PIVOT TALK SPORTS
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2025年9月13日

34年ぶり東京開催の「世界陸上」。 元日本代表と陸上競技取材の第一人者が、選手の動き・戦略・フォームの“細かすぎるポイント”を徹底解説。この動画を観れば、世界陸上が10倍面白くなること間違いなし。 〈ゲスト〉 有森裕子|日本陸連会長 1991年世界陸上(東京) 4位。バルセロナ五輪で銀、アトランタ...
東京2025世界陸上、国内開催は16年ぶり!陸上のプロたちが語る見どころと楽しみ方

世界陸上は2年に1回開催される陸上競技の世界選手権大会。オリンピックとは異なる魅力がある。横田真人氏(TWOLAPS代表)は「オリンピックはなんか4年に1回でみんながここに目がけて来るのでエネルギーが違うが、世界陸上はお祭り感があってエンターテイメント要素も強い。陸上を本当に楽しむなら世界陸上という感じ」と説明する。

有森裕子氏(日本陸上競技連盟会長)は「世界陸上は国対抗ではないので、国のメダル数よりも純粋に陸上の技術や基礎的な面白さを見られる」と補足。「より純粋に陸上の中の技術を見るという楽しさは世界陸上ならでは」と語る。
西本武司氏(EKIDEN NEWS代表)によれば「世界陸上は本当に陸上が好きなオタクが集まる。チケットの値段も手頃で、2年に1回開催されるおかげで、自分とはあまり関係ない国に遊びに行ける。そういうオタクたちが世界中をツアーしてくる」という特徴もある。
2025年9月13日から21日まで9日間、国立競技場で開催される東京2025世界陸上は、日本では34年ぶりの国立競技場開催、2007年の大阪大会以来の国内開催となる。全49種目で約2000人の選手が参加し、日本代表は80人と大人数だ。
有森氏は「会長としてこれだけ人数が増やせたことも喜んでいる。短距離で4×400mに今回チームが出せるのも初めてで、いい経験にもなってほしい」と期待を寄せる。
有森氏自身、1991年の東京世界陸上で国際デビューした経験を持つ。「34年前が国際デビューで、会長としてのデビューも東京というのは巡り合わせが不思議」と感慨深げだ。
陸上はテレビと生観戦では大きく体験が異なる。西本氏は「これはやっぱり生しかないよって言うしかない。家で録画を見ていると『こんなんだったっけ?』となる。やっぱり迫力が違う」と強調する。

有森氏も「テレビではどうしても視野が限られる。隣の選手の表情や緊張感など、全体が見えないことで期待するものを狭めてしまう部分もある。現場に行けば、小さく見えるかもしれないが空気感と全体を見られる楽しさがある」と語る。
陸上初心者が驚くのは「どこで何の種目をやっているのかがわからない」という点。複数の種目が同時進行するため、現場では説明付きのシートが用意されている。有森氏は「陸上は他のスポーツと違って1つの種目だけを見るわけではないので、座る位置によって見えないものができてしまう。そういう工夫が必要」と指摘する。
【女子やり投げ・北口春香選手】
パリオリンピックでも金メダルを獲得した前回大会の金メダリスト。西本氏は「今回はミラクルを期待したい。パリ五輪前に肋骨を壊して試合を空けていたが、最終投擲で60mを投げて『行けるかも』という感じになっている」と解説する。
【女子1500m・5000m・田中望美選手】
西本氏は「この人は9月の女王。毎年3〜4月はコンディションが整わず、しっくり来ていない顔で日本選手権に出るが、9月になるとピタッと合ってくる。前回の世界陸上5000mで8位入賞し、今回も期待できる」と分析する。
【男子100m・桐生祥秀選手】
西本氏は「厚底スパイクに対応できたのがポイント。100m自体は相対的に厚底スパイクの影響で記録が伸びているが、10秒を切れる選手はなかなか出てこなかった。桐生選手は厚底を使いこなせるようになり、ようやく桐生時代が登場した」と評価する。
【男子3000m障害・三浦龍司選手】
横田氏は「ハードル技術は世界一レベル。小さい頃からハードルをやっていて、他の選手と違いハードルを越えた後にリズムが途切れない」と絶賛。西本氏も「金メダリストに一度勝っている」と期待を寄せる。
【男子棒高跳び・デュプランティス選手】
西本氏が特に推すのが男子棒高跳びのデュプランティス。「6mという高さを何度も越え、1年で何度も世界記録を更新する選手。東京大会でも更新してくれるはず。棒高跳びのチケットは他の国では一番最初に完売になるのに、日本では余っている。絶対買った方がいい」と熱弁。パリオリンピックでも最も盛り上がったのは100mではなく棒高跳びだったという。
【男子400mハードル・ワーホルム選手】
横田氏が注目するのは男子400mハードル。「仕上がっているという情報がある。ルーティンとして、スタート直前に顔をビンタしてから走る。水をギリギリまで飲み続けるのも特徴。国立競技場は風の影響が少なく記録が出やすい環境なので期待できる」と解説する。
【男子100m・ガウト選手】
西本氏は「17歳の新星で、ボルトを思わせるような走りをする。フォームは荒々しいが、生で見ると一人だけグングン走っているように見える。初めての国際舞台なので、ここでブレイクするかも」と注目する。
【男子20km競歩・山西利和選手】
西本氏は「世界陸上で2度金メダルを獲得している。一時期苦しんでいたが、今年2月の日本選手権で世界記録を出して復活。イタリアの友人と一緒に練習して準備してきたが、その友人は怪我で出場できなくなったので、より勝たなければならなくなった」と状況を説明する。
専門家3人がアドバイスするのは「まず生で見に行くこと」。西本氏は「騙されたと思って一番安いチケットを買って会場に来てほしい。初日に来れば、その後も行きたくなるはず」と推奨する。

横田氏は「全部見なくてもいい。全部見ると疲れる。一つだけでも見て、違う気づきを得てほしい」とアドバイス。
有森氏は「その空気を味わってほしい。すごい、面白いと思ってもらいたい。マニアックになってもいいし、何でもいいから競技場に来て陸上を見るパワーを感じてほしい」と熱望する。
競技として特におすすめなのは「静寂から爆発へと変わる瞬間」。西本氏は「6万人が静かになる瞬間は他のスポーツには絶対ない」と指摘。棒高跳びのデュプランティスの世界記録挑戦など、会場全体が一つになる瞬間こそ陸上の醍醐味だという。
そして何より「何となく見に来て、思いがけない種目にハマる」という楽しみ方もある。横田氏は「ゴールデングランプリで知らない人を招待した時、一番面白かったのは3000m障害だと言われた」と明かす。陸上には誰もが楽しめる何かがきっと見つかるはずだ。