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0歳からのこどもNISA 徹底解説
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2026年3月8日

2027年から開始予定のこどもNISA。教育資金やマネー教育への活用が見込まれると専門家は語る。大学資金を賄うには月いくら必要なのか?ジュニアNISAとの違いとは?学資保険はどうなる?第一生命経済研究所 ライフデザイン研究部 主任研究員の鄭 美沙氏に話を聞いた。 <ゲスト> 鄭 美沙 | 第一生命...
子供NISAと学資保険を徹底比較!新制度で変わる教育資金の準備戦略
子供NISAが2027年から導入される。これは教育資金準備を大きく変える可能性を秘めた新制度だ。
旧制度であるジュニアNISAが果たせなかった役割をどう補い、現代の家計に寄り添うのか。また、これまでの教育資金準備の定番だった学資保険と比べて、どのようなメリットやデメリットがあるのか。
本記事では、新制度「子供NISA」の全貌を明らかにし、学資保険との賢い併用術について解説する。

Q. 子供NISAとは一体どのような制度か?ジュニアNISAとの違いは何か?
子供NISAは、2027年以降、親が子供の名義で非課税運用ができる制度だ。0歳から口座開設が可能で、従来のNISAでは18歳以上が対象であった点から大幅に対象年齢が引き下げられた。年間投資枠は積立投資枠の半分(月3万円程度)、非課税保有限度額は600万円となる。ここで重要なのは、積立投資枠の中で子供NISAができるという位置づけであり、成長投資枠のような個別株式は対象にならない点だ。
廃止されたジュニアNISAと比べると、制度設計には大きな改善が見られる。
ジュニアNISAは原則18歳まで払い出しができなかったが、子供NISAは12歳以降に一定の要件を満たせば払い出しが可能となる。これにより、大学資金だけでなく、中学や高校の教育費にも柔軟に充当できるよう、利便性が大きく向上したと言えよう。また、非課税保有限度額もジュニアNISAより拡大されている。

Q. 子供NISAを活用する最大のメリットはどこにあるのか?
子供NISAの最大のメリットの一つは「お金に色をつける」という心理的な効果である。
人間には「メンタルアカウンティング」という心理バイアスがあり、お金は同じ価値にもかかわらず、その出所や使い道によって意識的に分類し、非合理的な判断を下すことがある。例えば、普段の生活費は切り詰めるのに、臨時収入が入ると贅沢に使う、といった行動だ。この心理効果は資産形成においてポジティブに働く。子供NISAを「教育費」として明確に色付けすることで、親自身の老後資金や住宅資金などと混同せず、他の用途への流用に対する心理的抵抗が生まれやすくなるだろう。
親自身のNISA口座で教育資金を運用することも可能だが、その場合、複数の目的の資金が混ざり、実際の教育費がどれだけ貯まっているかが見えにくくなる。
子供NISAによって教育費専用の口座を設けることは、資金管理が苦手な世帯ほど、使い勝手が良く、教育資金を確実に積み立てていく上で有効な手段となるのだ。
Q. 子供NISAでどれくらいの教育資金が貯められるのか?シミュレーションでわかる効果とは?
子供の進路によって教育費は大きく変動する。
小学校から大学まで全て公立であれば約770万円だが、小学校から私立に通うと2200万円もの費用がかかる試算もある。この現実を踏まえると、計画的な資金準備が不可欠と言えよう。
小学校から私立の場合:約2200万円
中学から私立の場合:約1400万円
高校から私立の場合:約1100万円
大学から私立の場合:約960万円
全て公立の場合:約770万円

子供NISAを活用した場合の具体的なシミュレーションを見てみよう。ここでは年利3%と5%で運用した場合を想定する。
月1万円(児童手当を活用):0歳から18歳まで積み立てると元本216万円。
年利3%で285万円、5%で345万円まで増える可能性がある。
月2万円:0歳から18歳まで積み立てると元本432万円。
年利3%で570万円、5%で691万円まで増える可能性がある。私立大学の学費(約450万円)に大きく近づき、5%運用では理系大学まで視野に入る額だ。

