
2022/09/16
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ここまでの話から分かるように、僕は社会人になってから失敗ばかりしています。
新卒で入社した会社では毎日怒られていましたし、コンサルタントとして独立して以降も派手な失敗ばかりです。
2社目のスタートアップは最終的に大きくなりましたが、途中で資金ショートを経験しています。

何度も修羅場をくぐったことで、「極限状態の人間がどう挙動するか」が分かるようになりました。
生活費がなくなるレベルの極限状態のとき、人間は「普段とは違うおかしな行動をする人」と「普段通りの行動を淡々と行える人」に分かれます。
僕は極限状態を何度も経験したことで、採用段階で「口だけの人」と「本当に腹が据わっていて仕事への覚悟ができている人」の違いが見抜けるようになりました。
その知見はCOTENを起業した後も生きています。

スタートアップは特にそうですが、会社の調子がいいときは部下もついてくるし、経営陣も肯定的に評価されます。20代の僕が40代の部下を持っている状態でも、部下から尊重され、信頼されます。
しかし、会社が傾き始めると、そうした評価や信頼の多くは崩れ去ります。失敗を数多く経験したことで、「いい時期だけついてくる人と悪い時期も一緒に頑張ってくれる人の違い」が嗅ぎ分けられるようになりました。
また、「本当に怒った人間がどうなるのか」も目の当たりにしました。
「怒りに震える」という言葉がありますが、お金を払えなくなった取引先の人は、本当にブルブルと震えながら怒っていました。

もちろん、申し訳ないという感情を持ちつつも、一方で相手の感情に巻き込まれず、自分を取り巻く状況を一歩引いたところからメタ認知して自分が何をすべきかを考えました。
支払いの期日にお金を支払えない。内定者の内定を取り消す。怒られて当たり前の状況を経験してきましたが、それでも「何とかする」しかありませんでした。
こういう言い方をすると無責任だと思われるかもしれませんが、僕はそうした人が壊れる寸前の状況を何度も経験したことで、「人間の本質」を知ることができました。
また、そうした極限状態の中で生きたのが、歴史を学んだ経験です。
最初の歴史の生かし方は非常に単純なもので、「過去の歴史を見れば、自分より悲惨な状態だった人はたくさんいる」という精神論的な励ましでした。

「ひどい状態だけど、僕よりひどい状態の人が過去にいるな」と分かれば、自分の状況を冷静に見られるようになり、頑張る気持ちが湧いてきます。そうやって自分を励ましでもしないと乗り切れない状況でした。
「諦めたらそこで終わる」ということと、「どれだけ絶望的な状況でも、トップに立つ人間が諦めなかったら何とかなる」ということを僕は歴史の事例を通して学びました。
どんな仕事も勝負も、最後はロジックではなく完全に意志の力で切り開かれます。
ただし、僕が言う「歴史思考」は、精神論的な励ましにとどまらないものです。
*本連載は2話ずつ毎日公開します。第22話に続く。