
【深井龍之介】大手電機メーカーに入社 尊敬できない上司の命令は聞かない
取材・構成/古澤誠一郎 撮影/竹井俊晴
日本を変えるイノベーターが仕事の軌跡と半生を語り尽くす新連載「マイヒストリー」。挑戦者たちの原点と未来のビジョンが明かされる。人気のポッドキャスト「歴史を面白く学ぶコテンラジオ」を配信するCOTENの深井龍之介CEOが、世界の未来と自分史を語り尽くす(全30話)。

言うことを一切聞かない入社員が爆誕
新卒で入社した大手電機メーカーでは半導体の部署を志望していましたが、配属されたのは経営企画部でした。
ここまで書いてきたように、僕は人の評価に興味がない人間です。そのため上司の評価にも、上司の考えていることにも、一切興味がありませんでした。
そして僕は尊敬できない人の言うことはまったく聞かないので、尊敬できない課長の命令を聞かない新入社員が爆誕したわけです。

そんな僕も、入社したときは「自分の力を生かして会社に貢献するには一体どうすべきか」を考えていました。
そこで入社3日目に飲みに連れて行ってくれた部長に、「この組織で求められることは何ですか?」と聞いてみたら、返ってきた答えが「気が利くことかな?」というものでした。
「は? 完全に意味が分からない」と思いました。

実際に会社では、そうしたフワッとした言葉で「お前も組織の文化を理解しろ」という指導をされました。
でも、そういう教え方は僕には機能しませんでした。そのため僕は組織の文化をまったく理解せず、上司の言うことを一切聞かない社員になっていきました。
毎日2時間キレられる
新人の僕がポンと任せられた仕事は、年間で150億円の売り上げがあるセクションの経営企画でした。何かミスが起これば大損害につながる仕事です。
僕の課では一つ上の先輩が40代だったので、僕は久しぶりの新人でした。
課長からすれば、「久しぶりに新人が入ってきたと思ったら、何も言うことを聞かないし、コミュニケーションの仕方も分かってない」と大迷惑だったでしょう。

課長からは毎日2時間「お前の態度はあり得ない」「人として終わっている」と否定され続け、「俺は課長だぞ!」「お前は何だったらできるんだ?」と何回もキレられました。
でも僕は「お前が課長だなんて知らねーよ。命令を聞かせたいなら、お前が尊敬できる人間になれよ」という感じでした。
何も分かっていない社会人だった
そうした雰囲気は態度にも表れていて、怒られている最中に耳かきをしたりしたので、「あり得ない! こいつは人前に出しちゃいけないヤツだ」という扱いになりました。
本当にその通りだと思います(笑)。僕は何も分かっていない社会人でしたね。

それでも僕は会社に2年間通い続けました。先輩からは「あれだけボロクソ言われているのに、よく毎朝会社に出てこられるな」と呆れられながら言われたものです。
ちなみに僕は、その会社の組織のあり方にも嫌気が差していて、「この会社は近い将来に潰れる」と思っていました。
今思い返せば当時の組織が腐敗した状況は、三国志の時代に入る前の後漢後期に非常に似たものでした。
*本連載は2話ずつ毎日公開します。明日の第19話に続く。