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【国交省の不動産調査が暴いた真実】高市政権の不動産への影響
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2025年12月5日

国交省の異例となる調査発表から見えてきた“海外マネー買い占め”の意外な実態とは?さらに議論が加速する不動産関連の制度見直しから見えてくる高市政権の狙いとは?LIFULL HOME's総研 副所長の中山登志朗氏に聞いた。 ▼プロフィール 中山登志朗 | LIFULL HOME’S総合研究所・副所長チ...
日本不動産市場の真相:見せかけの「外国人爆買い」と実態なき価格暴落論
「海外マネーによる不動産爆買いが価格高騰を引き起こしている」「投機によって日本の住宅が買えなくなっている」。近年、日本不動産市場の状況は多くの議論を呼んでいる。特に、マンション価格の高騰や短期売買の増加がメディアを賑わせ、不安の声も少なくない。しかし、その報道や一般の認識は必ずしも実態を反映していない場合がある。
国土交通省が発表した異例の調査結果と、ライフルホームズ総研のチーフアナリスト中山登志朗氏の深い知見に基づき、不動産市場の真の姿をQ&A形式で解き明かす。果たして、「外国人爆買い」は真実なのか。日本の不動産価格はどこへ向かうのか。本稿はこれらの疑問に答えるだろう。

Q. 国土交通省が異例の不動産調査を発表した真意は何か?
国土交通省が不動産の短期売買や海外居住者による購入実態を調査し、結果を発表すること自体、非常に異例の事態である。この動きは、不動産市場が国政レベルでの高い関心事となっている証拠であり、今後の政策変更に向けた最初の一歩である可能性が高い。国民の間に広がるマンション価格高騰への懸念、特に外国人による購入増加というイメージに対して、政府として何らかの姿勢を示す必要性を感じていると推測できる。
また、国交大臣が「国籍を問わず、実需に基づかない投機的取引は好ましくない」と明言したことは重要である。これは、住宅が本来、住むためのものであるにもかかわらず、利益目的の転売行為が活発化し、本来購入を希望する層の機会を奪っているという問題意識が政府内部に存在することを示唆している。株や金などの投資対象とは異なり、住宅は生活必需品としての側面を持つため、その投機的取引が社会的な批判を浴びやすい状況であると言えるだろう。
Q. 「外国人爆買い」の実態は世間のイメージと異なるのか?
世間で広く言われている「海外マネーが日本の不動産を買い占めている」という認識は、実態と大きく異なっている場合が多い。国土交通省の今回の調査は「海外に住所があるか否か」を基準としており、日本国内に在住する外国人や、外国籍の個人が日本に設立した法人名義での購入はデータに反映されていない。これが、世間のイメージと調査結果の乖離を生む最大の要因である。もし国籍別のデータが集計できれば、市場のリアルな動きがより明確になるだろう。

例えば、調査データで海外からの購入者が最も多い国・地域は台湾である。これは台湾の方々の親日感情や、近年の台湾有事を懸念し、日本を安全資産としての避難先と捉える動きがあることが背景にあると見られている。一方で、当初多くの人が予想していた中国からの購入件数が直近で30件程度と少ないのは、日本在住の中国人や、彼らが日本で設立した法人が購入するケースが多いため、実態が水面下にあるからであると専門家は分析する。このような隠れた購入者を含めれば、その件数は遥かに多いと推測される。
また、「晴海フラッグ」がある中央区の海外住所からの購入が0.0%であったことも注目に値する。これは、購入者の多くが日本国内に住所を持つ外国籍の人物であることを明確に示唆している。都内の新宿区や渋谷区で多くの短期売買が見られるのも、これらの地域が元々、日本在住の外国籍の人々に人気の高いエリアだからに他ならない。
Q. マンションの短期売買はなぜ増加し、どんな物件が狙われやすいのか?
短期売買の増加は明らかであり、国交省は保存登記から1年以内に移転登記がなされた物件を短期売買と定義している。これは、引き渡しを受けてすぐに転売するケースや、わずか数日で所有権が移転する「契約後転売」といった行為を指し、売却益を得る目的が強い、投機的な側面を持つと捉えられている。以前から株や金などと同様の投資活動の一環ではあるものの、住宅という性質上、批判の対象となりやすい。実際、引き渡し前の転売が発覚した場合、手付金を没収し契約解除するなどの業界内の自主規制も始まっている。

