マーケット超分析
国策銘柄15選/防衛株の狙い目/サンリオはまだ伸びるのか
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2026年6月26日

月イチで株式相場の解説を行う、「マーケット超分析」の6月回。後編では、今後の注目銘柄を紹介する。 <出演者> 柴田阿弥(MC) 木野内栄治|大和証券 チーフテクニカルアナリスト 1988年に大和証券に入社。 以来一貫してテクニカル分析業務に従事。 日経ヴェリタス「人気アナリスト」テクニカル部門で...
高市成長戦略、王道以外に潜む注目銘柄とは?
日本の将来を見据えた高市成長戦略は、具体的な投資テーマとして多くの注目を集めている。国策に沿った成長分野では、既存の有名企業だけでなく、その周辺に潜む「隠れた優良企業」への投資妙味が拡大している現状を分析する。
本記事では、金融市場の専門家が厳選したテーマ株の中から、特に業績貢献度や成長潜在力の高い銘柄をQ&A形式で解説する。インフレ時代特有の成功要因や、王道とは異なる視点での投資戦略に迫る。


Q. なぜ今、高市成長戦略銘柄に注目すべきなのか?
高市成長戦略は、国の注力分野が明確であり、市場の方向性を分かりやすく示すため投資家にとってテーマを捉えやすい。今夏発表される骨太の方針で、各戦略への予算配分が明らかになれば、さらなる資金流入が期待される。
デフレ時代と異なり、現在は物不足に起因するインフレ下である。政府主導の設備投資による生産能力増強は、そのまま売上増加に直結しやすく、過去に比べて政策の成功確率が格段に高いと言えるだろう。
Q. AI・半導体関連では、王道以外のどのような銘柄に投資妙味があるか?
NVIDIAの次世代チップ「Rubin」の製造が困難である懸念から、主要半導体銘柄の株価は不安定な動きを見せている。しかし、半導体自体ではなく、データセンターの「箱物インフラ」に先行投資が行われている実態があるため、周辺銘柄に注目すべきだ。

三機工業は、半導体工場やデータセンターに不可欠な空調設備を手掛け、設備投資の恩恵を直接受ける。インフレ環境下で価格転嫁に成功し、営業利益率を2.8%から11%へと大幅に改善させた点が注目される。SWCCは大手電線メーカーに次ぐ存在で、データセンター向けの電線需要増の恩恵を受け、大手との相対的な出遅れ感がある。
ラサ工業は半導体回路形成に不可欠な高純度リン酸で高い競争力を持つ。時価総額1000億円前後と小型で値動きが軽く、半導体素材としての引き合いが強い。ダイトロンは半導体関連の電子機器を扱う技術系商社兼メーカーであり、高利益率の自社製品を保有することで高い収益性を実現している。
Q. 老朽化する社会インフラ、「防災・国土強靭化」で長期需要を掴む銘柄とは?
日本の高度経済成長期に建設されたインフラが一斉に老朽化しており、今後20~30年にわたる長期的な補修・更新需要が不可避である。この安定需要を背景に、堅実な成長を続ける企業が存在する。
ショウボンドホールディングスは、橋やトンネルなどのコンクリート構造物の補修・補強工事で最大手である。2030年代に建設後50年を超える橋が激増するため、長期にわたり安定した受注が期待される。大栄環境は許認可が厳しく参入障壁の高い廃棄物処理・リサイクル事業を手掛け、自社で最終処分場を保有している点が最大の強みであり、25%前後という高利益率を実現している。
栗本鉄工所は上下水道用の鉄管やバルブのメーカーで、製品の値上げ(価格転嫁)によって着実に営業利益を改善している。日本ヒュームは下水道管やマンホールのトップメーカーで、売上高を上回るペースで営業利益を倍増させており、その高い成長変化率が魅力である。
Q. 「安全保障・GX」で広がる投資機会、防衛・宇宙・海洋・エネルギー分野の注目株は?
安全保障の概念は従来の防衛装備だけでなく、宇宙や港湾、造船といった多岐にわたる領域に拡大しており、GX(グリーントランスフォーメーション)も政策が強力に後押しする分野である。これら国策テーマで躍進する企業に着目すべきだ。

スカパーJSATは、衛星放送から衛星通信・宇宙安全保障ビジネスへのシフトを進める。防災やデータ活用など用途が多様であり、宇宙関連で大規模な時価総額を持つ安定成長企業である。五洋建設は海洋土木の最大手で、IR誘致に伴う港湾整備と南西諸島における防衛上の「特定重要拠点」整備の両面で需要が拡大しており、営業利益が3年で10倍以上に急増している実績を持つ。
名村造船所は、環境規制強化に伴う環境対応船や、エネルギー安全保障上急遽戦略に加わったLNG(液化天然ガス)船の需要増に恩恵を受ける。LNG船は技術難易度が高く、日本の造船技術力が強みとなる。東京計器は精密機器メーカーで、防衛事業と移動体衛星通信用アンテナ事業が成長を牽引し、営業利益を4倍に伸ばしている。三菱化工機は化学プラントなどを手掛けるが、近年は水素を核としたGX事業に注力しており、水素はデータセンターのクリーンな非常用電源としても期待され、AIテーマとの関連性も指摘されている。
Q. 「コンテンツ」「創薬」分野で躍進する企業、そして今回最も注目すべき銘柄とは何か?
日本の強力な知的財産(IP)を活用するコンテンツ産業は、インバウンド需要を追い風に急成長している。キャラクタービジネスの圧倒的な強みを持つサンリオは、高い利益率を誇り、世界のファンを魅了している。22年3月期から26年3月期にかけて営業利益を約30倍に急増させる見通しである。
世界的に市場が拡大する肥満症治療薬「GLP-1」関連も注目のテーマだ。その製造プロセスに必要なシリカゲルを供給する大阪ソーダは、創薬需要の拡大から恩恵を受けている。同社は「GLP-1」のようなメガトレンド関連銘柄として市場の注目を集めやすい特性を持つ。
金融市場の専門家は、今回紹介した多くの注目銘柄の中から、特に五洋建設とサンリオを挙げた。それぞれが「国家的な長期インフラ需要」と「世界に通用する高収益IPビジネス」という、盤石で成長性の高いテーマを象徴している。AI半導体という主軸に加えて、ポートフォリオにこれら異なる成長ドライバーを持つ銘柄を組み込むことは、分散投資の観点からも効果的である。