MANAGEMENT SKILL SET
採用面接で見るべき5ポイント LINEヤフー会長・川邊健太郎(後編)
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2024年2月15日

働き方が多様化する中で「人材育成」「チームビルディング」などマネジメントにおける課題にも大きな変化が生まれつつある。そんな新時代のマネジメントにおいて必要なスキルセットをプロフェッショナルたちから学ぶ。今回のゲストはLINEヤフー会長の川邊健太郎氏
LINEヤフー会長が語る!優れたマネージャーになるための5つの秘訣
マネジメントスキルは現代のビジネスパーソンにとって必須のスキルセット。特に、人材育成や組織運営において重要な役割を果たします。今回は、LINEヤフー会長の川邊健太郎氏が実践する効果的なマネジメント手法について、Q&A形式でご紹介します。

Q. 1on1で最も意識すべきことは何ですか?
1on1は部下の能力を最大限に引き出すための重要な場です。川邊氏が意識しているのは以下のポイントです。
まず、質問の仕方が重要です。オープンクエスチョン(イエス・ノーでは答えられない質問)から始め、徐々に具体的なクローズドクエスチョンへと移行するのが効果的です。例えば「今年何をしようと思っていますか?」といった幅広い質問から始め、詳細を掘り下げていきます。
また、相手の言葉を「復唱」することも大切です。相手の曖昧な考えを整理して復唱することで、話を展開させやすくなります。
さらに、話の「チャンク」(抽象度のレベル)を上げ下げすることも効果的です。例えば、具体的な話から一度抽象的な視点に立ち返り、また別の具体的な話題に移るといった方法です。
最後に、1on1の終わりには「1ヶ月後にどうなっていたいか」という未来の姿を具体化させることが重要です。期限を設けることでリアリティが増し、行動に移しやすくなります。
Q. 採用面接では何を見るべきですか?
川邊氏は採用面接で以下の5つのポイントを重視しています。
1. 職歴
2. 直近3回の退職理由
3. 過去のトラックレコード(実績)
4. 過去の大失敗談
5. マネジメント経験とその工夫
特に重要なのは、失敗から学ぶ能力があるかどうかです。失敗談を聞き、そこから何を学び、どう結果につなげたかを確認します。これは意識して質問しないと相手から出てこない情報です。
また、可能であればリファレンスチェック(過去に一緒に働いた人からの評価)も行います。同じ業界の人であれば情報を得やすいでしょう。
ただし、川邊氏は「採用では人は分からない」とも語っています。これらのポイントはあくまで採用のミスマッチを減らすための工夫であり、実際に一緒に働いてみないと本当の相性は分からないということです。
Q. チームのダイバーシティをどう考えるべきですか?
チームのダイバーシティについて、川邊氏は組織のフェーズによって考え方を変えるべきだと指摘しています。
スタートアップの初期段階では、ある程度の同質性が高いチームでも良いでしょう。しかし、成長するにつれて徐々にダイバーシティを高めていくことが重要になります。
注目すべきは、川邊氏が「性別や年齢のダイバーシティよりも、経験のダイバーシティが重要」と強調している点です。異なる経験を持つ人材がいることで、多様なアイデアや意見が生まれ、組織に幅が出てきます。これが採用の醍醐味の一つといえるでしょう。
Q. 部下を叱る際に気をつけるべきことは何ですか?
部下を叱ることは難しいものですが、川邊氏はいくつかのポイントを挙げています。
まず、タイミングが重要です。叱るべきことがあった直後に行うべきで、時間が経ってからでは相手は「攻撃された」と感じるだけになってしまいます。
次に、叱り方のポイントとして、以下のステップを踏むことを推奨しています:
1. 相手の心の準備をさせる(「ちょっと厳しい話をするけどね」など)
2. 客観的な視点から伝える(「周りからこう見えていると思うよ」など)
3. 相手の気持ちを理解するよう促す(「どう思う?」と質問する)
4. 沈黙や間を共有する(考える時間を与える)
5. 愛を持って説得する(相手のパフォーマンス向上が目的であることを伝える)
また、褒めるときは公の場で、叱るときは個別に行うのが基本です。さらに、叱っている内容が「陰口」にならないよう注意することも大切です。
Q. 他者の力を引き出すスキルをどう磨けばいいですか?
川邊氏は他者の力を引き出すスキルについて、明石家さんまを参考にしているといいます。
さんまの特徴として、相手の話を「要約して復唱」する能力が挙げられます。相手の曖昧な考えをバシッと整理して復唱することで、話が展開しやすくなります。
また、話の「繋がり」を作る能力も重要です。一問一答で終わらせるのではなく、話題同士を関連付けて発展させていく手法は、コミュニケーションを深める上で非常に効果的です。
川邊氏は「人の力を引き出すスキルを学ぶなら、教科書を読むよりもさんまを見ろ」と言います。実際に実践して繰り返すことで、こうしたスキルは身についていくのです。
Q. マネージャーが避けるべき行動とは何ですか?
川邊氏はマネージャーが避けるべき行動として、以下のようなことを挙げています:
1. 夜中に指示を出す
2. 会議中に寝る(または寝たふりをする)
3. 若者文化についての表面的な理解を示す
特に夜中の指示は、部下のプライベートと仕事のバランスを崩してしまいます。誰にでもオン・オフの切り替えがあり、プライベートモードの時に無理に仕事モードを強いるべきではありません。
ただし、スタートアップなど組織のフェーズによっては柔軟な対応が必要な場合もあります。マネジメントとリーダーシップのバランスを考え、状況に応じた判断が求められるでしょう。
Q. 情報収集はどのように行うべきですか?
ビジネスにおいて最新の情報を得ることは非常に重要です。川邊氏は情報源として「本」と「人・状況」の両方を重視しています。
本については、川邊氏自身が「活字中毒」と言うほど読書家で、風呂の時間や移動中にオーディブルで聴くなど、常にインプットを欠かしません。
しかし、ビジネスにおいてより重要なのは「人」と「状況」からの情報だと言います。なぜなら、本や新聞に載る情報はすでに「決着がついた後」のものであり、最新の情報は「人の頭の中」か「現場の状況」にしかないからです。
例えば過疎地に行けば日本の未来の課題が見えてくるように、現場に行って状況を体感したり、面白いことを考えている人に直接会って話を聞いたりすることが、ビジネスにおいて役立つ情報収集法なのです。