意外なことに、短期売買の対象となっているのは、高額物件ばかりではない。1億円未満の物件が全体の約63%を占めている事実がある。これは、高額物件で一攫千金を狙うというよりも、確実に値上がりが期待できる手頃な価格帯の物件を狙い、リスクを抑えながら堅実に利益を積み上げていく投資戦略が主流であるからだ。一度小さな成功体験を積むことで、徐々に資産を拡大していく投資家が多いことが見て取れる。
また、大規模マンションが短期売買のターゲットになりやすい傾向も顕著である。大規模マンションは多様な間取りや価格帯の住戸があるため、幅広い予算の買い手が付きやすく、流動性が高い。この「買いやすさ、売りやすさ」が、投機家にとって魅力的な投資対象となっている。ニュースサイトなどを活用して世界中の投資家がリアルタイムで物件情報を把握しているため、ハルミフラッグのような大型再開発物件の供給時期や話題性によって、短期売買の割合は大きく変動するだろう。
Q. 都心マンションの価格は今後下がることはあるのか?
現在のマンション価格高騰は「外国人爆買い」のみが原因ではない。日本の富裕層も主要なプレーヤーである。株式市場での利益を得た人々が、価格変動の小さい不動産に資産を移し替える動きが活発だ。また、「大相続時代」を迎え、相続税対策としてタワーマンションなどを購入する高齢富裕層の需要も根強い。これらの国内からの旺盛な需要が、価格を下支えし続けているのが実情だ。
都心の新築分譲計画においては、今後坪2000万円、さらに一部では坪4000万円という超高額物件の出現が囁かれている。新築マンションの価格は、地価高騰、資材費や人件費の高騰、住宅性能適合義務化などのコストプッシュ要因により、下がるどころか上昇傾向が続く可能性が高い。新築価格が高止まりすれば、中古マンションの価格もこれに引きずられ、買い手の「買った価格より安く売りたくない」という心理も手伝い、下がりようがない状況であると言えるだろう。
Q. 政府による相続税評価額見直し策の本当の狙いは何か?
新政権下で不動産関連の発表が相次ぐのは、高すぎる住宅価格に対する国民の不安や不満が高まっているため、その「火消し」としての側面が強い。不動産価格が高騰し、一般の人々が家を購入しにくい状況に対する世間の批判に応えるべく、政府が何らかの政策姿勢を打ち出していると見ることができるだろう。
タワマン節税の封じ込めや相続税評価額の見直しは、表面上は投機抑制策に見えるが、その本質的な狙いは「税収増」であると専門家は分析する。地価の上昇に伴い固定資産税の評価額も見直され、徴収される税金は今後全国的に増加する見込みだ。国の財政健全化を目指す上で、不動産資産への課税強化は、国にとって望ましい対策となる。住宅をめぐる政策は、純粋な市場介入というよりも、国の財政戦略と深く結びついていると言える。
ただし、税制改正が価格全体に与える影響は限定的だろう。地価や資材価格、人件費の高騰に加え、住宅性能義務化といった複数のコスト上昇要因が重なっている現状では、税制優遇の一部がなくなったとしても、不動産価格が根本的に下がる方向へ向かう可能性は低い。また、「こんなに高くて誰が買うのか」と疑問視されるような超高額物件であっても、依然として買い手は確実に存在し、日本の富裕層の資産力は底上げされている。インフレ時代において現物資産が有利という考え方が広まっていることも、価格維持の一因である。
Q. 家を購入したい人は、今どのような戦略をとるべきか?
現状、新築マンション市場では、検討者であっても実際に購入できるのはわずか3.6%に過ぎない。検討を断念した人や、高額すぎて最初から検討対象としない人も多く、価格高騰が人々のライフプランや住まいの選択肢に深刻な影響を与えている。住み替えを諦める層も20%以上に達するという現実がある。
専門家は「景気は必ず循環する」ことを強調する。現在の資産インフレもいずれはデフレ局面へ移行する可能性を孕んでいるため、常にその先の見通しを持っておく必要がある。現在の低金利環境は住宅ローンを組む上で「最後のチャンス」であるかもしれないが、それがインフレの行き過ぎた終焉となるリスクも理解しなければならないだろう。

実需に基づいて住宅を購入するのならば、今の市場でも十分に購入の機会は存在する。特に住宅性能の高い新築物件であれば、現状の価格が必ずしも不適正ではないものも存在すると言う。中長期的な居住を前提とするなら、今購入することは選択肢の一つである。予算が合わない場合は、郊外の新築戸建てや、都心に近い中古物件をリノベーションするなどの戦略も有効だ。重要なのは、目先の価格変動に一喜一憂するのではなく、ライフプランに合わせた戦略的なビジョンを持つことである。政府の政策動向も、現状は本格的な介入の準備段階と見られており、市場全体に大きな影響を与えるまでには時間を要する可能性があるため、個人は金融政策の動向や自身の資金計画に注力すべきだと言える。