マーケット超分析
2026年日経平均は5万5000円へ/来年の本命株9選/インフレ時代はバリュー株が強い
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2025年12月20日

月イチで株式相場の解説を行う、「マーケット超分析」の12月回。今回のテーマは、2026年マーケット展望。前編では、楽天証券・窪田真之が相場の行方を大予測。 <出演者> 木野内栄治|大和証券 チーフテクニカルアナリスト 1988年に大和証券に入社。 以来一貫してテクニカル分析業務に従事。日経ヴェリタ...
2026年日本株相場展望:日経平均5万5000円シナリオと注目セクター
2026年の日本経済と株式市場は、長きにわたるデフレを脱し、新たなステージへ突入しようとしている。ある専門家は、日経平均株価が5万5000円に達するとの強気な予測を示しており、この水準を「通過点」に過ぎないとさえ指摘する。本稿では、この大胆な予測の根拠と、その達成に向けた道筋、潜在的リスクを、楽天証券経済研究所の窪田真之氏と大和証券の木野内栄治氏の見解を基にQ&A形式で深く掘り下げる。

Q. 2026年の日経平均株価はどの水準まで上昇すると見込まれ、その背景にある企業業績の見通しはどのようなものか?
楽天証券経済研究所の窪田真之氏は、2026年の日経平均株価が5万5000円まで上昇すると予測している。この予測の主たる根拠は企業業績の好調さだ。東証プライム企業(2027年3月期)の経常利益は10.7%増益が予想され、この力強い業績モメンタムが株価上昇を支えるとの見方である。当初はトランプ関税などの懸念から減益が予想されていたが、堅調な米国景気、円安の進行、非製造業やAI関連の好調により、増益へと修正された。日本企業の収益改善が日経平均の上昇基盤となっている。

Q. 日本経済の「インフレ時代」到来は、企業や株価にどのような本質的影響を与え、また「名目GDP」が株価を語る上で重要となるのはなぜか?
日本にはデフレ時代が終焉し、インフレ時代が到来したと多くの専門家が指摘する。インフレは消費者には負担だが、企業経営には製品・サービスの値上げを可能にし、「追い風」となる。値上げが困難であった製造業でも最高益を更新する企業が続出する状況だ。経済健全性を測る『実質GDP』は物価変動調整済みの架空の数字であるのに対し、企業の実態を反映するのは物価上昇分を含む『名目GDP』である。名目GDPの力強い成長こそが、企業の売上や利益を押し上げ、ひいては株価上昇の根底をなす。投資家は株主視点への転換が求められる。
Q. 日本企業の変革として進む株主還元強化とコーポレートガバナンス改善は、株価上昇にどう寄与するか?
東京証券取引所からのPBR改善要請などを背景に、日本企業では自社株買いが急速に増加する。自社株買いは発行済み株式数を減らし、1株当たり利益(EPS)を押し上げ株価上昇に繋がりやすい。また、日銀のETF買いはコーポレートガバナンス改善を促した側面がある。株式を売却できないパッシブファンドが保有比率を高め、運用会社は株主総会などを通じて経営陣に対し、株主価値向上のため積極的な働きかけを行うようになったのだ。この変化が日本企業の株主還元意識とガバナンスレベルを向上させ、長期的な株価上昇の原動力となる。
Q. 長期金利と配当利回りの「利回り革命」は、日本の投資環境にどのような歴史的な転換を告げているか?
日本の投資環境は歴史的な転換期にある。約60年ぶりに長期金利が株式配当利回りを上回る『利回り革命』が発生した。この現象は高度経済成長期直前にも見られ、デフレからインフレへの構造転換を示す強力なシグナルだ。長らく『現金が最強』とされたデフレマインドから脱却し、インフレによる資産目減りリスクに対応するため投資への行動変容が求められるだろう。現預金として滞留する1000兆円超の個人金融資産が株式市場に流れ込めば、日経平均5万5000円は単なる通過点となり得る。

Q. 強気シナリオの中で投資家が特に警戒すべきリスク要因は何であり、また急落時の対処法はどのようなものが考えられるか?
現在の強気相場には複数のリスク要因が内在する。地政学的な日中関係の悪化、米中貿易戦争の再燃、トランプ関税の再強化などが挙げられる。国内金利の急騰や米景気後退、AI関連株の「バブル」懸念も無視できない。しかし、過去の暴落は予測外の『テールリスク』で引き起こされるケースが多い点に留意すべきだ。日経平均は年間±20%程度の変動が一般的で、ショック時には20~30%の急落も起こり得る。このような局面でも、短期的な値動きに一喜一憂せず、長期的な視点と分散投資で冷静に対応することが重要である。常に備えが不可欠だ。
Q. インフレ時代に注目すべきバリュー株セクターと、AI関連の新たな成長テーマにおける注目銘柄は何か?
インフレ時代に優位となるのは、金利上昇や物価高の恩恵を受けやすい『バリュー株』だ。特に『金融』『資源エネルギー関連』『製造業』の3セクターが注目される。金融では三菱UFJFG。資源ではAI普及でLNG需要が見込まれるINPEXや三菱商事、日本郵船。製造業では、値上げが浸透し最高益を更新する王子ホールディングス、現地生産比率の高さから関税リスクが低くシェア拡大を狙うブリヂストン、ホンダが推奨される。これら企業はPBRが割安な場合が多い。

AI半導体ブームに続く成長テーマは、『電力』と『AIエージェント/フィジカルAI』である。AI稼働には膨大な電力が不可欠で、電力株(関西電力など)や送配電網整備の建設土木関連企業は有望。省電力・大容量通信を実現する『光部品・光ファイバー』も鍵だ。さらに、まだ株価に織り込まれていない『AIエージェント』や、物理的作業を行う『フィジカルAI(ロボット)』関連の小型成長株に注目が集まる。ソフトバンクグループはOpenAIへの投資が奏功しており、法人向けAIビジネス本格化で真価を発揮する見込みだ。