PIVOT TECH TREND
医療・健康の悩みに“秒”で回答
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2024年3月23日

話題のテック・新商品・新サービスをクイックにお届けする番組「PIVOT TECH TREND」。ヘルスケアアプリ「HELPO(ヘルポ)」を提供する、ヘルスケアテクノロジーズ大石 怜史CEOをお招きし、話を伺いました。 【SPONSORED】 <目次> 00:00 ダイジェスト 00:52 オープニ...
「ヘルポ」が切り開く、日本医療の未来――国民皆保険制度と60兆円問題への挑戦
日本の医療制度は「国民皆保険」という世界に誇るべき基盤を持つが、その恩恵の裏側で深刻な課題が浮上している。医療費の急速な高騰は、すでに年間45兆円を超え、2040年には60兆円台に達すると予測されており、このままでは国家財政の破綻すら懸念される状況である。病気になってから治療する「事後対応型」から、病気になる前に予防する「事前対応型」へと意識転換が迫られる中、ソフトバンクグループから生まれたヘルスケアアプリ「ヘルポ」がこの巨大な社会課題に挑んでいる。本稿では、ヘルポがもたらす革新と、それが描く日本医療の未来について、CEO大石玲司氏へのインタビューを基に探求する。
Q. ヘルポとは具体的にどのようなサービスか?
「ヘルポ」は「ヘルスケア・イン・ポケット」を略した名称であり、ユーザーの身体的・精神的な健康の悩みをワンストップで解決するアプリである。最大の特徴は、迅速性と包括性にある。オンライン診療はわずか5分で完結し、必要な医薬品は自宅へ直接配送される。また、体調に関する不安や医療機関の選び方など、どのような健康相談に対しても最短15秒という驚異的な速さで一次応答を行う。
具体例として、花粉症の場合、これまでは病院で長時間待つ必要があったが、ヘルポを利用すれば5分で診療を受け、薬が手元に届く。オンライン診療や健康相談だけでなく、OTC医薬品の購入やヘルスケア関連商品のEC機能も提供し、利用者の健康維持をあらゆる側面からサポートしている。
Q. なぜヘルポは日本の医療費問題の解決に不可欠か?
日本の皆保険制度は「フリーアクセス」を可能にし、いつでも医療を受けられる点で非常に優れている。しかし、この制度が逆に「病気になれば行けばよい」という国民の健康リテラシーの低さ、すなわち予防意識の欠如を生み出していると指摘されている。CEOの大石氏は、インドやロシア、ドバイなど海外での多様な事業経験から、医療費が高い海外の国民は高いヘルスケアリテラシーを持ち、自らの健康に積極的に向き合っている実態を把握していた。
このような状況は日本の医療費高騰に直結し、現在の45兆円の医療費は、国による年間20兆円弱の補填によって成り立っているのが現状である。2040年には60兆円に達すると予測される医療費を放置すれば、制度は確実に破綻する。この「負の遺産」を次世代に残さないため、国民一人ひとりが自助努力で健康維持に取り組む意識改革が必要であり、ヘルポはそのための具体的な解決策を提供するというわけである。
Q. 「未病」の段階での介入とは何か、どのような効果が期待できるか?
「未病」への介入とは、病気が顕在化する前の段階でリスクを察知し、先手を打ってアプローチする予防的医療の考え方である。ヘルポはこの介入型ソリューションをデータ活用によって実現する。アプリ内の「マイカルテ」機能では、ユーザーの健康診断データに加え、ウェアラブルデバイスから得られる日常の生体データを蓄積し、分析する仕組みがある。
これにより、個人の健康状態や将来のリスクを早期に把握し、例えばメタボリックシンドロームの兆候が見られるユーザーに対し、重症化して糖尿病や癌に至る前に、運動指導やサプリメント、漢方薬などの利用を含む具体的なアドバイスを提供する。このアプローチにより、医療費を増大させる重篤な疾患への進行を抑制し、一人ひとりの健康寿命を延ばす効果が期待できる。ヘルポは、予防から治療、そして健康維持までを一貫してサポートする「ポケットの中のホームドクター」を目指している。
Q. 企業や従業員にとってヘルポはどのような価値をもたらすのか?
ヘルポの導入は、企業と従業員双方に大きなメリットをもたらし、「健康経営」を強力に推進するツールとなる。企業側は、従業員の健康状態が改善されることで、長期的に医療費の負担を削減できる。また、テレワークの普及により増えるメンタルヘルスの課題に対しても有効な解決策を提供する。従業員はアプリを通じて匿名で身体的・精神的な悩みを相談でき、企業側に情報が知られることなく、専門家からのサポートを受けられる。これにより、従業員のエンゲージメント向上と生産性の維持・向上が期待される。
一方、従業員側にとっては、24時間365日、スマートフォンから手軽に健康相談やオンライン診療を利用できる点が最大の利点である。医師、看護師、薬剤師といった専門医療スタッフに加え、栄養士やアスレチックトレーナーなどもチームとして待機し、様々な健康課題に対応する。これにより、病院へ行く心理的・時間的ハードルが大幅に下がり、日頃からの健康管理がしやすくなることで、安心して仕事に取り組める環境が整備されるだろう。
Q. ヘルスケアDXにおける日本の現状と、独自の強みはどこにあるか?
健康をテクノロジーで革新する「ヘルスケアDX」は、GAFAMといった世界的なテックジャイアントも積極的に参入する巨大なトレンドである。しかし、AIやセンシング技術を活用した医療DXにおいては、日本は依然としてアメリカなどに遅れをとっているのが現状である。多くのグローバル企業がホームメディケーションの領域で革新的なサービスを展開しているが、日本ではオンライン診療の利用がまだ限られているのも事実である。
このような状況の中、日本が世界で優位に立てる独自の強みも存在する。一つは「漢方」に代表される、医療とヘルスケアの中間領域にある予防医学の知見である。もう一つは、日本が古くから培ってきた「きめ細やかな顧客サービス」である。ヘルポは、医療現場の知見とテクノロジーを融合し、この日本の強みを活かすことで、利用者一人ひとりのニーズに寄り添った質の高いヘルスケア体験を提供できると展望している。また、ソフトバンクグループが持つ膨大なユーザー接点(ID数)は、サービスを社会に広く浸透させる上での強力なアセットとなるだろう。
Q. ヘルポが描く社会の未来像はどのようなものか?
ヘルポが目指す究極の未来は、現在の皆保険制度と介護保険制度を持続可能な形で維持し、全ての国民が健康で幸福に暮らせる社会基盤を築き、それを次世代へと継承することである。この未来が実現すれば、誰もが常に自分の健康を管理し、病気になることを未然に防ぎ、健やかな生活を送り続けることが可能となるだろう。まるでGoogleマップがない時代の移動を想像できないように、「ヘルポなしでどうやって健康管理していたのか」と人々が感じるような、社会に不可欠なインフラとなることを目標としている。
ヘルポのテクノロジーはオンライン診療にとどまらず、将来的にはセンシング技術なども組み合わせることで、より幅広い層、例えばシニア世代にも対応できる医療・ヘルスケアの未来を切り開くと見込む。スマートフォン一つで、日本の社会全体が抱える医療費問題という大きな課題の解決と、より質の高い国民の健康を実現していく未来が、ヘルポによって描かれているのである。