PIVOT Vlog
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2025年9月24日

PIVOTのMC陣やスペシャルゲストが「深堀りしたいテーマ」を、自由に語るアプリ・Web限定のトークコンテンツ「PIVOT Vlog」 <参考書籍> 日本を決定した百年 (中公文庫 よ 24-7) https://amzn.to/4pVwX0X 国際政治 改版 恐怖と希望 (中公新書) http...
現代ビジネスの最前線で活躍するビジネスパーソンにとって、経済の知識だけでは世界の動向を読み解くことが困難になった。グローバル経済と国際政治は不可分であり、地政学リスク一つで事業の成否が大きく左右される時代だ。PIVOTのコンテンツ責任者は、国際情勢を深く理解することの重要性を強調し、今、世界で何が起きているのか、そして私たちは何を学ぶべきかについて考察を提示する。

現代ビジネスにおいて、経済指標や株価のみを追うだけでは世界の潮流を見誤る。国際政治や安全保障といった要因が、企業活動や経済全体に直接的な影響を与える時代になったからだ。例えば、特定地域の紛争はサプライチェーンの寸断や資源価格の変動を引き起こし、ビジネス環境を劇的に変化させる。今後の世界を正確に予測し、自らのビジネスを有利に導くためには、国際政治という大きな視点を持つことが不可欠だ。経済メディアでさえ、経済に加えて国際情勢の発信に力を入れるのはそのためである。また、国のリーダーには、国内の経済問題に留まらず、激動する国際情勢の中で日本の針路を定め、国家の大きな戦略を描く高い見識が求められる現状がある。経済だけでなく、防衛や安全保障をも含んだ日本全体でのグランドデザインが必要とされているのだ。

国際政治を理解する上で、まず「リアリズム(現実主義)」と「リベラリズム(理想主義)」という二大学派の視点を知ることが重要だ。この二つの基本的な考え方を学ぶだけで、世界のニュースの見方が劇的に変わる。リアリズムは、国際社会を基本的に無政府状態と捉え、各国が自らの国益を最優先し、時には競合や対立を通じて安全と力を確保しようとする思想である。一方でリベラリズムは、国際法や国際機関を通じた協力、自由貿易や経済の相互依存により、戦争のない平和な世界を目指す。戦後の国際社会はリベラリズム的な協調路線を指向してきた側面が強かったが、近年では、各国が国益を露骨に主張し、単独行動主義や保護主義が台頭するリアリズムへの回帰が進んでいるのが現状だ。トランプ元大統領の「アメリカファースト」はその典型的な発現と言えるだろう。
日本は第二次世界大戦後のおよそ80年間、アメリカの強い軍事的な保護下に置かれ、安全保障の心配をせずに経済発展に邁進できた時代を経験した。このため、「経済に集中すれば問題ない」という意識が国民全体に深く浸透してしまった。しかし、世界が国際協調よりも国益追求のリアリズムへと大きく傾く現在、この「パックス・アメリカーナ」とも言える戦後体制は維持しがたい状況にある。日本は今、かつての経済至上主義から脱却し、経済の安定と繁栄はもちろん、安全保障という基盤を自力で真剣に再考し、独自の国家戦略を構築すべき時代を迎えている。これは極めて厳しいが、80年ぶりとも言える国家としての大きな転換点であり、国民全体で意識を高めることが求められる。幸福な社会を保つためにも、国際政治の現実から目を背けてはならない。

国際政治の知識を深めるには、専門書のような硬い教科書だけでなく、読みやすい過去の名著を読むことが効果的だ。特にリアリズムの視点から書かれた古い本は、現代を理解するための示唆に富む。例えば、戦後日本の国際社会への復帰を牽引し、今日の日本の基盤を築いた宰相・吉田茂が著した『日本を決定した100年』は非常に有益である。当時の日本が直面した厳しい国際情勢と、その中で彼がどのような戦略を採ったのかを理解する上で重要だ。文庫本や中古であればわずか数十円から手に入ることもある。また、文章が極めて巧みで知られる国際政治学者・高坂正堯による著作も大いにおすすめだ。『宰相吉田茂』、『海洋国家日本の構想』、そして彼自身の名を冠した『国際政治』は、リアリズムの視点から日本の戦略や国際関係を論じており、簡潔かつ明快な筆致で多くの読者を惹きつけてきた。古い時代の国際情勢や政策決定プロセスを学ぶことで、目の前の出来事だけでなく、現代の国際社会をより多角的に、そして本質的に理解する力が養われるだろう。

PIVOTでは、日本の行く末を左右するこの重要な国際政治と国家戦略のテーマについて、多角的な議論を深掘りするコンテンツを多数提供している。例えば、前回の総裁選を機に、思想史家・千崎晃仁氏による保守思想の真髄についての解説、コバホークこと小林鷹之氏による安全保障や移民政策に関する提言、田所教授による「世界秩序」についての論考などを配信してきた。これらのコンテンツは、政治を単なるニュースとしてではなく、歴史や哲学、社会全体との関連の中で理解するためのインサイトを提供する。さらに、日本維新の会による憲法改正と国防の構想をテーマに、担当議員と国際政治学者・細谷雄一氏、元陸上幕僚長・岩田氏が、現在の憲法が抱える課題や日米同盟のアップグレードを含む喫緊の課題について深く議論する長時間にわたる対談も収録している。これらはビジネスパーソンが自分ごととして国際情勢を捉え、日本の未来を考えるための貴重な視点と深い理解をもたらすはずだ。