
【深井龍之介】社会に貢献すれば幸せになり、復讐すれば不幸になる
取材・構成/古澤誠一郎 撮影/竹井俊晴
日本を変えるイノベーターが仕事の軌跡と半生を語り尽くす新連載「マイヒストリー」。挑戦者たちの原点と未来のビジョンが明かされる。人気のポッドキャスト「歴史を面白く学ぶコテンラジオ」を配信するCOTENの深井龍之介CEOが、世界の未来と自分史を語り尽くす(全30話)。

社会貢献を志向するようになった
高校時代の同級生2人から、僕が社会に対してポジティブなメッセージを発するようになって驚いているという話がありました。その理由は、僕が社会貢献を志向するようになったからです。
社会貢献を志向するようになったのは「自己との向き合い」の結果です。結局のところ、僕がCOTENで行っていることも「自己との向き合い」だと思っています。

そして哲学などを勉強していると、「究極的にはすべての社会活動も自己との向き合いに包含できる」という感覚があります。
逃げると余計に不幸になる
自己との向き合いを徹底すると、どんな活動でも社会へ与える影響は大きくなるし、そこを疎かにすると何をやっても社会に影響を与えられない。要は自分が変わらない、というのが僕の実感です。
自己との向き合いからは超逃げたいですし、めんどくさいし、やりたくないです。でも、逃げると余計に不幸になることは分かっているので、逃げないことだけを決めています。

これまでの仕事でも自分と向き合う姿勢は持ってきましたが、今は「向き合うことが大切だ」と強く自覚をしながら仕事をしています。
起業したのも自己との向き合いのためだし、さまざまな社会活動をしているのも自己との向き合いです。
そしてCOTENの事業が社会貢献につながるものだとしても、それは究極的には自分のためにやっている感覚が僕にはあります。
社会貢献は人間の宿命
社会貢献というのは、ホモ・サピエンスとして逃れられない宿命だと思っています。
僕はホモ・サピエンスという種の動物で、その動物の本能として、「自分の属性を生かして、自分が仲間と感じるコミュニティーに貢献することに幸せを感じるDNA」を持っている。

そして、たまたま僕が仲間だと思う範囲が、大人になるにつれ少しずつ広がってきた。だから「社会貢献をしたい」と言い始めているわけです。
社会に復讐すると不幸になる
ホモ・サピエンスの基本的特性に抗うことは意味がないと思っています。
ホッキョクグマが寒いところにいるのが自然なのと同じ感覚で、「社会貢献をしたほうが種として幸せになりやすいよ」というのが僕の見解です。
逆に、社会に復讐しようとすると種の特性として絶対不幸になるのは、「ホッキョクグマが沖縄に連れていかれるとつらい」という話と一緒です。

ですが、そのことには、いろいろな失敗を経験しないと気付けませんでした。
僕は哲学的なことを考えるのがすごく好きで、学生の頃から「これは一体何でなんだろう?」と物事の本質についてずっと考えてきました。
そして頭で考え尽くしたうえで、さらに現実社会でいろいろな経験をしないと、考えが前には進まないということも理解しました。
*本連載は2話ずつ毎日公開します。明日の第27話に続く。