マーケット超分析
波乱相場に負けない”盤石”日本株6選/NTT、三井不動産の存在感
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2026年7月22日

月イチで株式相場の解説を行う、「マーケット超分析」の7月回。後編では、今後の注目銘柄を紹介する。 <出演者> 柴田阿弥(MC) 木野内栄治|大和証券 チーフテクニカルアナリスト 1988年に大和証券に入社。 以来一貫してテクニカル分析業務に従事。 日経ヴェリタス「人気アナリスト」テクニカル部門で...
長期投資視点で選ぶ”盤石”日本株6選
現在の市場は変動が激しく、将来不安も大きい。このような不確実な環境で、精神的安定を保ちつつ投資を続けるには、確固たる基盤を持つ銘柄選定が不可欠だ。
本稿では、市場の荒波にも揺るがず、長期保有に値する「盤石銘柄」の選定基準と、その基準で厳選した日本株6選を紹介する。これらの銘柄は、圧倒的な安定性と持続的な成長性を兼ね備え、外部環境に左右されない強さを持つ。多様な局面に対応する銘柄群の検討は、安定的な資産形成の一助となるだろう。


Q. 長期投資における「盤石銘柄」とは何か?
現在の市場は変動が激しく、個人投資家は不安を感じやすい。このような中、精神的負担なく長期にわたり安心して保有できるのが「盤石銘柄」だ。これらは、単に市場平均に追随するのではなく、事業の圧倒的な安定性と持続的な成長性を兼ね備える。外部環境の荒波に耐えうる強固な基盤を持つ企業を指し、市場が荒れる局面でこそ真価が問われる。明確な基準に基づく選定が肝要となる。
Q. 盤石銘柄を選定する上で重要な5つの基準は何か?
長期投資で安心感を得るには、銘柄選定の明確な基準が必要だ。以下の5点が盤石銘柄を見極める重要基準となる。
国策や海外市場に深く関与し、市場拡大の恩恵を享受できること。
他社には代えられない独自の強みや高い参入障壁を持つこと。
経済危機や災害時でも事業が必須で、心理的安全性が保たれること。
減配せず増配を継続するなど、累進配当で株主還元を重視すること。
株価や業績変動の源泉が明確であり、市場環境分析に役立つこと。
これらの基準を満たす企業こそ、不確実な時代に長期保有に値する「盤石銘柄」だ。
Q. 金利が高い状況下で注目すべき盤石銘柄は何か?

金利上昇は借入コスト増となり逆風となるが、本質的に強い盤石銘柄は長期投資の仕込み場を提供する。金利高で注目の2銘柄を挙げる。
三井不動産(8801)は都心一等地に強みを持つデベロッパー。インフレ時に不動産価値は上昇し、賃料単価向上も期待できる。築地再開発や6,000億円規模のデータセンター投資など、賃料単価を引き上げ新収益源を確保する成長戦略が特筆される。目先の株価低迷は長期投資家にとって好機と捉えるべきだ。
NTT(9432)は国民的高配当株で、生活インフラとしての代替不可能性が高い。IOWN構想に巨額を投じ、コストと電力効率に優れた次世代通信規格を開発中だ。金利高や投資先行が短期的に重しとなるものの、国家戦略の中心を担うこの構想は将来の大きな成長ドライバーとなる潜在力を持つ。
Q. 金利が低い状況下で注目すべき盤石銘柄は何か?
金利低下は景気後退を示唆することが多いが、高配当を狙いつつ回復を待つ絶好の仕込み時となる銘柄も存在する。低金利時に注目の2銘柄を挙げる。
オリックス(8591)は、減配せず増配を続ける株主還元重視の企業。金融、不動産、航空機リースなど多岐にわたる事業セグメントを持つ。景気変動に敏感に反応するため、金利低下時には株価が落ち込みやすいが、それが高配当で仕込む好機となる。大阪副首都構想との関連が深い関西三空港運営権を持つため、将来的な再開発テーマでの妙味も期待できる。
MS&ADインシュアランスグループホールディングス(8725)は堅牢なビジネスモデルを持つ大手損害保険会社グループ。競合に比してPBR約1倍と割安感がある。金利高は資産運用利回り改善に繋がるが、金利低下時は収益性維持に工夫が求められる。しかし、政策保有株売却、堅実な増配、同業統合による国内シェア拡大なども追い風であり、中長期的な安定成長が期待できるバリュー銘柄だ。
Q. 平常時に注目したい盤石銘柄は何か?

「平常時」とは、大きな経済危機や市場の過熱がない穏やかな環境を指す。この時こそ、将来のリスクやトレンドを先読みし、まだ資金が集まっていない銘柄を仕込むべきだ。平時で注目の2銘柄を挙げる。
三菱重工業(7011)は、防衛、航空宇宙、発電設備など多角的に事業を展開する重工メーカー。防衛株としての株価は地政学リスクの高まりと共に上昇するが、有事発生後は「事実売り」で下落に転じるアノマリーを持つ。情勢が落ち着く平時に仕込み、有事のヘッジ資産とすべきだ。高効率ガスタービン事業はAI普及による電力需要増に対応し、防衛以外にも長期成長ドライバーとして期待される。
SBIホールディングス(8731)は国内最大級のインターネット証券会社を擁し、新NISA普及で投資家層を急拡大。地方銀行との「地銀連合構想」は金利上昇に強いビジネスモデル構築を示唆する。新NISA自体は低手数料だが、顧客獲得を通じ高収益の投信、FX、仮想通貨取引へ誘導する。将来の仮想通貨税制改正やデジタル通貨事業拡大も追い風であり、「平時」の顧客基盤拡大が長期収益を下支えするだろう。
Q. これらの盤石銘柄への最適な投資戦略とタイミングは何か?
長期投資で底値を見極めるのは困難だ。そのため、一括投資を避け、複数回に分けて段階的に買い進める「買い下がり戦略」を推奨する。米国の金利動向や企業の増配発表など、マクロ要因を考慮し、投資時期を分散させることが重要だ。
市場には特定の季節性がある。米国の税還付でグロース株優位な春を経て、日本のバリュー株は夏から秋にかけてアウトパフォームする傾向がある。これは配当支払いと権利取りが活発化し、バリューファンドの配当再投資が集中するためだ。このようなアノマリーを利用し、市場が過熱していない時期に、じっくりとバリュー株を物色すべきだ。
現在、AI関連株に資金が集中する局面で、割安に放置されたバリュー株には大きな妙味がある。ポートフォリオに地盤の固いバリュー株を組み込むことは、相場調整局面での防御力向上だけでなく、投資家の精神的負担を軽減し、より落ち着いた長期資産形成を可能にするだろう。