
2022/06/17
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Web3に関わるさまざまなブームを牽引したイーサリアムは、取引量の増加により「ガス代」といわれる取引手数料が増大。「それなら他のブロックチェーンを使おう」という動きも拡大し、新たな暗号資産・ブロックチェーンネットワークが登場しました。
「イーサリアムキラー」と呼ばれるそれらの暗号資産・ブロックチェーンネットワークの有力なものを紹介し、イーサリアムとの違いを解説します。その中で「プルーフ・オブ・ステーク (PoS)」と「プルーフ・オブ・ワーク(PoW)」の違いも説明します。
まず、イーサリアムの創設メンバーの1人のチャールス・ホスキンソンが創設したブロックチェーンネットワーク「カルダノ(ADA)」から説明します。

カルダノの特徴は、「プルーフ・オブ・ステーク (PoS)」というコンセンサス・アルゴリズムを採用している点です。なおビットコインやイーサリアムが採用しているのは「プルーフ・オブ・ワーク(PoW)」というアルゴリズムです。
暗号資産は、取引や送金のデータを正しくブロックチェーンにつなぐことが必要です。PoWでは必要な計算を最初に成功させた人が、そのデータを承認してチェーンにつなぎこむ役割を担い、報酬として暗号資産を手に入れる仕組みです。
そのためPoWでは報酬を目的とした計算能力の競争が激化し、電力消費量が増加。環境に負荷をかけていることも問題視されてきました。
その問題を解決するために作られたのが、「コインを掛け金のような扱いにして、より多くのコインを持っている人に報酬を付与する」というPoSでした。この仕組では競争の激化は止まり、膨大な電気代や環境への負荷が軽減されることが期待されているわけです。
2021年9月カルダノのブロックチェーンにスマートコントラクト機能が実装され、イーサリアムキラーの筆頭格として急浮上してきました。
最近、イーサリアムキラーの筆頭格と言われることが増えてきたソラナ(SOL)も、PoSに近い「プルーフ・オブ・ヒストリー(PoH)」というコンセンサス・アルゴリズムを導入しています。

ソラナの一番の特徴は処理能力の高速さです。1秒間に処理できるトランザクション数はイーサリアムが約15件、ビットコインが約7件なのに対し、ソラナはなんと約5万件です。
処理能力がビットコインやイーサリアムの1000倍以上と、ケタ違いに高いわけです。NFT分野に強いのが特徴で、歩いた分だけトークンがもらえることで人気を博したSTEPNもソラナをベースに開発されています。
後発のサービスのほうが技術面で有利なのはこの業界の特色であり、将来ソラナを上回るブロックチェーンが登場するまでに、揺るぎない地位を築けるかが勝負です。
バイナンスコイン(BNB)は世界最大の暗号資産取引所・バイナンスが発行しています。

バイナンス上で取引手数料の割引を受けられたり、定期的にバーン(償却)を行うことで価値を高めたりといった優遇が多い。取引所が発行するコインという特徴を活かして、「何でもあり」と言えるようなサービスを行っているのが特徴です。
一方それが問題であるという見方もできます。「バイナンスという企業に大きく依存するバイナンスコインは、非中央集権的なブロックチェーンと呼べるのか」という点には、疑問が残ります。
非常に便利な存在なので、今は多くの人が利用していますが、米証券取引委員会がBNBが証券に該当するかの調査を始めているとの報道も気になるところです。
ポルカドット(DOT)は、Web3という言葉の生みの親で、イーサリアムの共同開発者の一人であるギャビン・ウッド氏も参加する「Web3財団」が開発。2020年8月に上場しました。
比較的新しいコインですが、すぐに時価総額トップ10に入るなど、期待が高まっている暗号資産です。
ポルカドットの一つの特徴は、規格の違うブロックチェーンの間で取引所を仲介せずに直接交換ができる「クロスチェーン」の機能にあります。DeFi(分散型金融)においても、このクロスチェーンの仕組みが導入されています。
ただし、このクロスチェーンの機能を導入するプロジェクトは最近増加しています。そしてブロックチェーンの仕組みは非常に強固なものですが、クロスチェーンやDeFiの仕組みの中には脆弱性があるものもあり、ハッキング事件も多発しています。
ポルカドットに脆弱性が見つかったというわけではありませんが、クロスチェーン機能を利用するプロジェクトの全体の課題といえるでしょう。
またポリゴン(MATIC)などの「レイヤー2スケーリングソリューション」と呼ばれる暗号資産や、「サイドチェーン」「ライトニングネットワーク」と呼ばれる暗号資産も注目を集めています。

何だか難しい言葉が並んでいますが、いずれも「メインのブロックチェーン以外でトランザクションを実行する技術」の名称です。もっと言うと、こうした暗号資産が行う業務は、私の所属する楽天ウォレットのような交換所の業務と少し似た部分があるかもしれません。
楽天ウォレットのような交換所は、お客様の一つ一つの取引をそのままブロックチェーン上に乗せているわけではありません。それを行うと手数料も処理時間も膨大になるため、オフチェーンでまず一定の取引を取りまとめ、その収支尻をブロックチェーンに記録しているわけです。
これと同じ様な作業をサイドチェーンを用いて行い、「膨大な処理の一部を担ってイーサリアムをサポートしよう」というプロジェクトがポリゴンなどの暗号資産というわけです。
なおここに名前を挙げたもの以外にも、トロン(TRON/TRX)、ネオ(NEO)、テロス(TLOS)、IOSTといった中華系のスマートコントラクト付きのブロックチェーンにも注目の存在は複数あります。
こうした「イーサリアムキラー」が実際にイーサリアムに取って代わる可能性はあるのでしょうか。第4話で詳しく解説します。
