
SusHi Tech Tokyo 2024って何だ?
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2023年12月25日
Video Podcast番組「PIVOT SESSION」。 東京都副知事 宮坂学氏に、「SusHi Tech Tokyo 2024が変える東京」をテーマに話を聞きました。 【SPONSORED】 <目次> ダイジェスト オープニング 東京都が進めるスタートア...
「SusHi Tech Tokyo 2024 Global Startup Program」の詳細はこちら
東京都が挑むスタートアップエコシステム:未来都市を創造するSusHi Tech Tokyo 2024
日本は「失われた30年」という経済停滞の時期を経てきた。この現状を打破し、再び成長軌道に乗るための鍵として、スタートアップエコシステムの構築が注目されている。革新的な企業を創出できなかったことが日米経済格差の一因と指摘され、スタートアップ育成は雇用創出や社会課題解決においても極めて重要な位置付けにある。そうした中、東京都は、国際的なスタートアップイベント「SusHi Tech Tokyo 2024」を通じて、東京を世界のイノベーションハブへと押し上げる壮大なビジョンを掲げている。
本稿では、東京都副知事である宮坂学氏の語りから、東京がスタートアップ支援に注力する理由、具体的な戦略、そして世界から注目される「SusHi Tech Tokyo 2024」の全貌を紐解く。
Q. 東京都が今、スタートアップ支援にこれほど力を入れる理由は何か?
過去30年間の日米株式市場の差は、GAFAMのような巨大スタートアップを生み出せたかどうかの差であるとの分析がある。日本経済の本格的な復活には、新たな成長企業を継続的に生み出す新陳代謝が不可欠だ。また、雇用の創出においても、創業10年未満の若い企業が最も多くの従業員を増やしている事実が示されており、スタートアップ支援は質の高い雇用を継続的に生む社会政策としても重要である。
新型コロナウイルス感染症のパンデミック時には、Uber Eatsのような配送サービスや医療プラットフォームのスタートアップが市民生活や医療現場を支えるなど、その社会貢献性が明確になった。
一方で東京は、GDP、美食、安全性といった多様な都市ランキングで世界トップクラスを誇りながら、スタートアップエコシステムのランキングでは15位にとどまる。このギャップこそが大きな成長余地であり、東京都がイノベーションを通じて東京のポテンシャルを最大限に引き出すために、本腰を入れてスタートアップ支援に取り組む根本的な理由だ。
Q. 東京のスタートアップエコシステムの現状をどのように捉え、改善するための具体的な取り組みは何か?
これまでの日本の行政では、スタートアップ育成を産業政策として積極的には推進してこなかった。これを改め、東京都は国と連携し、「スタートアップ数10倍」「ユニコーン企業数10倍」に加え、行政が主導的に関与できる「官民協働プロジェクト10倍」を「3つの10倍」目標として掲げている。この目標達成の司令塔として、専門部署がなかった都庁内に80人規模の「スタートアップ国際金融都市戦略室」を新設した。また、学生や女性を中心とした若者の起業を促すビジネスアイデアコンテストを拡充し、約3000人の応募、その半数以上が学生・女性という成果を得た。
行政の課題をスタートアップの技術で解決する官民協働プロジェクト「アップグレードビズ東京」も推進されており、これまでに33回開催し35件のプロジェクトを実証・採用。行政がスタートアップにとって最初の顧客となり、実績を積む機会を提供している。
さらに、都内各地に分散するエコシステム(AIの文京区、フィンテックの大手町など)を繋ぐ象徴的なハブとして、有楽町に「Tokyo Innovation Base (TIB)」を設立した。TIBは国内外、地域との連携を促進する中立的な交流拠点として機能し、大学やVCなど30以上の主体が運営に参加。行政に関連するテーマであればイベントスペースを無料で利用可能とし、オープンな活動を促している。
