
【深井龍之介】なぜ反社会的な人間になるのか?
取材・構成/古澤誠一郎 撮影/竹井俊晴
日本を変えるイノベーターが仕事の軌跡と半生を語り尽くす新連載「マイヒストリー」。挑戦者たちの原点と未来のビジョンが明かされる。人気のポッドキャスト「歴史を面白く学ぶコテンラジオ」を配信するCOTENの深井龍之介CEOが、世界の未来と自分史を語り尽くす(全30話)。

失敗を経験しないと分からない
ブッダのようなレベルの天才は、何も経験しなくても物事の本質が分かるのかもしれません。
でも僕は派手な失敗を経験しなければ分かりませんでした。
そして失敗を通して自分と向き合った結果、「ああ、人間ってこういう仕組みでこうなってるんだな」と仮説が立てられるようになりました。
「自分みたいな反社会的な人間でも、それでも『人の役に立ちたい』という欲求がゼロじゃないんだな」というのも失敗の中から気付いたことです。

生まれた時から反社会的な人間はいない
「じゃあ何で自分は反社会的な人間だったんだろう?」と考えていくと、ホモ・サピエンスで赤ちゃんの時から反社会的な人間はいない。
それがなぜ反社会的になるかというと、やはり「社会に裏切られた」「自分は不遇だ」という感覚があったからだと思います。
そこで思考停止すると、人は何も変わりません。でも「不遇とは何か」「なぜ不遇なのか」とひたすら考えて、いろいろな経験をすると、やっぱり人は変わっていくんです。

だから僕は、「自分の家が貧乏ですごく良かったな」と今では思っています。
愛情を注いでくれた両親に感謝
また両親が「この子がこのまま育ったら将来ヤバい人間になるかもしれない」などと考えず、愛情だけを注ぎまくってのびのびと育ててくれたことに感謝しています。
だから僕は、将来のことを何も考えずにいろんな失敗ができました。

僕の両親が厳格だったら、新卒で入社した会社を辞めることも反対され、僕は今も同じ会社で働いていたかもしれません。
でも一切反対されなかったので、自分で考える力がついたし、主体的に行動する力が身につきました。
同級生は大事な存在だと気付いた
大人になってから、同窓会を積極的にしたくなったのは、「高校時代や大学時代を共に過ごした人って、この先の人生でその人数が増えることがないんだな。とても大事な存在だよな」と気付いたからです。
「あの時間を共にした人たちって今何してるんだろう?」と、シンプルに気になるフェーズが僕の中で来たんです。

今は「同級生のアイツはいま何をしているんだろう?」と自然に思いますし、「近況報告し合いたいな」という欲求が強まってきました。
「俺は今こんなことをしてるけど、君は何してるの?」とお互いのことを話し合いたいんです。
22歳から社会性を獲得した
これはものすごく普通の話だと思いますが、僕は普通の人が8歳ぐらいで身につける社会性を22歳ごろから身につけ始めたようです(笑)。
後天的スキルとして「同級生と話したい」という感情を身につけたんでしょう。

次回は、そうしたホモ・サピエンスの基本的特性が、この社会ではないがしろにされている、という話をします。
*本連載は2話ずつ毎日公開します。第28話に続く。