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最新の賃貸価格
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2026年2月25日

物価高騰の今 賃貸価格も上がっている。 なぜ上がり続けるのか?どこまで上がるのか?人気のエリアはどこなのか? 不動産市場の動向に詳しい アットホームラボ データマーケティング部 部長の磐前淳子氏と紐解く。 <ゲスト> アットホームラボ |磐前淳子 アットホームに入社、営業職・企画職などに従事。2...
現代の住まい事情をデータが語る:家賃高騰、人気エリアの変遷、そして新たな選択肢
全国的な家賃の高騰は、今や誰もが直面する大きな課題である。都市部や地方主要都市の市場では、価格の変動と需要の変化が複雑に絡み合い、住まい探しの常識を塗り替えている。アットホームの最新データに基づき、この激変する不動産市場の実態を深掘りする。データが示す家賃の現状から、注目すべき人気エリア、賃貸を巡る新たな選択肢まで、住まい探しのヒントを提供する。
Q. 日本全国で家賃高騰が続く現状をどのように分析するのか?
日本全国の主要都市で、賃貸物件の家賃が過去最高水準を記録している。家賃高騰の背景には、主に「コスト高騰」と「供給不足」という二つの要因が存在する。
コスト面では、建物の新築コストや維持管理に必要な人件費、設備費用全般が高騰しており、これらの費用が家賃に転嫁されている。原材料費や建設労働者の賃金上昇が直接的な原因となっている。
供給不足は、都市部への人口集中が進む一方で、物件の供給が追い付かないことに起因する。特に分譲マンション価格の高騰により、住宅購入を見送った層が賃貸市場に流入し、需要を押し上げている。さらに、既存の賃貸居住者も「引っ越しコストを抑えたい」という意識から引っ越しを控える傾向があり、市場の空室率を低下させ、家賃のさらなる上昇を招く構造となっている。

Q. 特に福岡市と東京23区の家賃が顕著に上昇している背景には何があるのか?
家賃高騰の波は全国に及ぶが、中でも福岡市と東京23区は特に顕著な上昇を見せる。
福岡市では、「天神ビッグバン」のような大規模な再開発事業や地下鉄七隈線の延伸などが都市の魅力と利便性を飛躍的に高めた。これにより人口の転入超過が進み、特にシングル層向けの需要が急増。シングル向け家賃は前年比で14.3%増加という驚異的な伸びを記録している。
さらに、これまでの福岡では品薄だった富裕層向けのグレードの高い物件が供給され始めたことで、高い需要が明らかになり、エリア全体の家賃水準が押し上げられた。この活気と人口増が、家賃上昇の大きな推進力となっているのだ。
一方、東京23区では、シングル向けマンションの平均家賃が遂に10万円を突破し、2023年5月に10万6800円に達した。この家賃水準では、「手取りの3割が家賃目安」とされる常識に照らすと、月36万円もの手取りが必要となる。
ファミリー向けに至っては、平均家賃25万円超えとなり、手取り85万円が必要という計算だ。共働きや家賃補助がある場合を除き、この高額な家賃負担は若い世代や子育て世帯にとって大きな障壁となる。

Q. 現在の不動産市場において、「買う」選択肢と「借りる」選択肢、どちらが賢明と言えるか?
現在の不動産市場において、最も割高感が強い選択肢は中古マンション購入だ。投資需要によって価格が過熱し、実需層が手が届きにくい水準まで押し上げられている。この傾向は今後もまだ続く可能性が高いと見られる。
こうした背景から、賃貸は「購入を諦めた仕方ない選択」という消極的なものではなく、「積極的な選択肢」へと変化している。多くの人が限られた資金を賃貸物件に投入し、妥協しない生活の質や居住空間の快適さを追求している。ライフスタイルの変化に合わせて柔軟に住まいを選べる賃貸の利点が、再評価されていると言えるだろう。

