
2023/04/26
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U-NEXTの強さの理由は、提供コンテンツ数を見ると明らかです。作品ごと、または、1話ごとにカウントしても、U-NEXTは断トツに多いです。
また、ここで示したデータにはありませんが、すべてのコンテンツの合計時間も、他サービスを大きく引き離して長いです。そして、圧倒的なコンテンツ量を誇りながらも、年々数を増やしているところにも注目です。
基本的にSVODで好まれるのは、アニメ、ドラマです。
一方、U-NEXTはヒットアニメをカバーしつつ、他サービスを遥かに上回る数の映画や、HBO-MAXの独占配信も行うなど、提供作品数と作品の多様さに秀でており、これさえ契約しておけば大抵の映画はあるという状態をつくっています。


一方、目覚ましい躍進を果たしたディズニープラスの特徴はなんでしょうか。
第1話で紹介したSVOD利用率の推移から分かるように、Amazonプライム・ビデオの利用率は他サービスを大きく上回っています。
すでに多くの人がAmazonプライム・ビデオをはじめとしたSVODに加入している状況下において、後発サービスにとって既存サービスにプラス1で加入してもらうことが重要になります。

主要サービスにおける単一サービス利用(そのサービスのみ利用)をみると、ディズニープラスは15.3%となり、他サービスよりも低いのが特徴です。これは裏を返せば、他サービスとの併用が多いということになります。

そこで、各サービスにおけるディズニープラスの併用率をみると、Amazonプライム・ビデオではNetflixに次いで高く、Netflixにおいては2位に位置、そのほかのサービスでもディズニープラスは併用率が高くなっています。
つまり、ディズニープラスはプラス1戦略に成功していることがうかがえます。
ディズニープラスはなぜ併用率が高いのでしょうか。コンテンツ数はU-NEXTのように多くはありませんが、非常に訴求力の強いオリジナルや独占コンテンツを揃えていることがまず挙げられます。
また、ディズニー傘下のコンテンツはジャンル履修の意味合いがあります。マーベル作品は、新作が出ると必ず見たいというファンがいるジャンルです。2022年の配信オリジナル作品の月別視聴者数ランキングをみると、『ミズ・マーベル』『シー・ハルク:ザ・アトーニー』が TOP10入りを果たしています。

では、これだけSVODが伸びている今、映画興行にどのような影響があったのかを見ていきます。次のチャートは実写・アニメ別の興収推移と復興度合いです。

2019年、日本の映画興行は年間興行収入2611.8億円に達し、過去最高の興行収入を記録しました。『アナと雪の女王2』や『天気の子』といったヒット作品が出た年です。
その後、コロナの影響で大きく減少しますが、邦画アニメのみに着目すると、2020年、2021年ともにそれほど落ち込んでいません。
これは、2020年末に公開されて興行収入が400億円を超えた『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』をはじめ、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』(2021年3月)、『名探偵コナン 緋色の弾丸』(2021年4月)、『竜とそばかすの姫』(2021年7月)などのヒットが影響しています。
2022年の年間興行収入は2131.11億円と、2019年のピークとまではいきませんが、2018年の2225.11億円に迫る規模に戻しています。
内訳に注目すると、2022年の邦画アニメの興収合計は、コロナ禍前3年間(2017~2019年)平均の2倍近い水準と推計されます。2022年に映画興行が伸びた立役者もやはりアニメであり、『ONE PIECE FILM RED』や『すずめの戸締まり』『THE FIRST SLAM DUNK』といったアニメ映画が市場を大きくけん引しました。
実は世界の国々の映画興行の復興度合いをみても、2022年にこれだけコロナ前に近い水準に戻った主要な映画産業国は見当たりません。アメリカや中国は3割減の状態が続き苦戦したなか、「奇跡の国ニッポン」と言えます。
第3話では、SVODの成長が、他のエンターテインメントにどう影響しているかを分析します。