マーケット超分析
【岡崎良介×木野内栄治】高市トレードは短命に終わる/日銀10月利上げも?
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2025年10月8日

月イチで株式相場の解説を行う、「マーケット超分析」の10月回。前編は、日本の株式相場を分析。高市トレードはいつまで続くのか? <出演者> 柴田阿弥|MC 木野内栄治|大和証券 チーフテクニカルアナリスト 岡崎良介|ストラテジスト 収録日:2025年10月7日(火) ▼この動画の前後編はこちらか...
高市新総裁誕生で日本株どう動く?「本格的な円高時代」が示す次なる投資戦略

Q. 高市新総裁の経済政策は日本株にどのような影響をもたらすか?
高市新総裁の経済政策は日本株にプラス影響をもたらす可能性がある。彼女の「積極財政」は増税でなく、経済成長を通じた税収増を目指す。過去のデータから、GDP需給ギャップとTOPIXには連動性があり、この政策が進めば株高を期待できる。また、行き過ぎた円安に対して為替介入で外貨準備を活用する可能性も示唆されており、金融緩和と円安対策を両立させる政策パッケージが注目される。

Q. 日本の財政健全性は維持されるのか?英国のような「トラスショック」は心配ないか?
日本の財政健全性について、英国のような「トラスショック」の懸念は低い。日本の純債務残高は対GDP比で健全であり、豊富な外貨準備の評価益約70兆円が潜在的財源となる。CDSも極めて低水準で安定し、市場は財政破綻リスクを評価していない。さらに、税収上振れなどから約14兆円の財政出動が追加国債発行なしに可能であり、財政余力は予想以上に大きいと言える。
Q.「良いインフレ」が進行すると、日本経済や株式市場にどう影響するのか?
積極財政がもたらすのは、コストプッシュ型ではない「デマンドプル型」の良いインフレだ。需要増が物価を押し上げる健全な状態を指す。これが続けば実質金利は低く保たれ、企業の設備投資意欲が高まる。設備投資のトレンドは日経平均と連動しており、株価上昇要因となる。また、需要超過はR&D投資を活発化させ、イノベーション促進を通じ、電気株などのハイテク関連株の追い風となるだろう。核融合や量子コンピューターなども注目テーマだ。
Q. 日本株市場の長期的な見通しは明るいとされる一方で、短期的なリスクは存在するのか?
日本株市場は長期的には明るいが、短期的リスクも無視できない。相場は底から半年でピークアウトする傾向があり、既に空売り買い戻しが一巡する時期に来ている。高市総裁誕生による急騰は過熱気味の相場に拍車をかけたため、持続性には注意が必要だ。また、四半期末(3、6、9、12月)は企業の自社株買い自粛で株価が下がりやすく、四半期初は金融機関の利益確定売りが出やすい季節性(アノマリー)がある。IMFの成長率見通し次第では、韓国市場への資金流出リスクも考えられる。

Q.「本格的な円高時代」が到来するという見方があるが、その根拠と背景は何か?
岡崎氏は、日銀の金融正常化と米国の利下げにより「本格的な円高時代」が到来すると予測する。日銀は異次元緩和の負の遺産処理「シーズン1」から、今後本格的な利上げ局面「シーズン2」へと移行し、政策金利は1年以内に1%、将来的には2~2.5%へと引き上げられる可能性がある。一方、米国ではインフレが続くも、FRBは利下げを進め、来年には政策金利が3%程度まで下がると予測される。日米金利差縮小が円高を促す主な要因だ。これは10~20%規模の大きな動きになると見られる。
Q. 為替レートの動きについて、投資家が従来持っていた認識は変える必要があるのか?
為替レートに対する「円高がデフレを引き起こす」「円安がインフレを助長する」という従来の認識は改める必要がある。岡崎氏によれば、事実は「デフレだから円高になった」「インフレだから円安になった」だという。金融政策の対応の遅れが為替変動の主要因であった。デフレ期に金利がゼロ以下にできなかったため実質金利が高まり円高に、インフレ期には実質金利がマイナスで円安が進んだ。日米の金融政策の方向性逆転により実質金利差が縮小すれば、大幅な円高へと動く必然性があり、チャートは1ドル118円を指し示す。

Q. 円高基調への転換が予測される中で、投資家はどのような銘柄に注目すべきか?
本格的な円高転換に備え、投資家はポートフォリオの抜本的見直しが必要となる。円高が進めば、好調だった外需(輸出)企業やグローバルな成長株より、輸入コスト減で恩恵を受ける内需企業が有利になる。小売、食品、電力、ガスといったセクターが具体例だ。これらは中小型企業も多いため、個人投資家が先行して情報を捉えるチャンスがある。米国株や「オルカン」といった海外資産も為替差損でリターンが目減りするリスクがある。市場の前のめりな動きに焦らず、変化に適応する柔軟な投資行動が成功の鍵となるだろう。