Q. 東京圏で注目の人気エリアと家探しのトレンドはどのようなものか?
アットホームのPV数ランキングが示すように、東京圏の賃貸人気エリアは、従来の「おしゃれな都心」一辺倒ではなく、多様化と現実的な選択を反映している。
東京23区内では、三軒茶屋が総合1位を維持する一方で、新小岩が前年19位から2位へと大躍進したことが特筆される。新小岩の躍進は、再開発による街の魅力向上と利便性への期待が大きい。カップル向け物件では、都心へのアクセスが良い総武線沿線の新小岩や錦糸町が上位を占め、活気ある街で少し広めの部屋に住みたいというニーズを捉えていることが明らかである。
また、葛西、勝どき(晴海フラッグの影響も大きい)、三ノ輪など、交通利便性が高く、現実的な家賃帯のエリアがランクインしていることから、ユーザーがコストパフォーマンスを重視した堅実な物件探しを行っていることが窺える。
23区外では、町田が総合1位となり、八王子、三鷹、吉祥寺、立川といった中央線や小田急線沿線の主要駅が安定した人気を維持する。かつて上位常連だった吉祥寺が必ずしもトップでないのは、物件探しの軸が「人気ブランドエリア」から「現実的な住環境」へと移行していることを示唆する。
これらのデータは、ユーザーが賃貸マップの家賃相場と人気ランキングを照らし合わせ、単なる知名度やブランドではなく、実際の暮らしやすさ、交通の便、そして何よりも手頃な家賃を考慮して賢い選択をしていることを物語っている。

Q. 賃貸市場で存在感を増す外国人居住者の影響は大きいのか?
日本の賃貸市場において、外国人居住者の存在感が急速に高まっている。在留外国人の増加は明らかであり、彼らは日本での仕事や生活のため、当然ながら住まいを求める。
当初、一部の物件オーナーは、言語や生活習慣の違いから外国人入居に慎重な姿勢を示すことがあった。しかし、空室対策や市場の活性化を背景に、多くの不動産会社は積極的に外国人を受け入れる方向へと舵を切っている。その結果、外国人を受け入れている不動産会社の業績が良いというデータも存在する。
外国人居住者の層も多様化しており、家賃を抑える学生から、高級物件を借りるビジネスマンや富裕層まで幅広い。多くの外国人が日本の賃貸ルールや文化を理解した上で入居しており、懸念されるトラブルは減少傾向にあるという。労働市場のみならず、賃貸市場においても外国人は日本にとって不可欠な存在となりつつある。
Q. 賃貸物件で重視される設備に変化は見られるか?
アットホームの調査によると、賃貸物件で最も要望が多い設備は「駐車場」であり、全国調査であることを鑑みると、車社会である地方のニーズが強く反映された結果と言える。電気自動車充電設備の要望が増加している点も、現代のトレンドを示す。
安全への意識の高まりから、オートロックやモニター付きインターホン、宅配ボックスといったセキュリティ関連設備へのニーズも非常に高い。特に親世代が学生の入居に対して防犯設備を重視する傾向は顕著だ。
また、温水洗浄便座や追い焚き機能など、日々の生活における快適性を高める設備も根強い人気を誇る。これらの設備は築年数が経った物件でもリフォームで追加可能であり、入居者確保の有効な手段となるだろう。

Q. 2026年の家探しトレンドは、今後どのように推移すると予測されるか?
2026年に向けての家探しトレンドは、「積極的な賃貸選択」が主流となるだろう。物件購入価格の高騰を背景に、資金を無理なく賃貸に投じ、納得のいく居住環境を追求する層が増える見込みだ。
コロナ禍を経て家で過ごす時間が増えたことから、高速インターネット回線など、家の中での快適性を重視する傾向は一層強まる。駅からの距離などの立地条件を一部妥協する代わりに、設備や空間の質といった「居住空間の快適性」を最優先にする住まい方が、今後広く浸透していくと予測される。このようなスマートな選択が、新しい住まい探しの基準となるだろう。