& TALK
クラウドカメラで店舗運営が劇的改善
(2)
344回視聴
2023年12月4日

Video Podcast番組「PIVOT SESSION」。 トリノ・ガーデン代表 中谷一郎氏に 「科学の力で解決するマネジメント法」について話を聞きました。 【SPONSORED】 <ゲスト> 中谷一郎/トリノ・ガーデン株式会社代表取締役社長 1982年生まれ。北九州市立大学卒業後、2005年...
マネジメントは科学で変わる。「見えないノウハウ」を可視化する新常識
多くの企業がマネジメントの課題に直面し、日々解決策を模索している。長らく個人の経験や勘、主観的な努力に頼りがちだったマネジメントだが、その不確実性に悩む声は少なくない。
しかし、科学的なアプローチでこれらの課題を解決できる可能性がある。人間の行動やプロセスの客観的な分析、そして最新テクノロジーを組み合わせることで、属人性を排除した高効率なマネジメントを実現する新常識とはどのようなものか。
Q. 現代のマネジメント課題は科学の力で解決できるのか?
マネジメントにまつわる悩みは尽きないが、その多くは科学の力で解決可能である。主観や勘に頼るのではなく、客観的なデータに基づき課題を特定し、その解決策を導き出すアプローチは、属人性を排した普遍的なマネジメントモデルを構築すると語られる。
特に限られた労働時間内で高い成果を出す現代において、業務プロセスの可視化は不可欠だ。データという揺るぎない土台の上に人間性を乗せるマネジメントは、効率的かつ持続可能な組織運営を実現するだろう。努力や根性論に終わらない、成果に直結するマネジメントが今求められている。
Q. オペレーション改善はどのようにビジネスの勝敗を分けるのか?
企業の成長速度は、目に見えないノウハウをいかに科学的に分析し、効率的な仕組みとして蓄積できるかで決まる。Amazonが倉庫業務で実践したように、単純な「物を運ぶ」動作一つを取り上げても、人間の「工夫・経験・勘・コツ」を形式知化するプロセスは、短期間で大きな組織成長をもたらす。
具体的な例として、右利きの人が全人口の88%から90%を占めるという事実は、物の配置や作業手順の設計に大きなヒントを与える。利き腕の違いや視線移動にかかるわずかな時間(0.082秒)を突き詰め、0.1秒単位で効率化を図ることで、その積み重ねが長期的に圧倒的な競争優位性、すなわちジャイアントキリングの源泉となる。
個人の身体的特性や行動様式を科学的に分析し、それに合わせて業務を設計することは、努力に依存しない生産性向上へと直結する。マクドナルドやトヨタもこのようなオペレーションの追求によって進化を遂げた企業だ。
Q. 店舗運営の隠れた課題をどのように発見するのか?
店舗運営には、ドリンクの残量、料理の提供速度、スタッフの目線といった、一見すると些細に思える要素が顧客体験を大きく左右する。これらをカメラ映像で捉え、2000〜3000項目にも及ぶデータを分析することで、サービスの隠れた伸びしろが明確になる。
例えば、スタッフがハンディターミナルを操作する際の視線の高さが2.5cm変わるだけで、有効視野が大きく変化し、客席への「気づき」の質が高まるという事実がある。これにより、個人の「気の利く」能力に依存する属人的なサービスではなく、誰でも優れたサービスを提供できる「仕組み」として質を均一に向上させるのだ。
さらに、店内のBGMも顧客体験に影響を及ぼす可能性がある。顧客が不快に感じるスタッフの「私語」が、実は音階のバランスが欠けたBGMによって従業員の声が不自然に響くことが原因であったりする。このように、人間観察から導き出される行動様式と、それに影響を与える物理的な環境を客観的に捉えることで、個人の努力では解決できない根本的な課題を発見し、効果的な解決策を見つけることが可能になる。
Q. 「努力に逃げない」マネージャーは具体的にどうすればよいのか?
労働時間が制約される現代において、「努力さえすればいい」という精神論は通用しない。重要なのは、同じ時間の中でも工夫を凝らし、成果を最大化するマネジメント思考である。
多くのマネージャーは日々の緊急かつ重要な業務に追われ、その時間の約9割を費やすと言われる。目の前の課題解決に奔走する「モグラ叩き」状態では、組織としての持続的な成長は望めない。
一方、高い成果を出すマネージャーは、緊急ではないが重要な業務、例えば将来の問題を防ぐための仕組み作りや、メンバーとの関係性構築に意識的に時間を割いている。目先の「タスク」処理に囚われず、組織全体の「レバレッジポイント」に注力することが、「努力に逃げない」マネージャーの鍵となる。
Q. コミュニケーションの壁を乗り越え、組織に信頼を築く方法とは?
組織内で指示や情報が正確に伝わらないことは多々ある。最高レベルのコミュニケーターが集結した組織でも、社長の意図が末端のアルバイトに24%しか伝わらないというデータもあるのだ。
このコミュニケーションの限界を乗り越えるには、曖昧な指示を避け、具体的な行動を促す定量的な言葉遣いを徹底する必要がある。「もっとしっかりやれ」という漠然とした表現は避け、「一ヶ月に何回スタッフと会話する」という明確な数値目標を示すことが求められる。解釈の幅をなくすことで、組織全体の認識のズレを解消し、行動を統一させる。
また、映像データのような客観的な「事実」を共通言語として用いることは、情報の伝言ゲームによる劣化を防ぐ強力な手段となる。映像を基に現状を共有することで、各々の主観や解釈の介入を最小限に抑え、信頼性の高いコミュニケーションを実現するのだ。
Q. 映像データはマネージャーの行動をどのように変えるのか?
映像データを活用することで、マネージャーと現場スタッフ間のミーティングの質は劇的に向上する。塚田農場との共同プロジェクトの事例では、マネージャーがカメラ映像で現場を事前に把握した上でミーティングに臨むと、「今どうなっているか」といった状況確認のヒアリングが減り、「ここの動きが良かった」といった具体的なフィードバックが増加した。
特に重要なのは、映像を「監視」のためではなく、従業員の「成長」を可視化し、ポジティブな変化を伝えるツールとして使用することである。例えば、「あの時サボっていた」とネガティブな指摘をするのではなく、「以前よりもお客様に気づくのが早くなった」といった変化のプロセスに焦点を当てる。このような事実に基づいたフィードバックは、言葉が拙くとも、従業員に「褒められた」という実感を与え、結果的にエンゲージメントの向上や離職率の低下に繋がる。短期的な業績と、長期的な従業員の定着と育成、この二つを両立させるのが映像データの真価である。
マネージャー自身も、自らのマネジメントスキルを客観視することが重要だ。自身の会話をボイスレコーダーで録音し、「曖昧な表現はないか」「定量的な指示ができているか」を振り返る。クラウドカメラは過去の特定データへのアクセスが容易であるため、客観的証拠に基づいた行動変容を促す強力なツールとなり得るのだ。