由」という言葉が多く、風通しの良さや社員の相互尊重の評価が高い。
コナミデジタルエンターテインメントは「風通しの良さ」が2.6点と5社中最低で、「20代の成長環境」も低い。一方で「法令遵守意識」は4.9点と非常に高く、「統制が取れている」「真面目」「保守的」「落ち着いている」といった評価が目立つ。
スクウェア・エニックスは「法令遵守意識」と「社員の士気」が高いが、その他の項目は低めで、特に「20代成長環境」「人材長期育成」「待遇面の満足度」「人事評価の適正感」が低い。
Q.働きやすさと働きがいのバランスは?
組織文化、働きがい、働きやすさの3軸で企業を分類すると、次のようになる:
1. バンダイナムコ:「高循環企業」- 働きがい、働きやすさ、組織文化のすべてが高い
2. スクウェア・エニックス、コナミデジタルエンターテインメント:「組織足かせ型」- 働きがい、働きやすさは高いが、組織文化に課題
3. セガ:「活力企業」- 組織文化と働きがいは高いが、働きやすさはやや平均以下
4. カプコン:「ブラック懸念」- 組織文化と働きやすさに課題があるが、働きがいは高い
業界全体としては、働きがいがどの企業も平均以上で、ゲーム好きな人が多く、やりたいことができていることが大きい。働きやすさは、クリエイティブ業界としては意外に高めで、特にバンダイナムコとセガで改善が見られる。
Q.ゲーム業界のキャリアパスはどうなっている?
ゲーム業界では、近年「年功序列」的な要素が薄れつつある。バンダイナムコでは若手でも裁量権があり、カプコンも実力次第で若手が評価される傾向にある。コナミも30歳で執行役員になるケースがあるなど、抜擢人事が目立つ。
一方、セガは年功序列が一定程度残っており、スクウェア・エニックスも同様の傾向がある。ただし、業界全体としては実力主義の流れが強まっており、特に開発者の取り合いが激しくなる中で、年齢に関わらず能力のある人材が評価される傾向が強まっている。
Q.ゲーム業界の開発者になるにはどうすればいい?
ゲーム開発者になるためには、まず圧倒的なゲームプレイ経験が重要になる。多くのゲームをプレイすることで引き出しが増え、良いゲーム制作のアイデアにつながる。面接では「今まで人生の中でどのゲームに一番時間を費やしましたか」といった質問もあり、応募者が作りたいゲームの傾向や創造性を見ることができる。
開発職では学歴はほぼ関係なく、どれだけゲームをプレイし、どんなゲームを作りたいかという考え方や情熱が重視される。一方、プロデューサーなどになるには、コミュニケーション力やさまざまな人との関わりの幅が問われる。
Q.ゲーム業界の男女比は?
ゲーム業界、特に開発部門は男性が圧倒的に多く、「軍隊のような」環境とも表現される。開発部門では95%程度が男性で、一部デザイナーに女性がいる程度という状況だ。
これはコアなゲームをプレイする層が男性中心であり、そこからゲーム制作者になるケースが多いためだ。事業部門では女性比率が高まっており、ユーザーとしての女性の視点を取り入れる動きも進んでいる。実際、コアゲームにおける女性ユーザーの比率は2〜3割程度存在する。
バンダイナムコグループでは女性管理職比率が20%を超えるなど、業界内でもダイバーシティ推進に力を入れている企業もある。バンダイナムコエンターテインメントの社長は40代の女性であり、トップ層での女性登用も進んでいる。
Q.日本のゲーム会社は海外と比べてどうなのか?
世界のゲーム市場は30兆円規模まで成長し、日本はその約1割を占めている。2010年代に入り、日本のゲーム会社は海外市場を強く意識するようになった。カプコンの主要タイトルは売上の80〜90%が海外市場からのものだ。
一方で、日本と海外ではゲーム開発の手法が異なる。海外では複数のスタジオが分業し、モジュラー型で開発を進める傾向がある。対して日本はすり合わせ型の開発が主流で、単一カルチャーの中で尖ったIPを生み出す強みがある。
日本のゲーム会社は、グローバル開発よりも日本独自の文化から生まれる特殊性を活かした開発を続けることで、世界市場で一定の存在感を示している。