Q. 子供NISAが促進する「金融経済教育」の重要性とは?
子供NISAのユニークな点は、払い出しに「12歳の子供本人の同意」が必要な点だ。形式的な同意にとどまらない運用を目指すならば、12歳の時点でNISAや資産形成をある程度理解している必要が生じる。これは、家庭や学校での金融経済教育の重要性を改めて浮き彫りにする。親子で投資やお金について話し合うきっかけを与え、子供が生きた金融リテラシーを身につけるための絶好のツールとなり得るのだ。
近年、SNSでは「NISA満額投資」の報告が多く見られるが、こうした情報に惑わされ、無理な節約をしてしまうのは本末転倒である。
子供NISAの活用においても、早く口座を埋めようと過度な節制をし、旅行や教育など「今しかできない体験」を犠牲にするのは避けるべきだ。真の金融リテラシーとは、将来への備えと、現在の心の豊かさや家族との体験といった「生活設計」をバランス良く管理する能力を指す。投資だけを切り離して考えるのではなく、人生全体の幸福感を高める視点を持つことが重要だ。
Q. 教育資金の準備には子供NISAだけで十分なのか?学資保険との賢い併用術とは?
教育資金の準備において、子供NISAが強力なツールであることは間違いない。しかし、元本割れのリスクが伴う株式中心の運用を考慮すると、NISA一本に頼るのは危険である。学資保険はリスクを抑え、安定した資金計画を可能にする商品として、子供NISAと対をなす存在だ。
学資保険のメリットは、加入時に受け取れる金額が基本的に決まっているため資金計画が立てやすい点にある。
また、親に万一のことがあった場合の保険料免除といった保障機能も備えている。NISAのリスク部分を学資保険で補完することで、家計全体のリスクバランスを取ることが可能だ。金利上昇局面においては、これまで低迷していた学資保険の返戻率が改善し、その魅力が再び高まる可能性もある。このタイミングを捉え、安定性と保障機能を兼ね備えた学資保険の価値が見直されつつあると言えるだろう。
教育資金の準備に万能な「正解」は存在しない。家計の状況やリスク許容度、必要な時期によって最適な選択は異なる。
子供NISAと学資保険は「リスクを取るか、リスクを抑えるか」という対照的な特徴を持つがゆえに、賢く組み合わせることで互いの弱点を補い、より堅実で柔軟な教育資金のポートフォリオを築くことが可能となる。
Q. 子供NISAの活用がおすすめな世帯、避けるべき世帯のタイプとは?
子供NISAが最大の効果を発揮するのは、「とにかく長期投資ができる世帯」である。特に子供がまだ幼く、資金を使うまでに10年以上の期間を確保できる家庭が理想的だ。長期投資の期間が長ければ長いほど、価格変動リスクは分散され、複利効果による資産形成が期待できる。子供NISAの対象商品も長期積立分散投資に適したものが選定されており、この制度本来の趣旨にも合致する。
一方で、子供が高校生になるなど、資金が必要になるまでの期間が短い世帯には、子供NISAの活用はおすすめできない。
数年といった短期間では、元本割れのリスクを十分に抑えることが難しくなるからだ。投資には常にリスクが伴うため、資金利用の直前に市場が下落した場合、想定した額に届かない可能性がある。短期間でまとまった教育資金を確実に用意したい場合は、預貯金や確定利回り商品など、元本保証型の金融商品を検討するのが賢明と言えよう。
たとえ子供が成長していても、子供NISAを全く利用しないという選択ももったいない。
例えば15歳から少額ずつでも積み立てを始めれば、18歳になった際に、その資産は子供自身の通常のNISA口座へ自動的に移行される。これにより、子供自身が将来のライフイベント(例えば留学や結婚資金)に向けて、投資による資産形成のスタートを早く切るきっかけにもなり、金融リテラシーを高める実践的な経験となるだろう。