
2022/06/24
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改めて、私はテレ東からのWeb3起業という、この業界では少し異色の経歴です。IT企業経験なしで異業種からもWeb3で起業できるのか!と興味を持った人もいるかと思います。
同業者も、他業界の人も、どんどん入ってきてほしいという思いもあり、4話では、Web3やNFT、GameFiでビジネスを検討している人向けに話します。
まず、一つ最初に言っておきたいのは、Web3への挑戦は1日でも早い方が良いということです。
Web3領域のマーケットは未成熟で、Play-to-EarnをはじめとするX-to-Earnにおいては、成功事例はいまだ多くありません。X-to-Earnの先駆として有名になったSTEPNも、持続可能なトークンエコノミーの構築には非常に苦労をしています。コンテンツ供給者が少ない今、早く参入することが成功への第一歩となるでしょう。

Web3でのビジネスは、トークン経済圏を成長させて、やりたいことを実現する仕組みです。
NFTやトークンを発行してコミュニティをつくることは、従業員を集めているようなものとも言えます。トークン保持者は単なるユーザーではなく、そのトークンコミュニティやプロジェクトが成長することでトークン価値が上昇すれば得をする、ステークホルダーだからです。
いい“従業員”を集めるためにも、いいサービスがまだたくさんないうちに、早く立ち上げた方がいいというわけです。
私たちDEAも、立ち上げ当初からWeb3の概念前提でNFTをメインに置いていました。元手がほとんどいらない状態で、NFTなりトークンを発行してコミュニティをつくることを目指したのです。そこから市場にアジャストして、売上が上がるところに移行できた。これはNFTにいち早く取り組んでいたということに尽きると思います。
例えば、Axie Infinityでは、ゲームの報酬に使われる「ペイメントトークン(SLP)」と、「ガバナンストークン(AXS)」の2種類があります。AXSを持つAXS HOLDERSは、AXSを預ける(ステーキング:Stake AXS)ことで、経済圏内の公庫的なところ(下図の下)から報酬を得たり、コミュニティの意思決定に対する投票券を得たりすることができます。

早く事業を始めれば、ガバナンストークンを持ちたいアーリーアダプターたち(深くコミュニティにコミットする人)を囲い込むことができます。
「早く始めるべき」という話をしましたが、NFTやトークンで事業を立ち上げることは、実際資金調達が早く進むメリットがあります。トークンに皆の注目を集める価値を持たせるアイデアさえあれば、株式の調達よりもはるかにフットワーク軽く資金調達ができます。
また、実際に株式で資金調達することを考えても、全体経済が悪くなっている中でも、まだWeb3領域は比較的ホットな領域。お金や投資も集まりやすいと言えます。
こういった話をすると、よくエンタメ業界やIPホルダー(Intellectual Property/知的財産を保有する法人ないし個人)は挑戦しやすいだろう、と言われます。一見、IPはすぐWeb3でマネタイズできそうに思えますが、私個人としては、今は実は少しネガティブです。
なぜかというと、そこには既に新しいコミュニティの価値観を必要としていない、古参のお客さんが付いているからです。アイドルやアーティスト、アートについても、既に別の方法で享受できているものについて、新たな違ったアクセス方法でしか享受できないとなると、不満も出てくるでしょう。
もちろん成功するケースもあると思いますが、そのためにはそのIPを支えるユーザーと運営側のWeb3リテラシーが、醸成されている状態が必要で、だいぶ時間がかかる可能性があります。
それよりは、IPをうまく活用してきたノウハウを使い、新しくWeb3用のIPを立ち上げる方が吉と考えています。
IPをそのまま使ってちょっとだけトライしてみたいという場合には、JobTribesのような既存のWeb3ビジネスとコラボレーションするという手もあります。実際に、私たちも『カイジ』や『ドラゴン桜』などとコラボをして、好評でした。そういった意味で、私たちは自分たちのことをWeb3の道先案内人と言っています。

Web3に飛び込んでほしいのは、IPホルダーやエンタメ業界というより、今まさにクラウドファンディングや株式でスタートアップ創業しようとしている人たちです。資金調達の手段としてWeb3のアプローチを試してみることをお勧めします。
広く資金を必要としている起業家全員に関係があることとして、ぜひ自分ごと化してもらえたらなと思います。
ここからは、実際に事業を立ち上げてからどう継続するかについて、私たちが意識していることなどを話します。
1、2話で、Play-to-Earnを実現し、ユーザーはゲーム世界で稼ぐDEPを適宜日本円に換金できるという、入出金が可能になったと話しました。それは同時に、「トークン経済圏の外部へのお金の流出」も起こり得ることになります。
実世界のお金に替えられるようになることで、あまりに日本円に替えられてしまっては、経済圏が価値を失ってしまいます。「替えられるが替えたくない、このコミュニティの中で持ち続けたい」というロイヤルティーをいかに持ち続けてもらえるかが私たちの課題になります。

課題解決の王道は、クリエイティブ・コンテンツのクオリティを高く保ち、飽きないバリエーションを提供し続けること。
その方法として、既に人気のイラストレーターやIPの力の活用が挙げられます。私たちは天野喜孝や真島ヒロなどのイラストレーターにカードイラストを描いてもらっています。先に触れたように、『カイジ』をはじめ、『ブラックジャックによろしく』などの既存強力IPともコラボしました。日本のイラストや漫画は海外でも人気があります。これらのカードを資産として保有することや、使って遊べることがモチベーションの一つになると思います。
もう一つは、PlayMiningの中で時間やお金を使うことで、好きなIPへ還元できている実感が持てることです。
1話で触れましたが、カードを売買するたびにイラストレーターへ暗号資産が還元される仕組みなので、好きな人を応援している実感が持てます。また、オーナーの立場であれば、前話で話したように、スカラーにチャンスと富を分け与える実感が持てます。その実感を支えるため、運営側でも定期的にスカラーたちの感謝の言葉を吸い上げ、オーナーに対し可視化できるようにしています。
このプロジェクトにおけるカルチャーを実感できるようなコミュニケーションの工夫は随時必要です。運営主体として大事にしている考え方が伝わるような運営やサービス設計が重要だと思います。

さらに、トークン価値が上がりすぎないよう調整することも大事です。
ありがちなのが、投機筋が経済圏に入って来ることによって、トークン価値の急上昇・急降下が起きるなど、「荒らし」が生じることです。上がるのはいいことのように思いますが、トークンが急上昇しすぎると、先に始めた人だけが儲かり、その後新規ユーザーが参入しづらくなります。
それでは一般に開かれたNFTゲームとは言えず、いずれ破綻してしまいます。
実は、トークンの価格上昇をどの程度おさえるべきかについては、あまり議論がされていません。カルチャーを維持する生命線となるので、先駆者が真剣に考えなければと思っています。
5話では、もう少し踏み込んで、GameFiにおいて話題となったAxie InfinityとSTEPNの例を見ながら、GameFiのこれからについて考察します。