
【深井龍之介】「ポジティブモードになぜ変わった?」再び同級生の証言
取材・構成/古澤誠一郎 撮影/竹井俊晴
日本を変えるイノベーターが仕事の軌跡と半生を語り尽くす新連載「マイヒストリー」。挑戦者たちの原点と未来のビジョンが明かされる。人気のポッドキャスト「歴史を面白く学ぶコテンラジオ」を配信するCOTENの深井龍之介CEOが、世界の未来と自分史を語り尽くす(全30話)。

世界滅亡を考えていた僕の“成長”
高校時代は「どうやったら世界が滅びるか」を考えていたような僕が、社会人になり、中二病からは脱却しました。高校の同級生の岩田くん、稲垣くんは、僕の“成長”をどう見ているんでしょうか。
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「悩みの答えは歴史に全部ある」
岩田 まだCOTENを起業する前で、今から10年くらい前だったかな。リュウちゃんが「賢者は歴史から学び、愚者は経験から学ぶ」みたいな話を聞かせてくれたのを覚えてます。
僕は当時、地元でJリーグ入りを目指すサッカーチームの運営に関わっていて、いろんな悩みを抱えてたんだけど、それをリュウちゃんに話したら「でもそういう悩みの答えは歴史を見れば全部出てるんだよ。
だから悩みがある人はもっと歴史を勉強すればいいと思うんだよね」って教えてくれて。

「歴史ってそういう考え方もできるんだ」と当時は新鮮に思ってたんだけど、そのあとでCOTENを起業したと聞いて、「ああ、あのとき話してたことを事業にするんだ」って思った。
お金に対する執着はない
稲垣 最初にCOTENの起業と世界史データベースの話をされたときは、「それでご飯食べていけるの?」って驚いたけどね。
でも話を聞いてると、「この事業で成功して大金持ちになろう」みたいなお金への執着はホントにないんだなって。
岩田 「COTEN RADIO」がすごい人気になった後、「あのポッドキャストは経営戦略の一環で、ものすごいマネタイズのプランがあるんだろうな」と思って話を聞いたら、「まだ見えてない」って言ってたからね。
起業家として有名になっても何も変わってなくてすごく安心した(笑)。

「同窓会やろうよ!」と言うようになった
稲垣 同級生で集まっても「社長なんか死ぬほどしんどいよ」って話しかしてないもんね。
岩田 でも「あれ、リュウちゃん昔と変わったな」と思った時があって。あのリュウちゃんが、しきりに「同窓会やろうよ!」って言うようになったんだよね。
「昔の友達みんなに会いたい」とか「○○くんってしゃべったことなかったけど、今すごく話したいな」とか言ってて。
稲垣 同窓会があると積極的に参加して、そういう機会がない時期は「誰か企画してくれないかな」って言ってたよね。
あと同窓会って、仲がいい友達だけの内輪トークになりがちだけど、いろんな人とまんべんなくしゃべってたし。

岩田 しかも話している内容は、別に難しい話じゃなくて、ごく普通の地元の同級生との会話で、すごく楽しそうにしてるんだよね。それを見て「ああ、変わったな」って思った。
今もそのポジティブなモードは継続している気がする。
ポジティブなメッセージが新鮮
稲垣 COTEN RADIOを聞いてても、「自分の考えをポジティブな形で伝える力」がすごく高くなったなって思った。
COTEN RADIOの各テーマの最後に、どんな歴史からもポジティブな学びを引き出して伝えているのを聞いて、「変わったなぁ」って。
岩田 今年出版した『歴史思考』(ダイヤモンド社)を読んでも、冒頭で今の世の中で悩んでいる人たちに向けて、すごくポジティブなメッセージを書いてるのが新鮮で。
高校時代のネガティブ要素が強かった彼からしたら本当に信じられなくて、「あのリュウちゃんがこんなメッセージを! 人ってこんなに変わるんだ」って驚いたもん。読んでて少し笑っちゃった。

稲垣 そういうメッセージを発してるのも、何か戦略があるわけじゃないと思うんだよね。
たぶん、「自分が歴史の学びから救われた経験があるから、歴史に関する仕事をするのが今は楽しいし、それが結果として誰かの役に立てばいい」くらいの感じだと思う。
岩田 世界史データベースの事業も、まず単純に「自分が作りたい」というのがスタートにあるんだろうね。ビジネスとして壮大なことを先に考えていたとは思えない。
COTEN RADIOを聞いていても、「今はとにかく仕事が楽しいんだろうな」というのが伝わってくるよね。

*本連載は2話ずつ毎日公開します。第26話に続く。