
【深井龍之介】お金がなくて塾に通えず、自学自習が身につく
取材・構成/古澤誠一郎 撮影/竹井俊晴
日本を変えるイノベーターが仕事の軌跡と半生を語り尽くす新連載「マイヒストリー」。挑戦者たちの原点と未来のビジョンが明かされる。人気のポッドキャスト「歴史を面白く学ぶコテンラジオ」を配信するCOTENの深井龍之介CEOが、世界の未来と自分史を語り尽くす(全30話)。

勉強しないと今の環境から抜け出せない
僕は中学2年生の頃から急に勉強を始めました。でも、家には塾に行くお金がないし、周囲に勉強を教えてくれる大人もいません。
最初はおばあちゃんからもらったお小遣いで、問題集を買って勉強をしていましたが、成績はまったく上がりませんでした。
それでも勉強して成績を上げないと、今の環境からは抜け出せないと思い、頑張り続けた結果、あるときから「試行錯誤の仕方」が分かってきました。すると、成績が上がり始めた。

その頃に身につけた方法で、今もすべての仕事をこなしている感覚があります。
勉強の仕方も出題傾向も自分で調べる
僕はまず、「これだけ頑張って勉強しているのに、なぜ成績が上がらないのか?」「勉強の仕方が悪いのか?」と疑問を持ちました。そこから「勉強の仕方」について戦略を立てるようになった。
中学生の僕が考えていたのは、以下のようなことです。

「ほかの人は塾に通っているし、そこで受験対策を教わって試験に臨んでいるけど、自分は高校進学でも大学進学でも塾に通えない。島根の田舎には受験対策を教えてくれる大人もいない。
だから僕は、勉強の仕方も、各校の受験者の傾向も、出題傾向も自分で調べなければいけない」
そして、それを実践した結果、田舎のエリアでは一番の進学校といわれていた高校に入学できました。
「考えれば分かる」
僕が高校生の頃は、本当に情報もない田舎の貧困家庭では、「自分で勉強できる人」以外はいい大学に行けない状況でした。それは僕の周囲の同級生を見ていても感じたことです。

そうした環境で僕が身につけたのは、「まずは人に教わらずに自分で勉強して考えてみる」ということ。「最初は『よく分からない』と思うことも、考えれば分かるようになる」ということです。
「考えれば分かる」というのは、今も僕がデフォルトで持っている姿勢です。この感覚は、おそらく塾に行っていたら身につかなかっただろうと、今振り返れば思います。
マリリン・マンソンに傾倒
高校では剣道部に入部しましたが、もともと体が強くなく、腰を壊して退部しました。
高校時代は音楽にハマりましたね。当時から好きで、今も好きなアーティストがマリリン・マンソンです。

マリリン・マンソンは社会に対する怒りを曲にしていて、高校時代の僕も社会に対して強い怒りを覚えていたので、彼にハマったんです。分かりやすい言い方をすれば、ただの中二病です。
その社会への怒りは、まず「お金がないこと」から来るものでした。
自分が貧乏で塾に行けないのに、周りの人たちは塾に通っていて、そこでアドバンテージが生まれていることに、当時の僕はイライラしていました。
*本連載は2話ずつ毎日公開します。第14話に続く。