
2022/09/08
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※このコンテンツは、エッグフォワード代表徳谷智史氏×メルカリCHRO木下達夫の映像コンテンツ「PIVOT TALK」を元にしています。
前編:https://youtu.be/K9XA-pr_BFo
後編:https://youtu.be/t1i7xs6ulno
未来から逆算することでうまくいくこともありますが、 HR領域は対人間の施策であるので、うまくいかないことももちろんあります。
私がメルカリに入社したタイミングは、外国籍の方をたくさん採用し始めたときでした。世界に通用するようなマーケットプレイスをつくるという事業戦略のためには、世界中から優秀なエンジニアを獲得してくる必要がありました。当然、世界的なマーケットプレイスを創ることに共感している人たちが集まってきますので、事業戦略との親和性は高いのです。
メルカリには、「Go Bold」というバリューがあります。何事も大胆にやってみようと。このバリューに則り、海外新卒を採るためにインド工科大学(IIT)を訪れ、50人ほどの人材を獲得することができました。
獲得できたのはいいものの、社内の英語化が整っていませんでした。まずは採用を優先していたため、オファーしてからのオンボーディングプロセスも改善が必要でした。
採用しながら運用を整えてはいきましたが、日本語ができない人が組織内に増えたとき、本当にうまくいくのかという懸念を示す声が社内に多々ありました。実際、短期間に多くの外国籍の方がお辞めになってしまって、定着に至りませんでした。
メルカリには様々な経験を積んだビジネスパーソンがおり、同じような経験を前職で経験している人もいました。その方には、「達夫さん、このままだと外国籍の方は定着していくことはないでしょう。早々に仕組みなど考え直したほうがいい」とはっきり言われました。「Go Bold」ではなく、「Too Bold」になってしまっていました。
しかし、経営陣の意志は固かったのです。「もちろん簡単にいかないのは分かっているが、自分たちのミッションのためには必要不可欠な採用だ」と。そこで、社内に向けて次のようなメッセージを発信しました。

「目先のためではなく中長期的に見て、世界中のエンジニアがメルカリで働ける組織を実現することで、事業をより成長させやすくなります。なにより、英語のスキルを持つことで、世界中で働くチャンスを得られます。そういった人材を目指しませんか?」
これに対して、社内は前向きに捉える人がたくさんいました。英語力が足りない人に向けて、英語の学習プログラムを作りました。積極的に受講した方は、短期間で非常に英語力が伸びました。一方、海外から日本に来る人に向けては、日本語の教育プログラムを実施。簡単な日本語ですが、1年ほどで日常会話ができるまでになりました。
その結果、社内の公用語を「やさしい英語」と「やさしい日本語」にすることになりました。世界的な企業になるためには、英語力を必須とすることも考えられましたが、メルカリではお互いに歩み寄ることを選択しました。
日本語ネイティブではない人も、英語ネイティブではない人もいる。しかし、同じソフトウエアエンジニアという仕事で、同じミッションに向かっているチームなので、歩み寄ることで意思疎通が図れます。

初めから完璧にすることは到底無理なことです。先ほどの英語話者の話で言うと、今までずっと日本語で会話してきたのに、明日から全て英語化するのは不可能です。
しかし、徐々に変化させることはできます。まずはエンジニア部門から、日本語で書かれた文書を英語で書いてみたり、オールハンズという会議を数回のうち1回英語でやってみたりしました。
今では、その会議の2回に1回は英語で行うようになりましたし、社内で英語話者採用について懸念を持つ人はいません。
この成功例を少しずつ他部署でも広げていく。粘り強く対話を続け、ステップ・バイ・ステップで変革させていき、着地を見極める。こういったチェンジマネジメントは非常に有効だと、再確認した事例でありました。
4話目では、経験を通して分かったCHROに必要な4要素を紹介します。