
2022/11/18
読了目安2分
組織も個人もサステナブルに成長していくために、マネジャーが身につけたいのが「ヘルプシーキングスキル」。すなわち、「周囲に助けを求める力」です。

「マネジャーが周囲に助けを求めることは、実は簡単ではありません。その過程で、うまくいかなかったことを認め、さらけ出すことが必要になるからです。組織では上の階層にいくほど、失敗に対する心理的なハードルが高くなるため、マネジャーが孤独に悩みを抱えやすい状況が生まれてしまう。しかし、これは決して健全な状態ではありません」(ミドルマネジャーの課題に詳しいリクルートワークス研究所の筒井健太郎さん)

ヘルプシーキングスキルを磨くにはコツがあります。
特に重要なのが、マインドチェンジ。筒井さんのアドバイスから必要なステップを紹介します。
人は自分の弱さを隠すことに想像以上にエネルギーを使っていると言われています。
しかしながら、必要以上に弱さを隠す必要はありません。役職が上がったとしても、不完全な状態であるのが当たり前なのです。
Vulnerale、バルネラブルな(脆弱/傷つきやすい)存在であるということを認め、受け入れること。
「傷ついても、修復すればいい」というマインドセットが醸成できると、自分自身を自らケアすることに関心が向いてくるのではないでしょうか。

適時に、サポートを求めることができるネットワークをつくっておくことが大切です。
一般的にそうした声に応える支援のタイプとして、「道具的支援」「情報的支援」「情緒的支援」の3つがあります。

このうち「道具的支援」と「情報的支援」を求める行為は、「このリソース(情報)が足りないからサポートしてほしい」と具体的に提示することであり、日常の業務遂行でも必要なため、実践できているケースがほとんどです。
また、そうした支援を得るためのネットワークも自然と築けているのではないでしょうか。
しかし、圧倒的に不足する傾向にあるのが「情緒的支援」、感情面の支援を求めることであり、そうした支援を得るためのネットワークです。
「こういうことがあって、つらかった(苦しかった、葛藤した)」といった思いを伝えられる場をつくりましょう。
弱さを伴う感情を溜め込まないことが、メンタルケアになります。

社内では上司や部下はもちろん、ライバル関係になり得る同期に対してはなかなか吐露できない本音も、利害関係のない社外の第三者に対しては言いやすいという人も少なくありません。
社内だけでなく、社外のネットワークを広げ、時に外部人材のプロも頼るという選択肢を。この数年で参入が増えているコーチングサービスを活用するのも有効です。

「ミドルマネジャーが悩みを1人で抱え込みすぎずに、自分が起点となって、周りのサポートを得ながら日常のマネジメントに取り入れていく。そのための行動習慣と環境づくりを社会全体で盛り上げていくことが大切です。こうした取り組みを通じて、マネジャーの二重のケアの問題を解決していくことが、これからの日本の組織強化には不可欠です」(筒井さん)