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最新版 住みたい街ランキング/郊外御三家に人気殺到/東京23区家賃が過去最高
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2026年2月19日

毎年注目を集める「住みたい街ランキング」。今年の傾向から見えてくるものとは?ランキングを作成したLIFULL HOME’S総研の中山登志朗氏に話を聞いた。 <ゲスト> 中山登志朗|LIFULL HOME’S総合研究所 副所長チーフアナリスト 出版社を経て1998年より不動産調査会社でマーケット分析...
「最新版 住みたい街ランキング」に見る、住まいの選択肢とリアルなトレンド
LIFULL HOME'Sが発表する「住みたい街ランキング」は、単なる人気投票ではない。実際の物件問い合わせ数に基づいた「マジ住みランキング」だ。2024年の調査結果からは、都心部の賃料高騰による「郊外化」と、都市への利便性を求める「都心回帰」という二極の動きが鮮明に見えた。本記事では、このランキングから日本の住まいの最新トレンドを解き明かす。

Q. 「住みたい街ランキング」はどのような調査に基づいているか?
一般的なランキングがアンケート形式で「憧れの街」を問うのに対し、LIFULL HOME'Sの調査は、ウェブサイト上での物件問い合わせ数に集計基盤を置く。このユニークな手法により、個人の予算や生活条件など現実的な制約下で居住を検討し、実際に行動に移した人々のリアルなニーズが反映される。そのため、社内では「マジで住みたい街ランキング」、略して「マジ住みランキング」と呼ばれており、真剣にその街での生活を検討している層の動向を示している。
Q. 2024年ランキングに見られる全体的な傾向とは何か?
今年の「マジ住みランキング」の最大の特徴は「郊外化」である。首都圏のみならず、中部圏、近畿圏、福岡など全国の主要4圏域で共通する傾向だ。都心部の住宅価格や賃料が著しく高騰し、多くの人々が居住費の負担を避けるため、都心から一歩離れた周辺エリアや郊外に目を向けている。一方で、コロナ禍で一時的に郊外へ移住した単身者層を中心に、改めて都市へのアクセス利便性を重視する「都心回帰」の動きも活発化しており、住まい選びが多様化する時代だ。
Q. 首都圏「借りて住みたい街」1位の葛西の魅力は何か?
首都圏「借りて住みたい街」で1位となった葛西の最大の魅力は、圧倒的なコストパフォーマンスである。都内駅でありながら家賃が非常に割安な点が高い評価を受けている。都心部のシングル向け賃料が年間2万円ほど上昇する中、葛西の平均家賃は約9.1万円と10万円を切る水準を維持し、都心に通う層にとって魅力的な選択肢だ。賃貸物件の供給量が多く、物価も安いため、総合的な生活コストを抑えられる。

交通面では東京メトロ東西線で大手町まで約20分と、都心アクセスが良好だ。通勤・通学は極めて快適である。生活環境においても多くの利点がある。埋め立て地であるため地形は完全に平坦で坂道が少なく、自転車やベビーカーでの移動が容易である。駅周辺には飲食店やスーパーなど生活に必要な施設が充実しており、高い生活利便性を誇る。
特に江戸川区は23区内で公園の占める面積が最も広く、「葛西臨海公園」のような大規模な公園があるため、子育て世帯やアクティビティを求める層には魅力的な環境である。気になる水害リスクに関しては、防潮堤や防波堤の整備が進んでいる他、緊急避難計画や避難路の表示が明示されており、安全確保のための対策が講じられているため、これらを確認した上で安心して住むことができるだろう。
Q. 「郊外御三家」の人気と「都心回帰」で見られる「ずらし駅」の傾向は何か?
首都圏で長らく人気を維持する八王子、大宮、本厚木の3駅は「郊外御三家」として知られる。これらのエリアは、郊外価格帯の家賃と高い生活利便性、そして都心主要駅への乗り換えなしのダイレクトアクセスという三拍子が揃っている点が人気の秘訣である。駅周辺には広い繁華街や商店街があり、日々の生活が完結する。日常生活に車は必須ではないが、地域間の横移動には便利だ。
一方、コロナ禍後に見られる「都心回帰」の動きでは、「ずらし駅」戦略が顕著だ。高騰した都心家賃を避けるため、主要ターミナル駅の隣の駅をあえて選択し、利便性を保ちつつ家賃を抑える賢い方法である。方南町、不動前、新中野が急上昇し、家賃相場は13万~15万円台と、借りられるギリギリの価格帯で人気を集める。方南町は新宿まで13分と至近な上に、丸ノ内線の始発駅であるため座って通勤できるという大きな利点がある。このような「都会のエアポケット」は人気が出ると賃料が上がる傾向があるため、早めの行動が推奨される。

また、神奈川県方面では、賃料の高い横浜を避け、東京と横浜の中間に位置する川崎が人気を集めている。かつて工業地帯のイメージが強かったが、この10年で進んだ大規模な駅前再開発により、お洒落で利便性の高い街へと大きく変貌した。都心・横浜双方へのアクセスが良好なだけでなく、近年は川崎自体に事業所が増えているため、職住近接ニーズに応えるエリアとなっている。
Q. 近畿圏「借りて住みたい街」ランキングではどのような特徴が見られるか?
近畿圏の「借りて住みたい街」ランキング1位は大阪の江坂である。新幹線停車駅の新大阪からわずか1~2駅と近く、大阪メトロ御堂筋線1本で梅田などのビジネス街へ直結するため、交通利便性が極めて高い点が評価された。東京などからの単身赴任者から特に支持を集める。賃料もシングル向けで8万円台と、首都圏1位の葛西より安価であり、交通利便性に見合わないほどのコストパフォーマンスの高さを有している。
2位にランクインした京都市の出町柳は、京都大学が近いこともあり、多くの学生や若手社会人が住む活気ある学生街である。大阪方面へのアクセスも良く、文化的な雰囲気も魅力の一つだ。しかし近年はインバウンド観光客の増加により、中心部の混雑が著しい。学生街特有の賑やかさや、季節による人の増減、自転車の交通量なども含め、落ち着いた生活環境を求める場合には注意が必要な点もある。
Q. 滋賀県の草津・南草津エリアが注目を集めるのはなぜか?「借りて、試して、買う」動きも生まれているか?
近畿圏ランキングの中で特に注目すべきは滋賀県に位置する草津(7位)と南草津(9位)だ。家賃が高騰し、観光客の増加に直面する京都市内から、より落ち着いた生活を求める「京都脱出組」の移住先として人気が高まっている。JR東海道本線の新快速を利用すれば、京都駅まで約20分、大阪駅まで約1時間という優れたアクセス環境にあり、都心への通勤も十分可能だ。
最大の魅力は琵琶湖畔の豊かな自然環境である。背の高い建物が少なく、穏やかな住宅街の雰囲気を持ち、夏の大型花火大会、水泳、釣りなど、年間を通じて多様なアクティビティが楽しめるため、ファミリー層に人気が高い。鮒寿司をはじめとする滋賀県ならではの食文化も地域の特色を加えている。

このエリアでは、「借りて、試して、買う」という新しい住まい探しの傾向が顕著である。賃貸で数年間生活し、地域の生活環境や居心地の良さを実際に体験した上で、長期的な視点で住宅購入に踏み切るケースが多い。この動きは、住まい選びにおいて、まず地域の魅力を実感し、納得感を得るプロセスを重視する傾向を浮き彫りにしている。