Q. 5月に開催される「SusHi Tech Tokyo 2024」は、前身イベントからどのように進化したか?
昨年2月に開催された「City Tech Tokyo」は、全編英語開催ながら、世界60カ国から2万6000人が参加、出展スタートアップの3分の2が海外という大きな成功を収めた。この成功と、予想以上の海外からの反響を受け、イベントをさらに拡大し、「SusHi Tech Tokyo 2024」としてリブランディングした。
名称は「Sustainable High City Tech Tokyo」の略であり、一見「寿司」を連想させるユニークな響きだが、海外でのプロモーションでは「東京らしさがあり、覚えやすい」と大好評だという。これは前身の「City Tech Tokyo」が汎用的な名称で東京らしさに欠けるとの反省から、フランスの「VivaTech」のように強い個性を打ち出したブランディング戦略の成果と言える。
今回のイベントは、以下の3つのプログラムで構成される。1. テクノロジーを軸に持続可能な都市創造を議論する「グローバルスタートアッププログラム」。2. 世界の都市の首長が集い政策を議論する「シティリーダーズプログラム」。3. 都民向けに都市の未来を体感してもらう「ショーケースプログラム」。これにより専門家だけでなく、市民まで広く巻き込み、グローバルスタートアッププログラムだけで4万人、全プログラム合計で50万人の動員という野心的な目標を掲げ、アジア最大級のイベントを目指している。
Q. 他の都市イベントとは異なる、「SusHi Tech Tokyo」ならではの独自コンテンツは何か?
「SusHi Tech Tokyo 2024」では、単なる技術展示や商談会にとどまらない、行政主導だからこそ実現できるユニークなコンテンツを複数展開する。
第一に、気候危機や貧困といった「都市の未来」に関わる骨太なテーマのセッションを充実させ、社会課題解決に焦点を当てた議論を深める。第二に、イベント企画段階から未来の当事者である大学生を積極的に巻き込む。ボランティアスタッフとしてではなく、企画の上流から彼らの視点を取り入れることで、より本質的で未来志向の議論を促す方針だ。
第三に、世界各国の市長や知事が、自らの都市が抱える具体的な課題をスタートアップに向けて直接プレゼンする「リバースピッチ」を初めて実施する。これにより、課題を持つ行政と解決技術を持つスタートアップとの間で、具体的なマッチングと実証実験への繋がりを創出。日本のスタートアップが海外市場へ進出する貴重な機会となる。最後に、スタートアップ、世界の首長、一般市民という多様な参加者が、各プログラムを「クロスユース」する仕組みを推奨。これにより予期せぬ交流や新たな協業が生まれることを期待しており、フランスの「VivaTech」における子供向けデモデイのように、未来の起業家を育むための長期的な視点での仕掛けも検討されている。
Q. このグローバルイベントは、東京そして日本全体にどのような未来をもたらすことを目指すのか?
「SusHi Tech Tokyo」が目指すのは、単年度のイベントに終わることではない。宮坂副知事の描く最終目標は、「毎年5月は東京へ」が世界のスタートアップ関係者や都市政策担当者の共通認識となることである。東京にとって気候が最も良い5月に固定することで、国際的な定番イベントとして定着させ、アジアを代表する一大プラットフォームへと発展させる。これにより、東京が世界のイノベーションにおける重要なハブとしての地位を確立できると考える。
さらに、このイベントは東京だけの恩恵にとどまらず、日本全体のゲートウェイとしての役割も担う。日本全国のスタートアップエコシステムが「SusHi Tech Tokyo」を通じて世界と繋がり、交流を深める機会を提供する。イベント開催を契機に、本体の前後に各地域や企業が独自にパートナーイベントを開催する動きを促し、海外からの訪問者が日本各地のイノベーションエコシステムを広く体験できるような循環を生み出す狙いだ。このように、東京は首都として、全国のスタートアップを世界に発信する拠点となり、国全体の成長に貢献していく壮大なビジョンを掲げる。