PIVOT TALK BUSINESS
地球温暖化のウソ・ホント
(1026)
1.1万回視聴
2025年8月17日

連日の猛暑、その原因は本当に地球温暖化なのか?都市のヒートアイランド現象の実態や、世界的な異常気象の意外な真相について、キヤノングローバル戦略研究所の杉山大志氏が解説
気候変動の真実と対策 - 杉山大志氏インタビュー
地球温暖化と都市の熱問題をめぐり、「地球が危機的状況にある」という主張をよく耳にします。しかし、それは本当なのでしょうか?キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の杉山大志氏に、温暖化の実態と対策について聞きました。

Q. 東京の平均気温上昇について、都市化と地球温暖化の影響はどう違うのでしょうか?
東京の平均気温は都市熱の影響で約3℃上昇しています。日本の15地点(比較的田舎の地域)の平均気温と大都市3都市(東京、大阪、名古屋)の平均気温を比較すると、大都市の方が明らかに高くなっています。

両者は1900年頃は同程度でしたが、2000年代以降は1℃以上の差が出始めています。一方、純粋な地球温暖化による上昇は、30年間でわずか0.3℃程度です。つまり、都市部で感じる暑さの主な原因は地球温暖化ではなく、都市化による熱の蓄積なのです。
過去100年間の気温上昇を分析すると、都市化による上昇が約2℃、地球温暖化による上昇が約1℃と考えられます。
Q. 国連事務総長が「災害が50年で5倍になった」と述べていますが、これは事実なのでしょうか?
このデータは「報告された災害件数」であって、実際に発生した災害の件数ではありません。過去50年間で、世界の人口は増加し、経済は成長し、建物や道路などのインフラも広がりました。そのため、以前なら報告されなかった災害が報告されるようになっただけです。
例えば、誰も住んでいない山が崩れても報告されませんが、そこに道路や家屋があれば災害として報告されます。つまり、このグラフは災害の増加ではなく、経済成長を示すグラフと考えるべきです。
実際に気象学的なデータを見れば、台風などの気象現象は強くなっていません。例えば、日本で最も強力だった台風は1950年代に来たものであり、伊勢湾台風(1959年)や狩野川台風(1958年)などが記録的な被害をもたらしました。その後は特に強い台風は来ておらず、統計的には横ばいです。
Q. 暑さ対策として、どのような方法が効果的でしょうか?
環境省の街中の暑さ対策ガイドラインによれば、気温が30℃の環境でも、日向の地面は50℃にも達する一方、木陰の下は30℃程度にとどまります。つまり、日陰を作ることが重要です。
具体的な対策としては、韓国の例が参考になります。交差点に日除けテントや傘を設置し、信号待ちの間、人々が日陰に入れるようにしているのです。日照対策をするだけで体感温度は3割も下がるため、街中に日陰を増やすことは有効な暑さ対策となります。
その他、空気や地面を冷やす方法も効果的です。また、エアコンの活用、不要な外出を控える、朝の涼しい時間帯に活動するなど、個人でもできる対策も多くあります。
Q. 「気候危機説は誇張だ」「経済を犠牲にするな」という主張の真意は何でしょうか?
CO2が増えると地球が温暖化することは事実ですが、その程度は30年で0.3℃程度です。現在感じている暑さのほとんどは都市化によるもので、CO2とは関係ありません。
さらに、日本がCO2排出量を2050年までにゼロにしたとしても、世界の気温は0.006℃しか下がりません。これは国連の公式データを使用した計算結果です。一方、CO2排出ゼロを達成するためには、ほぼすべての産業活動や生活様式を変える必要があり、経済的には非常に大きなコストがかかります。

このようなわずかな気温低下のために、巨大な経済的犠牲を払う必要があるのかという疑問があります。特に、災害の激甚化も実際には起きていないという事実を考えると、現在の気候危機説は誇張されている側面があると言えます。
Q. 再生可能エネルギーについてはどうお考えですか?
太陽光発電は、太陽が照っている時間しか発電できません。年間の約13%の時間しか効率的に発電できないのです。夜は発電できず、雨の日や曇りの日、朝夕も発電効率が低下します。

そのため、残りの87%の時間は火力発電所で石炭やガスを燃やして発電する必要があります。つまり、太陽光パネルをいくら増設しても、火力発電所は必要なままです。これは二重投資となり、エネルギーコストの上昇につながります。
再生可能エネルギーへの転換は、CO2排出量を少し減らすことはできますが、コスト面での課題が大きいのが現実です。
Q. 気温が40℃に達する現状をどう見ていますか?
40℃という高温は確かに問題ですが、仮に30年前にCO2が少なかったとしても、39.7℃になっていた程度です(地球温暖化の影響は0.3℃程度)。また、日本がCO2排出をゼロにしても、40℃が39.994℃になるだけです(0.006℃の低下)。
つまり、現在の暑さ問題にCO2排出削減はほとんど影響しません。それよりも、エアコンの活用、日陰に入る、朝早くに活動する、不要な外出を控えるなどの直接的な暑さ対策の方が効果的です。
さらに、日本では寒さで亡くなる人の数が、暑さで亡くなる人の約10倍という事実もあります。気温変動の問題は、暑さだけでなく寒さも含めて総合的に考える必要があるのです。