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40℃の猛暑。タワマンが原因か
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2025年8月17日

連日の猛暑、その原因は本当に地球温暖化なのか?都市のヒートアイランド現象の実態や、世界的な異常気象の意外な真相について、キヤノングローバル戦略研究所の杉山大志氏が解説 <ゲスト> 杉山大志|キヤノングローバル戦略研究所 研究主幹 東京大学 理学部物理学科卒。同大 大学院工学系研究科物理工学専攻修...
【猛暑の真相】地球温暖化は「マイナーな要因」…専門家が都市の暑さの主因を解説

Q.連日の猛暑に日本中が悩まされていますが、その原因は本当に地球温暖化なのでしょうか?
最近の記録的猛暑の原因として地球温暖化が指摘されることが多いですが、専門家によると地球温暖化の影響はマイナーな要因に過ぎないとのこと。キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の杉山大志氏は「地球温暖化は100年で1°C程度の上昇。35歳の人の生まれてからの上昇は0.3°C程度で、これは誤差範囲と言えるほど小さい変化です」と説明しています。

実際、東京のように都市部で感じる暑さの主な原因は「都市熱」、いわゆるヒートアイランド現象だといいます。東京では過去100年で平均気温が約3°C上昇しており、これは地球温暖化による上昇の約3倍。つまり、私たちが感じている暑さの多くは都市構造の変化によるものなのです。
Q.日本だけでなく世界中で猛暑が報告されていますが、これは地球全体が暑くなっている証拠ではないのですか?
「世界中が暑い」という認識は正確ではないようです。杉山氏によると「暑い地域だけがニュースで取り上げられるため、世界中が暑いという印象を受けますが、実際には寒い地域もたくさんあります」と指摘。

2023年の世界の気温データを見ると、日本やヨーロッパなど暑くなった地域がある一方で、アフリカやインド、アメリカ西海岸など、前の10年間よりも寒くなった地域も広く存在していました。
気象現象として、ある地域に南の暖かい空気が流れ込むと熱くなりますが、その分、別の地域には北の冷たい空気が流れ込み、寒くなります。地球全体で見れば、こうした変動は打ち消し合い、平均としては大きく変わらないのです。
Q.では、なぜ今年はこれほど暑いのでしょうか?
2023年以降の記録的な暑さについては、いくつかの説があります。その一つが「フンガトンガ海底火山の噴火」です。
杉山氏によると「3年ほど前にインドネシアで起きたフンガトンガ海底火山の大規模噴火が、地球規模で温暖化を引き起こしている可能性があります。これまでの常識では火山噴火は地球を冷やすとされていましたが、フンガトンガの場合は逆に温めている可能性が指摘されています」とのこと。
また、「世界中の雲の面積が減少している」という現象も指摘されています。雲は太陽光を反射する役割を持ち、地球全体の約30%を覆っていますが、その割合が0.5%ほど減少しているそうです。一見小さな変化に思えますが、雲があるかないかで太陽エネルギーの吸収量が大きく変わるため、気温上昇に影響している可能性があります。
Q.都市部での暑さの主な原因は何なのでしょうか?
都市部の暑さ、いわゆる「ヒートアイランド現象」の主な原因は、コンクリートやアスファルトなどの人工物です。これらの素材は太陽熱を吸収・蓄積し、夜間になっても放熱し続けるため、都市の気温を上昇させます。
杉山氏は「昔の東京は湿地帯で、雨が降れば水たまりができ、晴れても地面が湿っていて周囲を冷やしていました。また、郊外には水田もあり、自然の冷却システムが機能していました。しかし現在は排水設備が整備され、水たまりができにくくなり、地面が乾燥しやすくなったことも暑さの一因です」と説明しています。
さらに、近年は日射が強くなっていることも熱さの要因として挙げられます。「40年前に比べ、東京の日射は約3割強くなっています。これは大気汚染対策の成功により、大気が澄んで太陽光が地上に届きやすくなったためです」と杉山氏は指摘します。
Q.タワーマンションは都市の暑さの原因と言われていますが、本当ですか?
タワーマンションと都市の暑さの関係は複雑です。杉山氏によると「タワーマンションが風を遮っているという話は確かにあります。昔は練馬などの地域でも夕方になると海風が入ってきていましたが、現在は高層ビルが立ち並び、風の流れが阻害されている面はあります」とのこと。
ただし、タワーマンションには日陰を作る効果や、場所によっては「ビル風」と呼ばれる強い風を生み出す効果もあり、一概に暑さの原因とは言えないようです。また、タワーマンションというと「お金持ちが住んでいるから」というネガティブなイメージで語られる傾向もあるため、客観的な評価が難しい側面もあります。
Q.地球温暖化対策として進められているCO2削減は効果があるのでしょうか?
日本政府は2050年までにCO2排出量を実質ゼロにする目標を掲げていますが、杉山氏によると「それによって下がる気温はわずか0.006°C程度」とのこと。また「太陽光パネルをいくら並べても火力発電所はなくせない」という現実的な課題も指摘しています。
気候変動による災害の増加についても「本当に知りたいなら台風の強さなど気象学的データを見るべき。実際には1950年代に強い台風が来て、その後はそのような強い台風は来ていない」と述べています。
Q.都市の温暖化にはメリットもあるのでしょうか?
意外なことに、都市の温暖化には健康面でのメリットもあるようです。杉山氏は「東京の最低気温は100年前と比べて大きく上昇しており、かつてはマイナス10°C近くまで下がることもありましたが、現在はせいぜいマイナス1°C程度。これは健康にとってはありがたいことです」と説明します。

日本人は夏の熱中症よりも、実は冬の寒さで体調を崩し、亡くなる人の方が多いのです。都市の温暖化によって冬の最低気温が上昇したことで、寒さによる健康リスクが減少している側面もあるというわけです。
Q.私たちが感じている暑さの対策として、何が効果的なのでしょうか?
都市部の暑さ対策としては、コンクリートやアスファルトの蓄熱を減らすことが効果的です。具体的には、緑地や水辺の確保、建物の屋上緑化、遮熱性舗装の採用などが考えられます。
また、風の通り道を確保するための都市計画も重要です。高層ビルの配置を工夫して、海からの風が内陸部まで届くようにすることで、都市の気温上昇を抑制できる可能性があります。
個人レベルでは、日射を避けること、水分補給を適切に行うこと、暑い時間帯の外出を控えることなどが熱中症対策として効果的です。また、冷房の使用も健康を守るためには重要ですが、排熱が都市の暑さを増幅させる側面もあるため、エネルギー効率の良い機器の選択や適切な温度設定が望ましいでしょう。